「あいつらの卑劣な行動にムカムカする映画」罪深き少年たち kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
あいつらの卑劣な行動にムカムカする映画
韓国の法廷もの、サスペンスはハズレが少ない。しかも実話ベースとなると期待が高まる。さらにソル・ギョングが主演となったら、面白くないはずがない。
17年前に起こった強盗殺人事件で逮捕された3人の少年は冤罪だったのではないかと再捜査する刑事を描く。冒頭、時系列の切り替えに若干戸惑ったりもしたが、うまく作られた脚本だった。冤罪を扱った映画では、警察や検察がどれだけ腐っているのかポイントになるが、想像以上の腐り方だった。事件発生から5日で逮捕ってスピードだと、犯人が特定できずに誤認逮捕というよりも最初からでっち上げるつもりだったということ。指紋とかDNAが調べられた雰囲気もないしなかなかのずさんさだ。狂犬と呼ばれたファン刑事がなぜ沈黙していったのかも中盤語られるのだが、これがかなりの胸糞悪さ。自分の立場を守るための卑劣な行動が語られる。
後半、無罪を勝ち取るための再審請求が行われ、解決に向かっていくので安心して観ていられる。ただし、最後の字幕で100%スッキリするラストにはならなかった。やはりなと。あいつらの顔を思い出すとムカムカする。ソル・ギョングはもちろんうまいが、あの刑事・検事役の俳優(よく見る俳優たち)も相当にうまいということだ。いい映画だった。
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