「この手の映画は多く公開されるべき」罪深き少年たち yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
この手の映画は多く公開されるべき
今年209本目(合計1,301本目/今月(2024年6月度)9本目)。
(前の作品 「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」→この作品「罪深き少年たち」→次の作品「母と娘の3日間」(明日予定)
※ 時間調整で、ぼざろを見てからになりますが、憲法論的な解釈がありうる映画以外は基本的に見てもレビュー対象外です
この事件それ自体は、今では現地では有名な冤罪事件として知られていて、国賠(国家賠償法)も2審だが、より当事者を手厚くすべきだと主張されているように、映画内では「フィクションです」とはされますが、この事件によって、「やる気のない警察組織は糾弾されても仕方がない」それにつきます。
日本でも韓国でもこういった事案があるのはまぁ常識的に推知できますが、日本では同じように、「隠ぺいをはかったこと」が地裁などに指摘されて怒られたことがあり、その代表例が「鹿児島の踏み絵事件」であったり、あるいは映画化もされていますが「愛媛県警のWinny操作事件」(これは作品「Winny」参照)があるかなと思います。本映画や例示であげた2事件などは明らかに「警察やる気なし」のケースです。
警察組織としても誰であっても間違えることはあるし、間違った起訴もあります。しかしそれらはわかったらわかった時点で「ごめんなさい」案件で、基本的に賠償による取り扱いになりますが、これらと、最初から「警察にやる気なし」のケースはそもそも別に考えなければならず、この「警察にやる気なし、しかも適当にでっちあげ」といったような極端なケースは多くの国民の指示を得られる失墜することになります。韓国ではこの映画で描かれるこの警察組織がそうでしょうし、日本では実際に起きた「踏み絵事件」から発した鹿児島県警や、「Winny」で描かれていた愛媛県警などがそれにあたるでしょう。
人は間違いをある程度するものという認識のもとで、それでも警察が最善を尽くしても誤逮捕等は起こりえます。もちろんこれも最低限にして欲しいものではありますが、「最大限つくしても起きる問題」はどうしようもありません。その場合、そのあとのフォローが大切になります。一方で「組織がグルになって特定の人を被疑者から犯人に仕立てよう」というような積極的なケースがあるのは別であり、それはこの映画の例や鹿児島のその事件などがあげられるかなと思います。
こういった「警察のやる気なし、勝手に事件記録から何まで全部架空」なんていう映画はダメなんだなぁと思う一方、この事件はドキュメンタリー映画であり(一応、映画としては特定の事件をテーマにしたフィクションです、とはなるが)、「趣旨として」「(韓国)警察のやる気なし、適当に調書から何から全部でっちあげ」という「何なんですかこれ?」レベルの事件になってしまったのがこの事件の特性です。
※ 映画内では適当にぼかされていますが、無罪確定後の国賠(日本相当)も2024年係争中(日本の2審相当)。あまりにも支離滅裂な内容であり1審より高い請求額が認容されるなどされていますので、韓国国内でも心情は極めて悪いものと思われます。
日本・韓国は別に何かを「競争」しあっているわけではないと思いますが、こうした事件については日本・韓国の自国民、もう一方側の見方としても(憲法、行政法ほかにおいて規定が似る隣接国においては)最悪に近い状態になりますので、こうした「やる気なしの組織」が暴発せず「正しく」日々の各国の警察業務にて活躍されることを祈るのみです。
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(減点なし/軽微事項/「全羅北道」の字幕について)
2024年1月18日をもって「全北特別自治道」となりました(特別自治体の扱い)。
※ ただし、ごく最近の話ですし、麗水・順天ほかがある「全羅南道」はそのままで、その対比の意味でその字幕は理解しますので、指摘のみです。