ブリックレイヤーのレビュー・感想・評価
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突っ込みどころは多いけれど
31歳の若さで『ダイ・ハード2』を手掛けたレニー・ハーリンも今や65歳。最近はハリウッド大作を手がけることもなくなった。だが、彼ならではの、一か所にとどまらない生き方は映画作りに一つの特色をもたらしている。というのも本作の大部分はギリシアが舞台で、その映像にも典型的なハリウッド映画とは異なる情緒が感じられるから。調べてみるといまハーリン監督はブルガリアにお住まいだとか。ギリシアとの近さを考えるとこれもまた低予算で最大効果を上げるための有効な選択肢なのだと納得させられる。では肝心の内容はどうかというと、元CIAのレンガ職人という設定に興味惹かれる(もっと活かせたとは思うけれど)。謎の人物を追う展開には取り立てて驚きのない型通りの筆運びを感じるが、いざアクション場面になると途端に生き生き。格闘や銃撃やカーアクション、群衆の用い方など「型通り」を飛び越えた思い切りの良さと、見せ方の面白さが光る。
主演も監督も何か久しぶりです
サイボーグという設定にしようか
CIAが開発した。不死身のサイボーグ。みためは、おっさん、汗も流すし、血も流す。だがそこは、サイボーグ、爆発しても、撃たれても、衝かれても、殴られても、蹴られても、不死身なおっさんである。
普段は、平和に煉瓦職人として、日常に溶け込んでいるが、アメリカの危機のときには、さっそうと登場する秘密兵器。という設定ならあきらめもつくというものである。
当然、ものすごい御都合主義だが、好きな人にはそこがいいのかもしれない。おもわず、いい加減にしようよと独り言がでてしまった。
地元で名画座と呼ばれている映画館にかかっていたから信用して鑑賞したが(一抹の不安はあったけど)、1週間限定とはいえ、ここでの上映はやめて欲しかった。
詐欺です。
何にも残らない
撃たれても撃たれても死なない体力勝負のスパイ
90年代は迫力あるアクション映画のヒットメーカーだったレニー・ハーリン監督の新作だけど、まあこんな感じな出来でした。パッとしないおっさんが実は凄腕エージェントなんて設定はあるあるだし、一見派手な効果音のドンパチや格闘シーンは暗くてよくわからないし、ストーリーはご都合主義だし、舞台がギリシャなのに観光的なシーンは皆無と、ツッコミどころ満載です。それでも、週末にビール片手に楽しむにはちょうどいい感じです。主人公のスパイ活動が知性より体力勝負なのが潔いです。役者では、知的で善人のイメージのアーロン・エッカートが、肉弾アクションで頑張ってました。ひょっとして、ポスト・リーアム・ニーソンを狙ってたりして。
B級オブB級
おじさんアクション映画もバリエーションが増えてきた。元エージェントって設定だけではありきたりになってるのだろう。驚きのレンガ職人という設定だ。
元エージェントのレンが職人が、昔の友人や同僚とのしがらみでミッションに駆り出され活躍するという話。この一文だけでもB級感がハンパない。実際観てもB級らしさ全開の映画だった。
そもそもストーリーにあまり乗れない。CIAが裏で動いたいろんな悪事がバレてしまうのを防ごうとするって基本路線がそもそも小さい。悪巧みした人間も動機は恨みでしかないし。すごく大事なミッションなのに経験が浅そうな女性エージェントとすでに退職したOBエージェントで取り組むってのもテンションが上がらない。さらにレンガ職人という設定をあまり活かせていないことにも不満は残る。
でも、それ以上にアクションシーンがわかりづらいのが残念だった。とにかくアクションの映し方が近すぎる。あんなにアップで映されても動きがわかりづらい。迫力を出すための演出なのかもしれないが、明らかに失敗していた気がする。個々のアクションシーンは悪くなかっただけにとてももったいない。
終わらせ方もB級っぽいなと思いながら観ていたが、エンドロールで監督がレニー・ハーリンだったことを知った。たしかに最近監督した映画のイメージはない。もっとできるはずだろレニー・ハーリン。
積み上げるもの…ってこと?
アメリカの諜報活動に対するデモが頻発するギリシャにて、反米ジャーナリストが殺害され…嘗て死亡されたとされるCIAの陰謀を暴くレンガ職人の物語。
犯人とされるラディックとCIA時代の友人であったレンガ職人のヴェイルが、過去の因縁にケリをつけるべく非公認の任務を受けギリシャに飛ぶが、その真相は…。
終始、激しいアクションと分かり易いストーリーでずっと面白く観れる、所謂こういうので良いんだよ作品ですね。
それだけに特筆すべき点も無いように感じたし、レンガ職人っていう設定が活きるのもあそこだけ?って感じだし、工具を使ったアクションをもっと前面にだして欲しい気も。
そして、任務は果たせてもあれだけ町を滅茶苦茶にしたらどっちにしてもCIAに対する態度が軟化することはなさそうですねw
ただ、ますます渋みを増すエッカート氏においてアクションのキレは中々だし、ワンちゃんは可愛いし、時間のある休日におススメの作品です。
渋い、渋すぎアーロン・エッカート
レンガで殴って倒すのかと思ったら違ったけど、相棒のオーバーキルは爽快感たっぷりだった
2024.3.28 字幕 T・JOY京都
2023年のアメリカ&ブルガリア&ギリシャ合作の映画(110分、PG12)
原作はポール・リンゼイ(PN:ノア・ボイド)の『The Bricklayer(邦題:脅迫)』
CIAからレンガ職人転身したエージェントが、過去のミッションの余波に巻き込まれる様子を描いたスパイアクション映画
監督はレニー・ハーリン
脚本はハンナ・ウェグ&マット・ジョンソン
原題の『The Bricklayer』は「レンガ職人」という意味
物語の舞台はギリシャのとある街
ある女から情報を受け取った男は、CIAを転覆させるネタを掴み、温めていた計画を実行していくことになった
一方その頃、アメリカのとある街では、CIAエージェントを辞めてレンガ職人をしているヴェイル(アーロン・エッカート)がいて、ある建物の屋根の手直しをしていた
だが、突如天気が荒れ、雷雨によって、仕事を中断せざるを得なくなってしまう
そんな彼の元に、CIA長官のオマリー(ティム・ブレイク・ネルソン)から連絡が入った
それは「CIAを脅迫している男がいる」というもので、その男は「ヴェイルが殺したはずの元CIAエージェント・ラデック(クリフトン・コリンズ・ジュニア)である」というのである
ヴェイルはオマリーの打診を断ることができず、新人のケイト(ニーナ・ドブレフ)と組まされることになる
ラディクはドイツ人ジャーナリストのグレタ・ベッカー(ヴェロニカ・フェレス)を殺害し、次のターゲットはギリシャ人記者のアレコス・メラス(Micheal Siriopulos)だと指定してきた
そこでヴェイルとケイトは、ギリシアのテッサロニキへと向かうことになったのである
物語は、敏腕だけど隠居している元エージェントと実践経験の少ない若手が組まされるというもので、どこかで聞いたことのあるようなプロットになっている
また、敵がかつての友人で、その友人はある原因で復讐の鬼になっているという流れも、どこかで聞いたようなプロットだったりする
CIA映画あるあるが詰め込まれた古典のような作品で、特徴的なのはレンガ職人をしているというところなのだが、その特性が活きるシーンはほんのわずかしかなかった
黒幕は出てきた瞬間に二択状態で、想像の範囲を超えてこない
その後始末にケイトが登場するのだが、バカにされまくった怒りが溜まりまくっていたので、少々オーバーキル気味になっていた
基本的に旧友との殺し合いがメインで暗いので、最後ぐらいはこれぐらいの爽快感があっても良いのかな、と感じた
いずれにせよ、観たいものを見たという感じになっていて、それ以上でもそれ以下でもない印象
量産型CIAスパイアクションだが、原作が原作なので仕方ないように思う
無駄に入り組んだ物語よりもわかりやすいので、『オッペンハイマー』で死滅した脳細胞を活性化させるには良いのではないだろうか
好き勝手を申し上げますね。
ダイハード2はお気に入りの映画のひとつで、その後の監督の作品をいくつか観たわたしの評価はダイハード2を超えられない監督というものでした。
さて、久しぶりの本作ですが、やはり残念な結果となりましたね。
手垢がついたようなありふれた脚本、役者とキャラクターに魅力的な光るものがなく、小粒感は否めません。
アクションシーンのほとんどが暗くてはっきりしないのも演出に自信がないように見えてしまいます。暗くてもメリハリのあるジョンウィックと比べては酷かも知れませんが、予算が少ないなりに新味は出せるはず。
カーチェイスなど、いくつかのアクションに監督の力量の片鱗が見えただけに惜しまれました。
全体に締まりのない上に音楽までそぐわない、やっつけ仕事のように感じてしまいました。わざわざ作品を作り上げるのに何度も観たり聞いたりしたようなものを世に出してどうするのかと思ってしまいました。
などと遠慮なく申し上げましたが、あくまで個人的な感想でございますので悪しからず。
これからもわたしの好みや主観で勝手な評価を申し上げたいと思います。
まあ、なんです。あそこのラーメンが美味いの不味いのと言うようなことでございますね。
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