劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」のレビュー・感想・評価
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映画として楽しめるものではない
30代男性。大人向けの映画ではないかな、と感じた。軽い気持ちで楽しむウマ娘のファン向けのコンテンツとして捉えれば多少は評価できるが、基本的に観客が置いてけぼりになる作品と思う。
まず私が考えるこの映画の悪かった点は以下3点である。
1.心情描写の少なさ
2.声優の演技
3.音響効果
1について、各キャラの心情描写がほとんどなく言動の理由がわからないため全く感情移入できない。具体的には主人公のジャングルポケットはフジキセキの走りを見たことで自分もあのように走りたい!と感じて最強を目指すのだが、彼女は物語後半で追い抜くことに快感を感じているというような言動が見られる。これは人のレースを見て感じるものではないので言動との不一致がある。
フジのように走りたいのならばフジの走りのどんなところに惹かれたのかを描写してほしかった。
本能で最強を目指すというのであればそれで良いのだが、余計に半端な描写を付け加えたせいでボヤけてしまっている。
ダンツフレームも負けたくない・走りたいといった稚拙な感情を述べるだけであり、一般的なウマ娘の感想を垂れ流すだけになっている。彼女のバックボーンから生まれる彼女なりの心情や言動がなかったことが残念。
マンハッタンカフェについてはゲーム内のシナリオを踏襲しており、そちらを予習していないと理解が追いつかないような描写になっている。尺の問題もあるとは思うが、この作りでは観客に甘えて手を抜いたと言われても仕方がないかと。
タキオンに関しても自分が走らないと意味がないんだ、という至極当たり前の結論にかなり遠回りして行き着いており、安い心情描写と言わざるを得ない。それでも他の主要キャラに比べればまともに描かれてはいるが。
2に関して、とりたてて演技が下手くそというわけではないのだが映像と声のテンションにギャップを感じる場面が多い。
特にタキオンに対して怒りを表現するジャンポケのシーンは酷く感じた。
デフォルメされて怪物のような描写をされているジャンポケ(この映像自体が作品にそぐわない表現のように思うが)にトーンが低めの怒声を当てていてかなり違和感があった。
デフォルメされていることからシーンとしてはコミカルなものを狙っているにも関わらず、トーンを低くしてしまってはシリアスさが出てしまうのでアンマッチである。
3について全体的にメロディーラインが少ない、あるいはマイナーコードを使用した劇伴でありシリアスな雰囲気を醸し出している。
音楽がないシーンも多くあり、暗いイメージを抱かせるなぁと感じた。
ラストを除きずっとこの調子なので、楽しいシーンも楽しく感じれない表現だったと思う。
タキオンのいないダービーに勝っても気分が晴れないという部分を表現したかったのかもしれないが、合間のコミカルなシーンまでも暗い音楽を使わなくてもよかったのではないかと思う。
ストーリーや心情は細かいことを気にしない子供向けなものになっているのに対して、音響はオシャレに作ろうとしすぎてチグハグな雰囲気。
かなり悪い点を書き綴ったが、良いと感じた点もあげておく。
1.作画のきれいさ
2.実況再現
1に関しては明暗のコントラストやプリズムを使った彩豊かな表現が美しく、タキオンの光速を超えるようなイメージや美しい夢といったものを感じとれた。
2に関しては史実の実況を完全にコピーしたような出来で熱い気持ちになれる。
特にオペラオーの有馬を再現してもらえたのは個人的に嬉しい限り。
以上、なかなか感情移入の難しい作品で少し子供向けに作られているのかなと感じた。
深く考えずライトに楽しむのが良いのではないだろうか。
自分個人としては3期より評価が低いと思うのだが…
ネタバレあり!
まず、フジキセキさんの試合を見てプリティダービーに挑むジャングルポケットさんはマジで興奮した!
その後タキオンに挑み敗れるポケット!
でタキオンさんが「神の領域?」に達した&足の骨折で無期限休止でブチ切れてタキオンにキレるポケット!
そこから何をどうしたら良いのか分からず合宿するポケットさんの所はちょっと、「なんか何してんのかよく分からない」って感じ進みポケットが自分の幻影から「お前は最強にはなれない!」って言われて絶望してるシーンは「えっ⁉︎コレ大丈夫なの?暗い雰囲気で終わらんよね?」って不安になったけど、川の土手のベンチでフジキセキさんに「俺は…最強じゃあねぇ…」って弱音吐くけどフジキセキさんが励まして、次のオペラオーさんとのレースで逆転勝利!でボロボロ泣いてよし!最後は復活したタキオンさんとの戦いでポケット勝利!で終わるんだろうな〜って思ってたらその試合が始まる前に終わって「はぁ⁉︎コレでもう終わり⁉︎タキオンさんとの対決は⁉︎」ってなってモヤモヤしながら帰りました!
個人的評価
今回はオペラオーさんとの逆転勝利までは良かったのにタキオンさんとの戦いで締めなかった事がなんか残念って感じでした!
作画も話の展開も良かったし、ある程度のキャラの掘り下げというか話の土台を作れたけど、その土台で最高の作品に仕上がらずに中途半端で終わった感じ!
個人的意見だけど自分としてはファンの評価が低い3期よりもっと悪くなってんじゃね?って思った、だからといって最低最悪って感じじゃ無いけど、なんか3期よりも少し話の質がちょっと低くなった惜しい劇場版って感じ、まぁ、コレは私の個人的意見なんで間に受けなくてもいいけど…まぁ3期も史実とは違うので、3期批判している人の言い分も分かるけど…
レースはもちろんドラマとしても面白かった
芝居がかるテイエムオペラオーが1番好き
前回の映画でテイエムオペラオーが1番好きな『ウマ娘』だと実感した。
しかし今回のジャングルポケットも凄く良かった。
レースが1回、またリベンジの2回しかないような話はよくあるが、ウマ娘は何回もレースがあって葛藤したり悩んだりするのに話がスムーズで尺稼ぎがないように感じる、むしろ時間が足りないのを上手く映画に収めていて1つ1つのレースを一緒になって応援していた!
ジャングルポケット!凄く良かった!
最高のレースだった!
1つ1つのレースが丁寧に作られていて、わかりやすくて感動しました!
【アグネスタキオン】
強さを魅せつけて事実上、引退した事でジャングルポケットに完全に敗北を認めさせてしまった事で、どんなウマ娘に勝っても2位というトラウマを植え付けてしまった。最強になりたいのに最強に絶対になれないのだから。
【フジキセキ】
後輩のジャングルポケットの為に走る姿に感動した。だってフジキセキの走りに魅せられたジャングルポケットが、もう1度!熱さを取り戻すシーンだから。
【最後に】
ワタクシごとだが、どうしても気になるので徹夜あけで見に行った。デッド後編とウマ娘、観て良かったと本当に思う。
ただ、やはり多少、頭が回らない感じがある。この後、仕事。もってくれよ俺のカラダ
期待を優に超える作品
ファンタジーだからこそのスポ根至上アニメ
ウマ娘好きな方、レイトショーはおすすめしません。
2 こういうものか
名画かよ
クオリティはトップクラス、2回目は是非小説版を一読の上で
まずはじめに私はウマ娘と競馬の知識はほぼゼロです
EDの曲をテレビか何かで聞いたかな程度の知識しかない状態で観賞しました
正直友人に誘われなければ観るつもりは全くありませんでした
そんな人間が初見でこの映画を観た感想ですが、結論から言うと面白かったです
特に『演出と作画』のクオリティはここ最近のアニメ映画の中でもトップクラスであると思います
●演出と作画
BGMとキャラクターの表情、カメラワーク、配色等のバランスが秀逸で、作品への没入感を非常に高めています
作画もレースシーンでは3Dと手書きの使い分けがしっかりとされていてとても観やすく、ここぞという場面では迫力抜群の作画で鳥肌が立つほどです
作画に関しては何より色彩がとても素晴らしい
その場面やキャラクターの心情に合わせた色合い、特に光の表現には感動する程でした
●ストーリー
冒頭の通り私はウマ娘も競馬も知識はほぼゼロです
そのためこの映画を観るに当たっての不安として世界観やストーリーの難解さや萌え要素がありました
結果、これらの不安は杞憂に終わりました
まず、萌え要素ですが、タイトル詐欺です
というのは大げさですが、この映画は萌えよりもスポ根がメインです
プリティーとタイトルにありますが、プリティー要素は序盤と最後のライブくらいが主だったかと思います
個人的には萌え要素苦手でもそこまで気になる程ではなかったです
最後のライブが意味不明というレビューが散見されましたが、意味不明です
特にストーリー的意味もないようなので深く考える必要性はありません
私はあのライブ含めてエンディングと解釈しています(実際そのままEDですので)
次に難解さですが、この映画のストーリーはむしろとてもシンプルなものでした
【ライバルに勝つ、誰よりも速く先にゴールすることを目指す】大雑把に言えばこれだけです
専門用語の解説もありますし、重要度は低いです
大雑把なイメージしか出来なくてもストーリーの理解には大して支障はありませんでした
特に初見だと「ウマ娘」とは?となると思います。競走馬の擬人化ということは分かるが…と
言ってしまうと作中でウマ娘自身が謎多き生命体とか言っています
深く考える必要性ゼロでした
ウマ娘とは何なのか良く分からなくてもストーリーを理解し楽しむ分には何の支障もありませんでした
ただし、シンプル故に単調なストーリーという訳でもなく、ライバルとの関係、怪我や敗北からの心情の変化等ストーリーに深みを与える要素もしっかりとあります
人によってはこれらの深み、特に心情の変化は難解と感じるかもしれません
というのも、この映画は心情の変化をセリフで分かりやすく表現のではなく表情やカメラワーク、BGM、色彩等様々な演出で表現します
しかし、これらは複雑化した心情の表現としてむしろセリフよりも分かりやすく表現されたもので、この映画の演出を私が大きく評価する理由の一つでもあります
しかし感性は人それぞれ、ましてや初見での鑑賞際この映画は情報量が多いのも事実です
そこで私が強く勧めたいのが小説版です
小説版で複雑化した心情を理解した上でもう一度鑑賞すると演出の素晴らしさがより一層際立ちますし、ストーリーの理解度向上もあってこの映画をより楽しめることは断言します
初回と2回とで印象が大きく変わるキャラクターも何人かいました
ウマ娘というタイトルからマイナスなイメージしか持っていなかった人間ですが、圧倒的なクオリティの高さやストーリーの面白さで観て良かったと思える映画でした
ウマ娘は競馬の知識があるとより楽しめるとのことなので機会があれば競馬についても軽く調べた上でもう一度鑑賞してみようかとも思います
ポッケが持っているアクセサリーはサンキャッチャーと言うらしい
9日、ネタバレの為に警告を追記
これを知っているかどうかでも大きく評価が変わるのではないだろうか?
光を全周囲に拡散させる事で楽しむ物であり、劇中ではジャングルポケットが肌身離さず持っている物と、アグネスタキオンの部屋の窓辺に飾ってある。そう、2つあり、彼女達2人の物語なのである。
もし2つ目の存在に気が付いて無かったのであれば、この先のレヴューに目を通す前にもう一度映画館に行って考えながら観てほしい。
空に投げた光のアクセサリーを掴む所から物語は始まり、タキオンの圧倒的な走りの残光にあてられ、ダンツフレームと言うライバルと共に輝き、東京優駿の輝きに照らされたフジキセキが道を見失ったポッケに道を示す。
一方で東京優駿の輝きに自らの道を見失いそうになるアグネスタキオンは、輝きを取り戻したポッケを直視出来ず拒絶を顕にする。
ジャパンカップ前の並走をお願いするシーンだ。
眩いばかりのサンキャッチャー、カーテンを閉めるタキオン。俺はアニメ映画を観ていたはずなのに、こんな表現をされるとは思ってもみなかった。意味、意図に気づいた時は震えてしまった。娯楽映画でする表現じゃないだろ。夏祭りのお面もだよ。なんとなく不気味で怖さをなんて物じゃないじゃないか。凄く心が痛いよ俺は
佳境、輝きに手を掛け、自身に落とす影を払ったジャングルポケットと、彼女の光にあてられて走りだすアグネスタキオン
マンハッタンカフェが云々と言う人が居るが、彼女は初志貫徹で前を向いて走り続けてるんだよね。タキオンの走りに心折れることなく前を、おともだちを。
ダンツフレームも同じで、自分の道を目指して輝いたからこそダービーの2着。
この2人は主役2人の別の対比として存在してるからこれ以上もこれ以下もないよ
光の強さに負けてしまうけど、光が拡散してまた光り輝く物語。サンキャッチャーを理解した時に、この作品の評価が変わるんだと思う。
事前知識なしでも面白い!
レース映画かと思って期待しすぎていました。
まず個人的に良かったと思うところを先に書いておきますと、日本ダービーまではめちゃめちゃ良い映画に仕上がってたように思います。日本ダービーの前と後で、監督変わった?と思うほど差があり、僕が酷評しているのは主に後半パート(日本ダービー後)です。
映画としてのクオリティは低いと思います。そう感じるすべての元凶は、なぜ2部構成になっていないのかと思うほどの尺不足です。ゆえに、他の方が書かれている通り、各キャラの掘り下げが不十分なまま、あるいは掘り下げるバランスがおかしいまま物語が進行してしまい、そのしわ寄せが終盤になればなるほど大きくなっていきます。そのわりには本編と全く関係のないモブキャラが結構な数セリフつきで出てきており、ウマ娘ファン向けの美少女萌えアニメに仕上げたのか?と感じました。僕は美少女萌えアニメ大好きなので、小ネタとファンサは楽しかったですが、初見で観に行くと戸惑って集中できないシーンもたくさん入っていると思います。
肝心の(?)レースシーンも、レース途中で各キャラの戦略や戦術、心理などがほぼ描かれず、最終直線で「背負っている想いの強さ」をそのまま虹色にしたようなキラキラの演出と雄たけびで済ましてしまっており、レースものの映画としてこれではダメだったと思います。アニメ3期でボロクソに言われた「最終直線で叫び倒す」を「パチンコの大当たり演出」に置き換えただけにような感じです。何度も言いますがレースもの映画としては雑な仕事ではないでしょうか。ベテラントレーナーとフジさん仕込みの技術や戦術で、あらゆる手を尽くしてもライバルが強烈で、最後の手段としてポッケの中にあるものが覚醒する。とかいう展開ならまだあの演出も飲み込めたのですが…純粋なレース映画だと思って観に来た僕が間違ってたようです。
初めにも書きましたが、とにかくそこまで描けるほどの尺が足りなかったんだろうと思います。見方を変えれば、100分少々の映画としては頑張って上手くまとめた方なのかもしれません。
新時代〜私は最強
“原作”は知らず、ゲームも未プレイ、アニメ本編はすべて観ております。
(好みとしては2期>RTTT>3期>BNW>1期)
初期情報では、ポッケ(愛称かわいい)、タキオン、カフェの群像劇という印象だった。
しかし実際には、ポッケを主人公としてライバル枠としてタキオンがいるというのが構成の中心。
小倉唯まで使ってカフェがダンツより薄いのは予想外。
予告ではバトルジャンキーに見えたポッケは意外と爽やかで、好印象。
フジとトレーナーの関係性も素敵。
個人的に大人しめのキャラが闘志を剥き出しにする瞬間が好きなので、ダンツも好き。
RTTTでは色ものっぽさもあったオペラオーが、今回は覇王の貫禄を十二分に見せてくれる。
脇キャラの味出しやバランスが本当に上手い。
背景に色んなキャラが映り込んでるのも、相変わらず嬉しいポイントです。
120分弱の尺なので、物語はストレート。
東京優駿の終盤だけは、引っ張りすぎていてダレたのと、声優さんの叫びもバテて聞こえたのは少々残念。
しかしあれだけのキャラを魅力的に描きつつ、感情の流れを丁寧に拾った脚本は見事。
タキオンとの再戦を描かない(“原作”にないだけかもしれないが)余白も好み。
飛行機雲を重ねたり、自分自身に頭を抑えつけられるなどの演出もよかった。
ギャグ的なデフォルメ絵ですらぬるぬる動くし、レース中のケレン味たっぷりの作画も素晴らしい。
単体でもしっかり熱くなれる、スポ根ものとして非常に質の高い作品でした。
迫力でゴリ押し
50点
映画評価:50点
※アニメシリーズは見終わっています。
ウマ娘のファンとして、
ポッケの熱さや、タキオンの個性が際立っており
ラストのジャパンカップの展開には
かなり満足できました。
走り出すタキオンがとても良かった。
ですが…、それまでの流れが
あんまり良くないです。
まず2時間しかないからなのか、
ストーリーが取って付けた様なものでした。
ほぼほぼやり取りのみで終わってしまうのも、
物足りなさを感じます。
それでもフジキセキは格好良かったし、
タキオンがメインに出てきて嬉しかった。
レースの疾走感や、
劇場版だからこその臨場感も
私的には高評価でした。
でもですよ?
それは私がウマ娘ファンだからこその評価です。
この機会にウマ娘を観る人には
正直退屈以外何もないと思います。
いきなり訳のわからない言いがかりの様な
突発的なやり取りから始まり
タキオンとの意味解らない会話だけなので、
ある程度知識のある人しか楽しめない作りです。
その知識のある私でも50点くらいです。
これでは、友人に勧められません。
これだと新規は入ってきません。
上記の感想が批判に聞こえるでしょうが、
上映中に私は涙を流しながら観ていました。
それくらい熱い作品でしたし、
劇場に行って良かったとも思います。
でも、新規の方には注意喚起したいと思いました。
この作品は、実際の競馬が好きでかつゲーム版をプレイしている方限定でオススメします。
せっかくウマ娘に興味もって頂いた人に
嫌いになってほしくないので…。
【2024.7.8観賞】
諸手を挙げて喜ぶ程かと言うと…
アプリやTV1〜3,RTTTと見てきて、初回の映画特典を読んで感じたのが、
「これ、映画でやるほどか?やってこのキャラの使い方なのか」
というところ。デザインや演出は申し分無いものだったと思う、素晴らしかった。ただ、ストーリーやキャラクターの使い方としてどうだろう。腑に落ちなった所が何点かある。
確かに、主人公であるジャンポケとタキオン、またフジキセキやトレーナーの関係性も良くできており、言い方はアレだが所謂「最強を目指し、時に挫折し周囲に激励され立ち直り勝利し、ライバルをも立ち直す」という「王道」だ。別に王道が悪いと言うわけではない。タキオンの「自分が」で無ければ意味がないという気づきから、走り出すシーンは感動した。
ならばどこが、腑に落ちなかったか。
まずは挫折という部分だ。そう、落ち込みへの展開が軽いと感じたのだ。上映中、主人公が挫折していたのはおよそ何分だっただろうか。上映時間の中での割合としてはとても少ないのだ。挫折し苦悩する姿は確かに苦しい。だが、そこで主人公の苦悩に共感できなければ、その後の復帰の感動が薄くなる。だというのにハイライトのように負けたレースは過ぎ去る。その苦悩中の期間が長く続くはずであるのに、それに対する周囲のフォローという描写もない。隠し通すにも限度がある、周囲の人間関係が希薄と捉えられてもおかしくない。だからこそ、フジキセキがジャンポケを立ち直らせるシーンが「まあそう出てきますよね」位の感動で私は終わってしまった。もっと挫折の展開が深ければフジキセキの勝負服での登場は「待ってました!」と思えたはずだ。
次点、予告編で登場したキャラクター、マンハッタンカフェの存在感だ。
予告編で散々と登場したカフェの存在感は凄まじかった。だが鑑賞後は違和感であった。はっきり言ってしまおう、「いる意味があったのか」だ、申し訳ないがあれではモブだ。そこも使い方としてガッカリとさせられた。菊花賞でさえ前段の「挫折中のジャンポケのワンシーン」として終えられてしまった。一体、ストーリーに対してどれだけ関係していたのか。予告編に登場させるほどであったのか、微妙な心にさせられてしまった。
3点目は、トレーナーとの関係性だ。
今までのトレーナーとウマ娘の関係は、二人三脚と言った強い絆があるイメージを持っていた。今回の映画においては、フジキセキに憧れてトレーナーについた訳だが、ナベさんなりにジャンポケを気にかけている描写があるのだが、ジャンポケからのナベさんへの描写が薄く感じられた。最後まで「フジキセキのトレーナー」である感じがしてしまったのだ。もっとナベさんと絡んでも良かったと思う。そう言った意味で前段の挫折の描写が不足していると感じるのだ。
そして、最後は初回特典の存在だ。初回の鑑賞後、アドマイヤベガ視点のRTTT後日談を読んだ。ただ、感想としては「え、RTTTとここまでやって映画の登場はアレなの?」だ。ここがとてもガッカリさせられた。
ただでさえ鑑賞時、「まあ本編じゃないし、ワンシーンだけの登場になるけど、これじゃタダのヤベーウマ娘やん」とまで感じたのだが、初回特典を読んだ後は、そうですらなくなった。
特典として出しておいて「ふわふわ」だけとはいかがなものかと思ってしまった。せめて、ナリタトップロードがジャンポケに併走する前、トプロとアヤベが並走していて、「あなたはどうぞ」とアヤベが去っていく程度のシーンがあった方が、あの特典が何倍も面白くなるはずだ。
まあそれはそうと浴衣アヤベありがとうございますそこだけで生きていけます。見たすぎて8回も見たぞ。こんなん初めてや。みんな絶対見ろよ。動くアヤベの浴衣やぞ。絶対見ろよ。
ここまでダラダラと書いたが、別に「つまらなかった」訳ではないのだ。爽快な部分や熱い部分もある。ただ、やはり王道な話であるならば、きちんと掘り起こしてほしい部分が私にはあり、この位もしくは掘り起こしてTV4期として放送しても良かったのでは?と感じられたというだけだ。
繰り返すが、評価とかいいから動く浴衣のアヤベを観に行くんだ、いいね?
ゲームアニメは知らない
全224件中、61~80件目を表示






