「好きなものは好きと言っていい」劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」 なさいさんの映画レビュー(感想・評価)
好きなものは好きと言っていい
低評価の理由が自分の好きなキャラが活躍していない、元ウマ娘アプリ民で重課金圧により反転アンチに回った、3期が酷い、ブルアカ民だからサイゲが嫌い、だとするならそれは見当違いも甚だしい。
私はカヤが好きなブルアカ民だし、3期はネット競馬かウィキペディアの表層だけなぞって物語としての体を成してないじゃんとか、アプリはお前オルフェのキャラクリ変えるんかい、それで阪神大賞典どうする気なんだよとか中立の立場にある。
それはそれとしてそれが理由でこの映画を批判しているのであればそれはあなた自身の読解力の欠如であり、あなたがオタクの悪いところ、斜に構えるというクソみたいなネット民の性質を継承しているとしか思えない。いい加減周りの評価が良いからいい、周りの評判が悪いから悪いという評価方法はやめろ。言ってやるがアニメも1期は良かったと思うが2期もあれ史実のトウカイテイオーが良いだけでアニメとしては良くなかっただろ(個人の感想です)
話を本筋に戻したい。これはジャングルポケットの物語であって、あの01年世代の話ではない。もし世代の話だとすればタキオン→ジャングルポケット→マンハッタンカフェで継承する話になるだろう。あの世代の代表は意見が分かれるが重賞の勝利数などからしてマンハッタンカフェに軍配が上がるだろうから。最後の有馬で覇王に引導を渡す、それで完結だ。
だがそれはそれである。繰り返すがこれはジャングルポケットの物語である。たしかにマンハッタンカフェの話が薄かったのはわかるが仕方がないとしか言いようがない。小倉唯は好きだがそれとこれとは話は違うのである。
また結構この映画は難しかった、それは思う。とはいえそれは情景描写、本来の意味での伏線と回収という映画を楽しむにはある程度鑑賞する側にも教養が必要であるという程度である。上から目線で啓蒙する映画には辟易とするが別にこの映画がそうだとは思えない。すべてをセリフにして説明する今のアニメ美少女動物園しか理解できないのであればそれは見る側が悪い。(露悪的に書いている。不快に思われたのであれば申し訳ない)
この映画は尺不足だと言われることもあるが、逆に言えばこの映画は全てにこだわりがあって作られているように思えた。光の描写による、心理描写の模写、サンキャッチャーを適宜出すことによる心理描写の具現と変化のわかりやすさ、フジキセキ、タキオンと描写をリフレインすることでこれが変えられない運命であること、しかしそれは走りたいというウマ娘の衝動を抑えきれるものではないということ、だからこそジャパンカップで運命を打ち砕こうとするカタルシスが生じるのではないだろうか。
それら全てが合わさって物語を補完している。
いいところは既に誰かが語っている。私は反証に留める。
初夏に見るアニメ、夏を感じさせる非常に良いアニメ映画だった。本当に良かった。