「好きなシーンは多々あるが…」劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」 あらあらさんの映画レビュー(感想・評価)
好きなシーンは多々あるが…
正直手放しに称賛できない自分がいる。
ところどころ好きなシーンはあるけれど、前作rtttと比べると面白くない。
芸術性を狙ってか、捻ろうとした演出をいれているのが滑っていると感じた。
変に環境描写入れたり、スローモーションっぽくしたり、比喩的な抽象演出いれたり、一昔前のヨーロッパ映画を見てるかの様。
こっちは欧州映画ではなくてウマ娘を見に来てる。
特にレースのシーン
毎回抽象的なシーンドーンッ!タキオンかポッケが一着!
これはいけないと思う。
今までのウマ娘関連映像作品も同じと言われればそうだが、今回はそれしかなくレースの描写も一辺倒。
こちらは走馬灯を見たいわけじゃない。
レース描写をみたいんだ。
特に最後のジャパンカップ。
何でもかんでも劇画調にすればいいと思ってる節がある。
最初のレースシーンはポッケの一人称視点という新要素を入れていたが、その様な試みは序盤で早々に終わる。
さらに言いたいのがキャラクターの描写関係。
rtttはよかった。
トプロ主軸にしてアヤベ、オペラオー描写してちゃんと物語していた。
今回はポッケを主軸にして、対抗でタキオン、ダンツを入れてるけど、はっきりいってポッケに食われ過ぎて物語ができていなかった。
改めてrtttの完成度の高さに感嘆する。
登場人物も究極ポッケとタキオンだけで成り立ってしまう。
これならカフェもダンツも登場させる必要がないではないか。
ポッケが主人公だから他キャラの削ぎ落としはしょうがない。
そういう意見も当然ある。
だが、それが中途半端過ぎる。
削ぐなら極力出さなくてよいのに、中途半端に描写したりしている。
それが良くない。
出すなら出す。
出さないなら出さない。
これが肝要だ。
変な抽象的な演出に力を入れる位なら、他キャラのレース描写をちゃんと描くべきだし、他キャラのレースを申し訳程度に入れるなら、そこを削って主人公のレースを演出へ逃げずもう少し深堀りすべきだ。
カフェの菊花賞も、オペラオーの有馬記念も予告であんなに匂わせていたのにあっさりだ。
何もかも中途半端。軽い。
それでいて主人公のレースは劇画→演出→叫び声→結果だけ。
レースの描写を演出に逃げてごまかしている。
改めてrtttは凄い。
登場人物の心内描写を適切に描きつつ、演出へ逃げずちゃんとレースを描いていた。
もうああ言うのはこのコンテンツで見られないだろう。
思わず映画コムのアカウントを作成して長文を投下してしまった。
今までどんな映像作品を見てもレビューを投稿しようと思わなかったのに。
色々言いたいが最後にフジキセキの勝負服を逃げずに真正面から描いてくれて本当にありがとう、感謝しています。