「オペラオー必要あったか?」劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」 初心者さんの映画レビュー(感想・評価)
オペラオー必要あったか?
物語の終わりはオペラオーと対決するジャパンカップだったが、尺の都合があるからこそダービーまでの内容を濃くして、ポッケの雄叫びで最高潮のクライマックスに持ってきて欲しかった。またレースが多すぎてキラキラの派手な演出も後半は飽きてくる。
ポッケは頻りに「最強」を口にするがなぜ最強に拘るのかが描かれていないし、それがウマ娘の本能だと言ってしまっては共感は得られない。フジキセキとの出会いと彼女に対する強い憧れ、そして弥生賞後の怪我で引退せざるを得なかったこと、フジキセキやトレーナーの夢を自分が叶えるとこを決めてトレセン学園に入学したこと。これらを冒頭から時間を裂いて描いてくれていれば、ポッケの走る動機は明確になったし、ダービーを勝ち取った時の感情の爆発にもより共感できた。なんなら弥生賞ではなく朝日杯から始めてくれれば、華やかなG1の舞台と勝負服でより強い憧れを演出できた。
タキオンの幻影に縛られるのはいいが、これも皐月賞からダービーの間で演出できたはず。タキオンを超えるためのトレーナーとのトレーニングの描写も足りない。バイクに乗って喝をいれてただけで、トレーナーがどう優秀なのかや何をポッケのためにしてやっていたのかわからない。ウマ娘と二人三脚で強くなっている実感がない。
またポッケ対オペラオーの構図を作るために既に連敗中だったはずのオペラオーが無敗の王かのように登場することも気に入らない。(もし2001年の宝塚以降のオペラオーが描かれるのであれば、ピークを過ぎても新時代の波に抗い続ける、泥臭くも気高い覇王の姿が見たかった)
最後のライブも何のライブか分からなかった。RTTTのようなクラシックを分け合った3人のアンコールって訳でもないし、ダンツがなぜ舞台に上がっていたのか謎だった。