ゆるしのレビュー・感想・評価
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映画ゆるし初日舞台挨拶を観ました
※ネタバレを含みますので、まだご覧になっていない方はご注意ください。
ラストシーン、これまでたくさん我慢してきたすずの叫びに、表情に自然と涙が溢れました。
声は入っていないのに声が聞こえました。すごい演技。
母の恵役は実年齢の一回り以上も上を演じたとのことでしたが、ヘアメイクの力も借りつつなんら気にさせない圧巻の演技でした。
私的に母親が子どものように見えるシーンがあって、ただ役者が若いからとかではなく、母親である上で子どものような表情で、それがなんとも言えない気持ちにさせて、役者にもキャスティングにも大拍手でした。
試写会も見ており、今回音の良さを体感しました。
エキストラなどもったいないと感じるシーンも多少あるが、主役2人、それを支えるメインキャストの演技はとてもよかった。
宗教と虐待、分けて考えても重たい、そんなテーマ。知識の浅い私が下手に発言するのは良くないんじゃないか、感想を書くときになってもなぜかそんなタブー感がある。
虐待は、子から親への無償の愛に付け入る残虐な行為。子どもは痛くても辛くても嫌でも親のことを愛してしまう。他人の温かい家庭がどれだけ眩しくても羨ましくても、自分の居場所はここだと思ってしまう。親がどれだけ嫌な人でも、あの優しそうな友だちの親と変わればいいのにとは絶対に思わない。親と自分で温かくなりたいと切に願ってしまう。
虐待というテーマ1つとっても、そんな子どもの心を1時間という時間の中で繊細に表している映画だった。
私は、わかりやすくそして触れずらい宗教という問題があるだけで、虐待の本質とはこういうことなのではないかとただ思ってしまった。
宗教が親子関係をわかりやすく表してくれているだけというか。
決して家庭内暴力を肯定するつもりはないが、
宗教というものへの考えとしてはむしろ、学校の教師や同級生、家庭外の対応のほうが問題だと感じてしまう。
当然、生きてきた道は人それぞれで、人それぞれ考えがあって、それは信仰となんら変わりなく、一定のラインを越えた途端に宗教になると思った。
これは宗教というわかりやすい理由があるだけのただの虐待だと思った。
信仰という言葉で自分を正当化するな。
触れずらいからって宗教という言葉に逃げるな。
良い作品だと思いつつどうしてもモヤモヤするのは、見た後そんな怒りが私の中にあったからだと気づいた。
作中、宗教の話をできる友人に出会って、すずが本当の意味で話して笑い合うシーンは胸がキュッとなった。
でもそれも、作品上、宗教がわかりやすく2人を結びつけたにすぎず、宗教でなくてもそうして心通う瞬間には憶えがある。
贅沢を言うなら、“宗教虐待”特有のこわさをもっと感じたかったとも思う。
監督の想いを知った上で、より強く感じられる、問題として受け止められる作品です。
宗教への知識が薄い私個人の感想です。
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