津島 福島は語る・第二章のレビュー・感想・評価
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50年、100年先にも必ず残る作品
声を荒げるわけでもなく、誰を責めるわけでもなく、住民一人一人の言葉で心の内が語られていく。
その合間に映される桃源郷のような豊かな自然、かつての写真の底抜けの笑顔、笑顔、笑顔。
ナレーションの音声もなく、監督の目線で一緒に話を聴いてるかのように進む。
これだけの郷土愛。生きる人々のあたたかさ。歴史や文化や伝統を大切にし、地域全体が家族のように結びついている。そんな人々が、お別れの挨拶もできぬまま、散り散りに避難を余儀なくされ、役人から「100年は帰れない」と言い渡される。
どれだけの絶望と悲しみ、怒りだろうか。
こんな思いを抱えている方々の心の内を聴かせていただくことの稀有さ、大切さに涙しました。正に、土井監督の人間性に触れたからこそ引き出されたものですね。監督は、ご自身は黒子で皆さんの言葉の力が強いからだ、とおっしゃってましたが。
また、監督は、50年、100年先にも必ず残る作品だとおっしゃってました。
利害があり、TVではなかなか放映は難しいかと思いますが、経済至上主義とは次元が違う、人としてもっと根源的で大切なものを問うている作品です。
残すべき、伝えていくべきものですね。
どうか、たくさんの方に届きますように。
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