「傲慢な余所者と冷淡な現地人」ゴッドランド GODLAND jaxさんの映画レビュー(感想・評価)
傲慢な余所者と冷淡な現地人
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主人公の牧師は赴任先に敬意を払わない傲慢な余所者であり、現地人がそのような存在に煩わしさを感じるのは当然である。しかし、旅のガイドを務めた老人もこの牧師に対して終始過剰に冷たく、目的地の村に到着した後もしばしば嫌がらせを行うなど、決して好人物ではない。
終盤、ミサの最中に教会の外で騒ぐ犬を主人公が追い払おうとするシーンは、痛々しすぎて観ていられない。本作はフィクションであり、作中の人物にとっては製作者は神に近い存在である。神を信じて苦行に耐えてきた主人公への仕打ちとしてはあまりにもひどいのではないだろうか。
アイスランドの美しい大自然を舞台に、互いに相手を見下す人間の醜さを描く手法からは、監督の強烈なブラックユーモアを感じる。
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