「漫画チックな強さにある種の爽快感はあったが、最後にビックリ。」SALAAR サラール Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
漫画チックな強さにある種の爽快感はあったが、最後にビックリ。
プラシャーント・ニール 脚本監督の2023年製作(174分/PG12)インド映画。
原題:Salaar、配給:ツイン、劇場公開日:2024年7月5日。
インド映画視聴は殆ど初めてということもあって、結構興味深く見ることが出来た。アクションシーンの音楽と画面の仰々しさには驚かされ、その頻度の多さには多少疲れさせられた
気もするが、主人公デーヴァ(プラバース)の漫画チックな強さにはある種の爽快感は覚えた。
また、デーヴァが暴力を振るうのを、母の教えで頑なに我慢している設定なのは、日本の任侠映画と同じだということで、かなり興味深かった。仏教的?、それとも権力者に抑圧されているアジア人共通の感性?
デーヴァが闘う様子を、彼が教えていた(というか、仲良く一緒に遊んでいた)子供たちが家の屋根に上がって見ていて、圧倒的強さからか一斉に最敬礼する描写が、圧倒的腕力へのインド人の敬意・信心という点で、興味深かった。
国内にとんでもない恐ろしい軍事王国が有るとの設定は、一般的にはリアリティに欠けると思うが、巨大なインドならあり得るとは思えてしまった。決して、時代劇では無く重火器も登場するのだが、何故かデーヴァには銃・機関銃等は用いず、剣や素手で肉弾戦を闘いを挑んでくるのには、調子良すぎて、流石に驚いてしまった。
最後、3時間弱の大作ながら本作で話が完結しないのにはビックリ仰天。
監督プラシャーント・ニール、脚本プラシャーント・ニール、撮影ブバン・ゴウダ、音楽
ラビ・バスルール。
出演
デーヴァプラバース、ヴァラダ・ラージャ・マンナルプリトビラージ・スクマーラン、アディヤ・クリシュナカントシュルティ・ハーサン、ラージャ・マンナル(カンサール元首)ジャガパティ・バーブ、デーヴァの母イーシュワリ・ラーオ、ラーダー・ラマシュリヤー・レッディ。