劇場公開日 2024年4月12日

「"マイトガイ"小林旭の雰囲気」貴公子 TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0"マイトガイ"小林旭の雰囲気

2024年4月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

本作、トレーラーからの印象は「半信半疑」だったのですが、「(自分にとって)通いやすく、比較的空いている」丸の内ピカデリーで上映があったため、クーポンを使って初日鑑賞です。相変わらず心配になるくらい空いていますが、最近、韓国映画を番組に入れるようになったのはいいですね。近隣にTOHO日比谷&シャンテ他シアターが複数があるので、生き残りに差別化は重要です。
で、感想ですが、、「貴公子(キム・ソンホ)」のキャラクターはとてもいいですね。これ一作で終わらせるのは勿体ないと思えるスター性を感じますし、何となく"マイトガイ"小林旭の雰囲気もあってとても魅力があります。ただ、本作だけでは「貴公子」のバックグラウンドが不明で、「プロ」の一言であの超人的な動きは謎なので、もしシリーズ化するならこの辺の掘り下げも欲しいところです。
ただ、残念ながらアクション映画としてはややテンポが悪く中盤以降はやや中だるみな感じも。まず、謎めかす意図のためだけに伏線回収にするのは如何かと思うのですが、そのつじつまを最後にまとめて種明かしされても、そこまで興味が持続するだけの面白さはやや弱いと思います。
また、それこそアクション映画としては致命的ですが、殺陣のシーンでカメラをガチャガチャ動かされるので何が起きているのかさっぱり判りません。ヤラレル側目線で恐怖心をあおろうとしているのかもしれませんが、むしろ誤魔化しに見えます。折角ならキム・ソンホの体格から繰り出される重みを感じる攻撃をじっくり見たいんですけどね。
それ以外にも、絶体絶命感を画角に収めたいからとは言え、至近距離でターゲット中心に360度銃で囲うなど、あり得ない設定もチラホラ。そもそもその高さを飛び降りて普通に足から着地できるって、「貴公子」は人間なの?(最後まで観ると普通に人間のようですが。。)
素材はいいとおもいます。その分期待外れは否めません。シリーズ化するのなら基本部分のブラッシュアップを。単にインフレさせていくようなら興味もてないかな。ちょっと残念でした。

TWDera