「スタントマン、用意!」フォールガイ すけあくろうさんの映画レビュー(感想・評価)
スタントマン、用意!
すべての映画の裏側に名もなきサムズアップたちがいるのだと気づかせてくれる映画
この映画は、スタントマンだけでなく、映画の「裏側」で最高のモノをつくるために勤しむ者たちを描いている。
とても勉強になるし、大きなものが動くというのはこういうことで、その一部になれるということは素晴らしいことなのだと実感できた
アーロン・テイラー・ジョンソンを、「エイジ・オブ・ウルトロン」の俊足ヒーロー、クイックシルバーから追ってきた僕は、今作で新たな側面が見れてとても嬉しかった
それにしてもライアン・ゴズリングがかっこよすぎる。
フォールガイな彼が、はじまりからおわりまで鮮やかに彩ってくれる。
自分自身、演劇部で照明器具の担当をしている。それでいて、美術班や音響班の総まとめ、いわゆる裏方の部長をやらせてもらっている。観客が感動する演劇や映画、パフォーマンスは素晴らしいもので、そこにある「熱」がぼくはとても大好きだ。
作品の9割は「表」の役者たちに比重がかかっている、 というのは、正解だとは思う。演技ってすごく難しい。そのうえで、光も音も背景もない場所で役者が演技をしても、観客は感動できないんだものなと思う。
裏方をやっていると心無い言葉をぶつけられることが多々ある。「別に照明は必要ない」と面と向かって言われたこともある。それでも、青い照明、赤い照明、他諸々、そこに息づく見えない感情が、ぼくは大好きなのだ。その照明が、あと音や美術が、時にクサい演技を感動できるものにするという事実が、たまらなく嬉しいのだ。
今年で高3になるぼくは、今度の文化祭が恐らく集大成になる。この映画を観て、ぼくは裏側が必要ないなんてことは絶対にないということに再び気づかされた。9割を担う役者たちをリスペクトしつつ、残りの1割を全力で担い、100%の演劇を作れるよう、サムズアップしていきたい。たとえ心無い言葉で傷ついたとしても、親指はさげない!
俺はヒーローじゃないというセリフがあったが、彼らは十分ヒーローだと思う。映画を支えるヒーロー、我らがスタントマンの活躍を存分に味わえる神映画!
追記 エンドロール前に、「フォールガイ」そのもののスタント、舞台裏を見せる粋な演出があった。本当に素晴らしい。いつか僕も、映画の一部になりたい。そういう仕事がしたい!
ところで
ジェイソン・モモア!!!!!!!!!!
きさま、またも現れたな!!
愛の炎だぁあああああ!!!!!