「前半だけなら星0、後半だけなら星4!」フォールガイ KTさんの映画レビュー(感想・評価)
前半だけなら星0、後半だけなら星4!
正直前半半分は何度も退席しようかと思うくらいつまらなかったです...
途中までは誘った連れも心底つまらなそうで申し訳ないやら。
でも最後まで諦めず観てよかった!
連れも最後には本当におもしろかった!と言っていて、総合的には意外にもお気に入りの作品になりました。
前半と後半で監督が変わったのかと思うくらい違いました。
本っ当に前半は猛烈にテンポが悪く、起伏が全くなく、画面が薄暗く、ぶつ切りでつまらない...
無駄そうな台詞やシーンがとにかくこれでもかとつめこまれていて自主制作の会話劇を長撮りしただけの映画みたいです。
特にロマンス部分は95%はカットしてほしいくらいいらない。
ストーリーに影響も関係もない、二人の心情を表現するにもあまりに長すぎる中身のないどうでもいい会話を大画面で延々と聞かされるのが苦痛...
さらに英語圏映画特有の「俺うまいこと言ったドヤ」感あるたとえをやたら多用する奥歯に物の挟まったような言い方を延々ずーーーーーーっと連発するので、勘違い意識高い系演劇っぽくてさらに大変うっとおしい...
笑わせようと思ってやったんだろうなというシーンも、意図だけわかって全然全く笑えない。
アクション自体はすごくいいのに、せっかくアクションシーンが入ってテンポが良くなってきた次の瞬間にはいらない会話劇シーンがすぐに入ってきて流れとストーリーを分断、の繰り返しで本当に退席したくなった...
前半にも迫力あるいいアクションシーンは多々あるのですが、それを全部流れぶったぎり会話劇が丁寧に逐一台無しにしていく感じです。
せっかくのスタントマン設定なのに、スタントマンの技術がストーリーに活かせておらずただの強い人のアクションになっている感じも残念。
が、本当に中間でようやくストーリーが動いてからがすごく面白い!
あれ?監督と脚本変わった?と思いました...
テンポも、スタントマンならではのアクションシーンも、笑いどころも、いい意味でのしょうもないばかばかしさも最高でした!
最初からこれができてれば名作だったのに惜しい...
本来B級アクション大好きなので、後半は求めてたのはこれだよ!!!!となりました。
スタントマンがスタントマンの技術を駆使して戦う姿、これが見たかった!!!
空砲で撃たれたふりをするシーンとか特に最高でした。
どうしてそうなった?!となるB級らしいやりたい放題なトンデモ展開なんかもいい。
前半あんなにつまらなかったのに、後半の面白さだけで最終的には満足度が意外と高かったという不思議な作品でした。
もったいなさすぎる...
作りは最後まで丁寧で、ちょっと蛇足感はあるけどオチまでしっかり作りこんでありたっぷり楽しませてくれます。
いつもは長くて退屈なクレジット中も楽しめました!
クレジット後まで必見。
最後のクレジットでの実際のスタントシーン集はスタントマンへの愛を感じました。
観ていて思ったのは、CGは綺麗で壮大な映像ができるけど、実際の緊張感と緊迫感のあるスタントの方が不思議と映像に迫力がある気がしました。
スタントってすごい!
前半のあまりの退屈さから万人に積極的におすすめはちょっと難しいけど、結果的に私は観てよかったです!
途中まですごくつまらなく感じてもがんばって最後まで見てほしい映画でした。