「プラマイゼロで評価変わらず。 されど伊福部の偉大さは至高。」ゴジラ-1.0/C かぼさんの映画レビュー(感想・評価)
プラマイゼロで評価変わらず。 されど伊福部の偉大さは至高。
見逃すところでしたが、何とか鑑賞。
やはり山崎貴監督とは、相性が悪い。
以下、この映画が好きな方にはごめんなさい。
モノクロ化(マイナスカラーって)する時に、同一画面内の階調を部分的に弄り、室内が暗くすることによってディテールを潰して終戦直後のバラックの質感は上がった様に思う。
同様に、バラック群の風景もカラー版よりは、戦後の風景ぽくなっている。
ただ、撮影時のライトの当て方が現代劇の為、モノクロ化しても根本は変わらない。
吊るされた裸電球の室内は、あの様に見えないと思う。
モノクロ化する事でシーンの繋ぎ目のフェードアウトは、カラー版より良く感じました。
問題は人間ドラマ部分で、神木君や浜辺さんがモノクロに合ってないと言うか、台詞自体の軽さが、逆に際立ってしまった様に思う。
役者さんの技量や見た目云々より、やはり山崎貴監督の脚本と演出のせいだと思いました。
カラー版レビューで割愛してましたが、銀座の大惨事の被害者が多数担ぎ込まれたであろう病院で、まるで結核患者の様に、個室療養してる浜辺美波の首に痣があろうと、心は騒つきません。
只々泣かそうとしてるとしか思えない。
ゴジラのデザインも同様で、モノクロ化する事で、皮膚や胸のディテールの違和感、少なくとも私の好みでは無い物が強調されました。
背びれのギミックも、同様に稚拙さが強調されたと思います。
個人的偏見かもしれませんが、あのゴジラの顔は人類の味方のゴジラの顔にしか見えない。
得体の知れない黒いケロイドの塊、巨大な恐怖を纏ったゴジラを私は観たいです。
粗探しをしているわけではなく、観ている瞬間にノイズの様に湧いてくる疑問は、やはり監督との相性なのでしょう。
でも、何度観ても伊福部氏の旋律には、心躍らせられます。
その偉大さをまた感じました。
コメントありがとうございました!カラー版はさておき鑑賞していない作品は共感しない主義なのですが、あまりに言い得て妙なレビューでしたので疑似体験した気持ちでつい、共感してしまいました。