劇場公開日 2024年5月3日

「低予算ブルーJKs日本映画のひとつ」水深ゼロメートルから 寝落ち中尉さんの映画レビュー(感想・評価)

1.5低予算ブルーJKs日本映画のひとつ

2024年6月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

寝られる

いつも通りに予備知識なしでの鑑賞

しばらく眺めていて、もしかしてこれって演劇(を元にした)作品なのかな? と感じはじめるくらいわかりやすいくらいに会話劇頼りの映像が続いて、それで何か引き込まれる要素があればよかったのですが残念ながら私にはそれはなく、かなり厳しい90分を強いられた格好となりました。

青春のほろにがさ的な部分で主要人物の誰かか彼女らに感情移入や共感できる方もいらっしゃるようですけど、どのキャラクターにも入り込める余地は見いだせませんでした。

まず、砂が野球部のグラウンドから飛んでくるという設定と、補習と称してプール掃除をさせられるという設定。この物語の根幹であるこの二点が、無理のある舞台設定で致命的だと感じます。

砂土のグラウンドのある学校の付近にお住まいの経験のある人ならお分かりの通り、そういうグラウンドがあるだけで砂というのは飛んで来て堆積するから、そもそも野球部の活動とは何の関係もないです。それはその学校自体の問題と見るべき要素で、野球部のせい云々は野球部にとってはとばっちりでしかなく物語上のご都合主義でしかないと感じられます。

そして補習と称した罰ゲームのようなプール掃除も、所謂舞台装置なのはそうなのでしょうけども、もう少し説得力のある設定と流れを付与してほしいと感じました。最後のほうで一応のこの設定についてのフォローみたいなものが入ってたようですけど、イマイチわかんなかったです。ちゃんとしたコンディションで泳ぐのと広大なプール底面の砂掃除とどっちがいいか?っていったらどっちかという前者じゃないの?と現実的な考えが過ってしまいます。いや、まぁそういう要素でもって戯画を表現しているのもわかるんですけども・・・。要は「プールで泳ぐ」=「社会で女として生きる」ということなのでしょうけど。その考え方や生き方や対し方がそれぞれのキャラクターによって違うということなんでしょ。それにしても、それにしてもですよ。

4人の中でも特にメインらしき阿波踊りの子についても、結局彼女の背景や思想が何もわかりませんでした。男とか女とか関係ないってのは、それはそうなのですけども。男女がどうとかって話も、確かに高校生のつくった話としてはナカナカですね!という評価にはなりそうなのですけども、誰がつくったのか関係なく観させてもらうとかなり厳しい評価を下さざるを得ません。そんな話はどこにでも有り溢れているからです。

野暮な突込みなのかもしれませんが、時系列によって太陽による影の向きが結構バラバラなのが気に掛かってしまいました。それは、あまりにも内容が退屈過ぎるが故に気になってしまうというのもありますけど、戯画としてみるには中途半端なのでやはり低予算作品故の仕方なさなのでしょうか。

こういう、ブルーJKs日本映画って定期的に見掛けるのですけど、なんか「こういうビジュアルで売り出せば、大コケはしなくてもこのくらいは売上は見込めるだろう」みたいなデータでもあるんでしょうかね?

寝落ち中尉