「この映画が創られる日本に生きている幸せよ。」チェンソーマン レゼ篇 リュウジさんの映画レビュー(感想・評価)
この映画が創られる日本に生きている幸せよ。
原作は未読。アニメ版は4話目くらいで挫折。総集編も途中離脱。
なのにこの映画にいたっては、わけわからん。
ここまで自分に深く刺さるとは思わなかった。
スタッフロールが流れ始め、
宇多田ヒカルの歌声が聴こえた時になぜか涙が出た。
(以下ネタバレ)
敵対するもの同士が惹かれ合い、最後は結ばれない恋愛映画。
定番のようなストーリーながら、
この映画は【男性】が待つ店に向かう【女性】が辿り着くことができずに
最後を迎えるパターン。(男女の逆はよくあるような)
デンジにも言われ、
レゼ自身も孤独と運命を自ら変えようとしたときに待ち受ける悲劇の瞬間。
そこに至るまでのデンジとレゼの言葉のやり取り、
背景となるプールやお祭り、花火などのシチュエーション、
登場人物たちの顔の表情と声優たちの表現力の見事さ。
さらにアクションシーン。
元は(おそらく)原作が絵コンテのような役割を果たしたのであろうが、
監督やアクション監督、原作者などディレクションの立場にいる人たちが
思いを言語化して各スタッフたちに伝えて生まれた完成度の高い映像美&色彩美。
そして、その完成された映像に重なる音楽/サウンドトラックの巧みなこと。
で、最後に宇多田ヒカルと米津玄師の歌で〆るのはズル過ぎる…。
ホント、この原作への愛とこだわりを感じる。
追記>
映画館のフロアから1階に下りる帰りのエレベーターは
自分とカップルの3人だけだった。
その途中でカップルの女性の方が彼氏に言う。
「あん時、ビームくんが死んでしもてたら、デンジを許せへんと思うわ」。
こんなにも感情移入ができる映画が生まれる国に生きている。
それは本当に幸せなことだと感じた。
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