「エンタメに全力で振り切った映画館で見るべき作品」チェンソーマン レゼ篇 ゆうじんさんの映画レビュー(感想・評価)
エンタメに全力で振り切った映画館で見るべき作品
原作では一番レぜ篇が好きだったので、これだけの完成度で仕上げてくれたことに感謝。
『チェンソーマン』という作品の中の一部であるから、細かい設定なんかは自分で補完しなければならないというところはあるものの、レぜ登場からレぜ退場までの一連の流れが、よくできた短編のようにしっかりと構成されている。
特に、最後のレぜのセリフは原作でも印象的だったが、劇場での静かな「間」の取り方には心が動かされた。この作品の冒頭で、デンジがマキマと映画デートするシーンがあるが、「映画の忘れられないワンシーン」というやり取りが、このラストへの伏線だったように思える。他にも、花火のシーンの静寂から戦闘シーンに切り替わる緩急の付け方がとてもうまかった。こういう間の取り方は、漫画ではなく、映像だからこそ楽しめる部分。エンドロール後、パワーが来てコメディモードになった後のカメラの引きもホラー味があって良いです。
加えて、色と音楽の演出にはまる。ボムとの戦闘シーンは、カラフルな爆弾が花火のように散って、派手な演出になっており、見ごたえ充分。もともとボムがかなり映像映えする戦い方をするので、大画面で見ると本当に迫力がある。個人的に好きなビームくんもヌルヌル動く。
音楽として一番しびれたのは、デンジが復活したときに「刃渡り2億センチ」が流れたところ。OPでポップに米津、挿入歌にマキシマムザホルモンでぐっと挙げて、EDで宇多田ヒカル+米津でしっとり締める。音もしっかり楽しめる。
もしマイナス要素があるとすれば、BGMが大きすぎるのか、絶叫しているからなのか、セリフの一部が聞き取れないことがあった点ぐらい。
まさに最大級にエンタメに振り切った映画映えする一品。ぜひ、サブスク配信を待たずに映画館で見てほしい。
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