「テレビ版と変わらない」チェンソーマン レゼ篇 悠さんの映画レビュー(感想・評価)
テレビ版と変わらない
チェンソーマンのアニメ化といえば絵に描いた餅のように思われていた。実際、これのテレビアニメは多過ぎる原作愛好家たちから袋叩きにされていた。私もその一人だった。
それを受けてか、今作は監督が変わり、しかも変更後の監督主導で新たな総集編まで作られた。MAPPAは原作愛好家たちに阿ったわけである。
さて、テレビ版公開時、汚い言葉で罵ることくらいしか感情を表現できなかった私は今作をどう観たか。
マジでテレビ版と大して変わらん。
これは私がマキマ並みにチェンソーマンに拘りがあるせいかもしれない。実際『レゼ編』の原作を読まずに映画を観た友人は楽しめたよう。
テレビ版のチェンソーマンが顰蹙を買ったのは、原作との雰囲気の乖離だったと記憶している。今作もそれは変わらない。わざと素人臭くしている奇妙なカメラワークはチェンソーマンの持つ寓話性と相反している。連続ドラマでかかりがちな湿っぽいピアノも、2010年代のハリウッドB級アクション映画でかかってそうな戦闘BGMも合ってない。
チェンソーマンでお洒落すんな、って言いたい。スタイリッシュにしようとすんな。リアリティを求めんな。
チェンソーマンの持っている先鋭性をアニメにすることを求めるのは酷なのかもしれない。
加筆
この映画は加筆時点で興収43億を突破した。想像以上に売れている。素直に凄い。おそらく星1をつけた自分の感覚がおかしいのだろう。
そうは言っても、嘘はつけないので酷かったところを具体的に加筆する。
・マキマといっしょに観て、デンジとマキマが泣いた映画のカメラポジションが明らかにおかしい
・2人で海に沈むところの回想要らない
・ラストのホワイトアウトが大仰
・全体的に説明的な音楽の使い方が多く余情を損ねた
説明過多なかったるさと恥ずかしさがどうしても好きになれなかった。
気持ちはわかります。
恐らく、あなたのような「チェンソーマンはこうじゃない」感の人々が求めている物は、制作会社がMappaの時点で無理です。
多分「トリガー」「サイエンスSARU」あたりに制作依頼していれば、あなたの望むチェンソーマンが見れたかもしれません。
私もMappaにしてはよく頑張ってるな、とは思いましたが出来ればトリガーやサイエンスSARUが作っていればもっとチェンソーマンがチェンソーマンしていただろうな…と思ってる。
制作会社を決定したのが何処の誰か知らないけれど、そいつのセンスが悪い、としか言いようがない。Mappaのスタッフは最大限頑張ったと思います。
あと、チェンソーマンは作者がバイオレンス面よりもキャラの心理情緒面の方を描こうとしているので、特にレゼ篇はロマンス中心ですし…そこら辺は上手く表現出来ていたと思います。
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