「真夏の夜の夢」チェンソーマン レゼ篇 べがさんの映画レビュー(感想・評価)
真夏の夜の夢
レゼはデンジにとっていつか会った蜃気楼のような女性になった。
刹那に濃密に交わり、呆気なく消えてしまう。
一夏の恋とはありきたりの表現だが、誰もが経験、もしくはフィクションの中に追体験した夏の日を過去の作品と同じようにこの作品も味わさせてくれた。
岩井俊二監督のフライドドラゴンフィッシュ、またはレオン、古泉智浩の渚のマーメイド。
夏の日に出会い、心を通わせ、別れる。切なさの中、日常に戻っていく。でも主人公は成長し、変化している。
ノルウェイの森の冒頭のようにあんなに濃密に思い合った2人の記憶さえも時が残酷に薄れさせていく。デンジにとってのレゼはワタナベにとっての直子、クラリスにとってのルパン、ルパンにとってのクラリス、レオンにとってのマチルダ。
あまりに美しい思い出だけを残して消えてしまったレゼ。
夜明け前の浜辺で嘘を受け入れ、ともに破滅しようとするデンジ。
ロードムービーの終わりのように儚い感情を想起させてくれた。
コメントする
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。