「戦いだけじゃない、にわかでも分かる切なき物語。」チェンソーマン レゼ篇 とあるレビュアー。さんの映画レビュー(感想・評価)
戦いだけじゃない、にわかでも分かる切なき物語。
※注意!※ このレビュー主は、『チェンソーマン』をあまり知らない人です。かなり調べていますが、解釈が違う所もあるかもしれません。ご理解いただけると幸いです!
※この先、核心的なネタバレを含みます。※
この作品を観て、私は元々、ただのスプラッターアニメだと思い込んでいたので、まさかここまで人の人情に寄り添った物語だとは正直、思っていませんでした。特にデンジは、心が無いと思っているようですが、人間らしい部分が多く、私も同情する所が所々ありました。
物語は、前半で三角関係を描き、後半では倍返ししてくるような展開。まるで、転調のある曲のように展開が速く、デンジの心の葛藤やキャラクター性が巧みに表現されていました。
演出にも力がこもっています。例えば、デンジの気持ちやレゼの束縛感は、蜘蛛の巣にくるまっている蝶々のように見えました。他にも、天気(台風の悪魔も含む)、ガーベラの色、空を赤くして原作の表紙っぽく表現するなど、さまざまなモチーフがキャラクターの心情や物語を表現していて、まるで曲の「暗示された歌詞」のようで、本当にすごかったです。
電話ボックスで雨宿りしてたまたま会ったばかりなのに、それはあそこまでレゼに恋してしまうデンジ。元々マキマさんを一途に愛していた彼にとって、それはまさに「三角関係」の始まりでした。劇中に出てきた白いガーベラのようですね。
その後、レゼが働いているカフェで夜の学校に忍び込む話となり、一緒に勉強する約束をしました。レゼがデンジを公安対魔特異4課から辞めさせ、二人きりにしようとするめちゃくちゃ怪しい流れでした。そして、夜の学校でレゼが「いなかのネズミ」と「都会のネズミ」の話をしようとした時、場面が切り替わり、アキとエンジェル(天使の悪魔)がその話を語る場面が挿入されていました。この構成により、レゼの言動の持つ意味がより深く伝わってきて、とても心に残りました。デンジと離れていた時に、レゼがたまたま悪魔に遭遇し倒すシーンで、私は「この人もまさかデビルハンター?」だと思っていました。その後に武器人間だと判明した時は、本当に動揺しました。まさかデンジを狙う武器人間だったとは…鳥肌が立ちました。
そして、そのシリアスさをより際立たせるように、戦いのシーンもすごかったですね。チェーンソーの悪魔に変身したデンジは、そして、武器人間となったレゼ(爆弾の悪魔・ボム)に怒っているようでした。アニメーターさんたちがどれだけ絵コンテを描いたのかと思うほど、滑らかな動きと爆発の細かい描写に圧倒されました。レゼはとても強かった…。しかし、デンジに倒された後、逃げた末にマキマさんに倒されてしまうシーンは、ガーベラが枯れる時のように、とても切なかったです。
このレゼ編は、アニメの中でも個人的に、『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』第一章 猗窩座 再来』に及ぶくらい、本当に神作でした。
コメントありがとうございます( * ॑꒳ ॑* )✨正直、映画comで初めての返信だったので嬉しいです!
総集編あるんですか!?😭✨
観させてもらいますね(* ˊ꒳ˋ*)
コメ主さんは「あまりチェンソーマンを知らずに観た」と書かれていますが、とんでもなく読解力の高い方のようで…!TV版アニメチェンソーマンを見てあれこれ調べて予習してきた自分よりも素晴らしい感想を書いていると思います。感動しました。
チェンソーマンのお話はこのレゼ篇以降が本領発揮で面白い展開になって行くので、今後TV版チェンソーマン2期が来たら、見てみて欲しいです。
1期も、総集編があるので是非。
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