「※この映画だけの感想です」チェンソーマン レゼ篇 タベレン夕さんの映画レビュー(感想・評価)
※この映画だけの感想です
漫画もアニメも見たことがなくて、登場人物さえ何も知らなかったですが、かなり面白かったのでこの映画だけの感想です。今後漫画もアニメも見たいと思っています。
前半の誰にでもある幸せな日常・恋愛要素でキャラクターへの理解と感情移入をして、後半の傍から見たら悲しいバトルを見ることで、たった100分間の気持ちの揺れを最大限に引き出しています。この揺れ幅こそが、映画の満足感と余韻に繋がっています。
実はこの映画で1番好きなのはマキマとの映画デートで、デンジが普通の幸せを感じている表現が、今私たち観客が見ている「映画」で、尚且つ会話のリアルな感じが大好きです。「10本に1本くらいしか面白い映画に出会えないよ」その通り、この映画はその面白い映画です。
そして今回のメインであるレゼとの出会いから、きっと1つ1つの言葉や表情を読み取らないと、多くを語らないレゼの気持ちは分からないと思いました。ただどのシーンの笑顔も、本当の恋愛感情だなとは思いました。あの時本心で一緒に逃げたいと思ったのではないか、きっとデンジにとって少なくともマイナスの話ではないはずなのに受け止められなかった、そこに未成年の弱さとか危うさとかが感じられます。
後半の壮絶なバトルシーンは、映画館で見るべき映像美と音響でした。ちょっと長かったな、と感じるくらい少しでも痛めつけ合ってほしくなかったです。ギャグシーンを挟んでくれるのが唯一の救いで、デンジとレゼにとってどちらが勝っても負けても辛い、そんな戦いの展開にしてくるのは意地悪でした。
ラストのレゼのセリフやカメラワーク、喫茶店のデンジの表情に、少しでも普通を知って成長していることが分かりました。少し含みを持たせて考えさせてくれる、映画の余韻を作り出してくれてよかったです。音楽もすごく良くて、素敵な100分間を過ごせたと思います。
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