劇場公開日 2025年9月19日

「制作陣の気合いが伝わってくる一作」チェンソーマン レゼ篇 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 制作陣の気合いが伝わってくる一作

2025年9月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

原作もアニメも全く知らなかったのですが、話題作ということで鑑賞してきました。そもそも題名の「チェンソーマン」というネーミングが何に由来するのかすら知らなかったのですが、なるほど主人公デンジ(戸谷菊之介)が“チェンソーマン”に変身することから来ているのですね。

物語は、デンジ=チェンソーマンとレゼ(上田麗奈)という悪魔同士の戦いを軸に、戦いに至るまでの二人の恋愛要素を絡めた構成となっており、なかなか面白い展開でした。特にアクションシーンは言うまでもなく、前半の恋愛編もロマンチックな中に不安を漂わせ、後半の破壊的展開を予感させる流れが非常に巧みに描かれていました。

一方で、悪魔であるチェンソーマンが公安の指揮下に置かれているという世界観には、やや違和感を覚えました。確かに、レゼをはじめとする“悪”の悪魔たちが破壊や殺戮を行う以上、それを鎮圧するのは国家の務めといえます。しかし、世の中は単純な勧善懲悪の二元論だけでは成り立ちません。この劇場版は「チェンソーマン」という作品全体の一部であり、シリーズ全体を見渡せばまた異なる世界観が描かれているのかも知れませんが、本作に限って言えば勧善懲悪的な枠にとどまっており、その点は少し物足りなく感じました。

また、主題歌を米津玄師、エンディングテーマを米津玄師と宇多田ヒカルが担当し、さらに声優陣も実力派を揃えており、制作陣の気合いがひしひしと伝わってきました。その成果か、私が観た回も満員御礼で、さすが人気作だと感心させられました。

そんな訳で、本作の評価は★3.8とします。

鶏
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