劇場公開日 2025年9月19日

「知り過ぎたが故に残存する後悔」チェンソーマン レゼ篇 こけさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 知り過ぎたが故に残存する後悔

2025年9月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

ドキドキ

 アニメが放送されてから約3年、満を持してのレゼ篇公開という事で、私自身もワクワクと期待で満ちていた。端的で素直な言葉を紡ぎますと、「ドキドキした」これに尽きます…。

 このチェンソーマンシリーズの最大の良さはデンジの実直さ(バカ?真っ直ぐ?)、と他のメンバーが補うシリアスさが上手くミックスしている事による何とも言えない深みの点にあると思うが、今回のレゼ篇の見所は何と言っても、デンジが頭を使って少し知的になってしまった点にあると私は思う。ですが、チェンソーマンシリーズの通常の良さはしっかりと踏襲されているのでご安心を。

 マキマが好きなデンジは、雨宿り先で出会った「レゼ」に翻弄され、その2人に心が揺れ動く。このデンジが正にバカっぽくて、これだよ!これ!と言いたくなる程のチェンソーマン節で、物語序盤はあぁいつもの空気感だな…と感心していると中盤、終盤でデンジが相手の気持ちと相手の事を知りたいという知識欲のトリガーが引かれてしまう訳で、ここが今回の映画のミソである。

 レゼについては私は原作を履修済みなので、色々と予備知識はあり、その辺の感想は省くが、キャラクターで言うと、やはり、レゼCV,の上田麗奈氏が素晴らしい。あの声音の奥行き?と言うか、デンジと変わらぬ子どもでありつつも、その年齢では到底醸し出せないような妖艶さ?を発せされるその演技力は実に素晴らしい。とある時は無邪気で、ある時は攻撃的で、と物語の変遷に伴ってリニアに演じられるその技量は今回の作品を確実に良いものに仕上がる起爆剤的役割を果たしている。

 OP、EDの米津玄師氏(宇多田ヒカル氏)はやはり素晴らしい。我々が期待しているものよりも何倍も良いものが生み出されるその才能は「天才」意外にどんな言葉が思い付きましょうか…。

 最後に、血みどろ、生臭作品なのに、鑑賞後には、胃がもたれず、何ならさっぱりとした清涼感さえ感じられるこのチェンソーマンと言う作品がまた一段と好きになった。

こけ
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