「期待値が高すぎた残念映画」チェンソーマン レゼ篇 梅安さんの映画レビュー(感想・評価)
期待値が高すぎた残念映画
IRIS OUTのPVみてあのテンポで見やすい演出の戦闘を見れると思って劇場に見に行ったら1000%後悔します。
スピード感や色遣いのセンスなどはかなりあってテンション上がる部分はあります。
特にビームの活躍を盛りに持ったことによるB級映画感を爆発させた点、爆弾の悪魔による爆発の色やエフェクト、台風の悪魔を倒した時の単行本の表紙の色遣いになる所は
まさにチェンソーマンに求めていた演出でした。ただし、そのプラスの点よりマイナスがデカすぎます。
大きなマイナス点として戦闘演出が雑過ぎて敵味方共に何やってるか分からない部分が多々あり、その状況を理解しようとしていたら展開がどんどん進むので緊迫感や緊張感が全然ありません。
しかもそのハイスピードの戦闘中に天使の悪魔とアキのやり取りとか入れてくるから戦闘の余韻やあれはどうだったのかを考える間をくれない為、余計に没入感の邪魔を加速させてきます。
また、戦闘中スローになる演出などを入れてくれるのはいいと思うのですが、結局全体として何やってるか分からないので、戦闘に没入できません。ここは致命的です。
やってることは手に汗握る攻防なんですが、なんか爆発しまくってチェンソーで台風の悪魔切りまくってビームが動き回ってるなぁ程度の感想しか持てない。
そして前半がとにかくつまらない。隣の人は寝てたし、トイレに行く人もいました。つまらないと感じたのは私だけではなかったです。
また、導入部分のアキの部屋で目覚めるデンジで物語が始まるんですが、線がガタガタで背景もぼやかしてるんですが、それを見て一気にテンションが下がりました。
劇場で見るクオリティの導入部分に達していません。
例えば現在上映中の鬼滅の刃は導入部分で実写か?と思わせる背景と綺麗な人物の線を見せてきて一気に物語に没入させてきますが、この作品は上記の理由から世界観に引き込まれません。
とにかくセンスあるPVとYouTubeでの評価が高すぎて期待値が高過ぎました。
あと個人的にセンスねぇなと思ったのは学校に来た暗殺者を処理する演出が大した抵抗もせず絞殺される事があっさりしすぎなこと、アキの異動前の先輩と副隊長が即落ち2コマレベルで瞬殺されたのはマジで意味不明でした。前半の眠気を誘う演出を減らしてでもここの部分をうまく調理すべきでしょ。
ビームの活躍を盛り盛りにしたんだから、このあたりの演出も盛ればいいのに。
そして言うまでもなく、OPとエンディングの曲はテンションぶちあがる神曲です。
それを映画館の音響で聞けただけで心の中のマキマさんがあれだけでチケット代の元取れたねとほほ笑んだのでお金の無駄とは思わなかったのが唯一の救いです。
後、パワーで始まりパワーで映画を閉める演出はとてもセンスがあり、パワーとデンジのコミカルなやり取りでラストを閉めるのはめちゃくちゃ良かった。
部分的に評価できる点は多い映画です。それだけに最も期待していた戦闘シーンの雑さと前半のテンポの悪さと間延び間のある演出が残念としか言えない映画です。
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