「原作が良い」チェンソーマン レゼ篇 きなこうどんさんの映画レビュー(感想・評価)
原作が良い
賛否があれど個人的にはテレビ版は好きだった。
劇場版は監督が変わり、その辺のテイストが変わっている。
もっともレぜ篇自体が元々趣向を変えたとの事であるから、当たり前ではあるかもしれない。
入場者特典に原作漫画の制作の背景などが書かれており興味深い。
私はレゼ篇は尺的に劇場作品にするには丁度良いと思っていたが、なるほど作者もそう思っていたようだ。もっとも、計算していたわけではないとのことだが、それはそれで凄い才能だと思った。
さて、テレビ版から驚異の作画を見せていた本作であるから劇場版はさぞかし凄い事になると思っていたし、その通りでははあったが、終盤のバトルは絵こそ派手なものの正直単調で眠気すら覚えた。そこまで一気に観れていただけに残念感がある。
とは言え、原作が素晴らしいが故に総じて楽しめた。
最後の物悲しい結末はじわっとくる。
それ故、決してバカ面して「面白かった!」と言える作品ではないと断じるのはレゼに入れ込んだが故か。
それがちょっと重いので最後にちょっとパワーを出したとの事だが、まあ、分からなくもない。
テレビ版の主題歌は米津玄師が担当し、曲も作品にあっていて好きではある。
劇場版も主題歌は米津玄師が担当しており、まあ、仕方ないし、悪くはない。
が、エンディングでちょっとイラっとした。
女性ボーカル(宇多田ヒカル)曲で本作にフィットしていて途中まで聞いていたのだが、
米津玄師とデュエットかい!
なんでもかんで米津玄師。あれもこれも米津玄師。
嫌いじゃないが安直過ぎる。
商売故に仕方ないのかもしれないが、正直良い加減にして欲しい。
映画に話を戻す。
本作は端的に言えばデンジとレゼの切ない一夏の物語。
原作の持ち味は充分に引き出せたと思う。
ただ、正直詰めが甘い感がある。
作画も元々が凄い故に劇場版ならではの凄みとまではいかなかった。
最後になるがレゼ役の上田麗奈さんが超絶良い演技をしている。
これはデンジの様になるのは無理もない。
ある意味、それだけでも見る価値はある作品とも言える。
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