「疲労する映画!」チェンソーマン レゼ篇 プロフさんの映画レビュー(感想・評価)
疲労する映画!
これが見たかった!とアニメガッカリ勢に言わしめるに十分な出来。
というかアニメの反省点の上に成り立っている可能性もあり、そういう意味ではあのアニメ版があったからこそかもしれない。ストーリー準拠、セリフ準拠、爆音と爆発のB級感、やたらと派手な色彩、叫びまくるデンジ君。
中山氏の解釈は悪かないんだけど兎に角作品とのミスマッチがすごかったので映画は監督変えたのは英断だと思う。中山氏はレベルは高いので次はルパン三世とかでハードボイルドやって下さい。貴殿は輝く場所が違っただけです。
さて感想。
まず原作準拠がすさまじくしょーもない日常シーン…いわゆるモーニングルーティーンに類する追加はほぼ無し。いや、二道のコーヒーの描写はすごかったので絵的には追加してた気もする。じゃあ既読勢には退屈かというとそんなこともなく、音楽の使い方などで原作の解釈をうまく広げていると思う。アキが車の無線壊して音楽が流れるシーンではてっきりデスメタルでも流れるのかと思っていたらモロアニソンからのマキシなのは面白かった。ずっとメタルじゃ疲れちゃうからいい入りだったと思う。というか基本的にすごい疲れる映画です。
プールのシーンはエロから逃げずに逆に青春ぽさで綺麗に緩和しストーリーの底上げをしている。心配だったんだ乳首どうする気なのか。描いたら客層に合わんし書かないと…ほら?ねえ?
しいていえば上空の飛行機を見上げるシーンが追加されていたがあれはレゼが見張られていることのオマージュだったんだろうか?
逆に戦闘は盛りに盛っててんこもりで、あ~台風ちゃんってこんなヤベエやつだったのかと思い知らされた。台風ちゃん倒すところはもう目が追い付かなくて大変。サメもサメっていうよりほぼゴキブリで6本足でカサカサ走るし。暴力のマジ蹴りもめっっちゃ破壊していた。
声優はもう全員頑張っていて、上田麗奈はこういう異常な色気を持つバイノーラル音声キャラやらせたら魔力を帯びるが(新庄アカネとかギギアンダルシアとか)本作でも健在だった。ふつうこういうB級映画風の作品の敵はオッサンと相場が決まっているがそれを色気で無理やりねじ伏せた感じ。ボン!バン!がとにかく叫んでるでもないのに異常な色気と迫力があってすごくハマっていた。米津をしてそのままPVに取り入れたと言わしめるこのセリフはぜひ劇場で聞いて頂きたい。
鬼滅で現在絶賛猛威を振るっている花江クンも実にはまり役でコイツほんとなんでもできるな…ビームの存在がこの映画をダレさせない点で実に活躍していて、この点は原作でもうまかったのだが学校のシーンでは何してたんだろ?空気読んで隠れてたの?逆にピンチには表れて実に献身的に尽くす尽くす。背びれだけデンジに付いてきているのがちょこちょこ見えてカワ(・∀・)イイ!! アキ君は〇すとか言ってないでもう少しこいつに感謝したほうが良い。
OPも良かった。本作はデンジの暗ーい夢から始まる嫌な入りなのだがOP始まるとこの映画がどういう類のものか?お前ら?馬鹿になりに来たんだな?派手で馬鹿で滅茶苦茶楽しいのが見たいんだな?よっしゃ任せろ!みたいな強い意志を感じる楽しい始まりでとても良かった。アニメは米津の歌でごまかされているが実際オサレ感丸出しである意味アニメとマッチしていて今回の映画を考えればOPとは作品の方向性を示す重要なものなんだなあと感じた。なんか変なダンスしているポチタと早川家にぜひご注目頂きたい。
総評。100点。昔見たトランスフォーマー3ダークサイドムーンが「世界一騒がしい映画」の異名を拝命していたがこれをアニメでやった感じ。
これがヒットすれば原作11巻まではアニメ化してくれるだろうしアニメの続きが見たい方はクラウドファンディングのつもりでぜひ3回は見にいきましょう。
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