劇場公開日 2025年9月19日

「甘く、切なく、そして爆ぜる恋」チェンソーマン レゼ篇 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 甘く、切なく、そして爆ぜる恋

2025年9月21日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

ドキドキ

■ 作品情報
原作:藤本タツキ、監督:吉原達矢、脚本:瀬古浩司。主要キャストは、デンジ役を戸谷菊之介、レゼ役を上田麗奈、マキマ役を楠木ともりが担当。アニメーション制作はMAPPA。

■ ストーリー
悪魔の心臓を持つ「チェンソーマン」となり、公安対魔特異4課でデビルハンターとして働く少年デンジ。憧れのマキマとのデートに浮かれる中、雨宿りをしていたデンジは、近所のカフェで働く謎の少女レゼと偶然出会う。彼女の優しさに触れ、二人は急速に親密になり、デンジの日常は大きく変わり始める。しかし、レゼはデンジの心臓を狙う爆弾の悪魔と契約したソ連のスパイであり、甘く始まった二人の関係は、やがて壮絶な戦いの渦へと巻き込まれていく。

■ 感想
率直に言って、メチャメチャよかったです!物語の序盤、デンジとレゼが織りなす甘酸っぱい交流は、まさに青春!デンジがマキマさんに寄せる思いとはちょっと異なる、これこそ初恋だったのではと感じます。二人が距離を縮めていく過程での、デンジの不器用ながらも純粋な感情表現に、思わず胸が締め付けられます。原作未読のため内容を全く知らなかったのですが、劇場内のポスターやキービジュアルなどから予感される戦闘シーンが、この甘く儚い時間が悲劇的に終わることを示唆しており、一抹の寂しさを常に感じながら物語を見守っていました。

このレゼというキャラクターがとにかく魅力的で、それがそのまま本作の魅力にも繋がっていると感じます。彼女の可愛らしさの裏に秘められた悲しい宿命を思うと、本当に切ない気持ちになります。任務であったとはいえ、デンジとの出会いが、彼女の心に一瞬でも温かな光を灯したように見えたのは、せめてもの救いです。しかし、それでも決して許さない、全てを操るかのようなマキマの非常さと絶対的な存在感。彼女のとてつもなく恐ろしい能力や、その正体と狙いが依然として謎に包まれていることに、今後の展開への期待が高まります。

映像面では、さすが劇場版と唸るばかりの圧倒的なクオリティ。緻密に描かれたキャラクターの微細な心情の変化は、その表情や仕草からひしひしと伝わってきます。そして、激しいアクションシーンはまさに圧巻の一言。大スクリーンと劇場ならではの音響設備でこそ真価を発揮する、臨場感あふれる仕上がりに大満足です。

キャスト陣の演技も素晴らしく、特にレゼを演じた上田麗奈さんの演技には心から敬意を表します。今回は舞台挨拶中継があり、主演の戸谷菊之介さんを始め、上田麗奈さん、楠ともりさん、坂田将吾さん、高橋花林さん、内田夕夜さん、内田真礼さんらが登壇されたのですが、その中で上田さんが、「レゼでもボムでないもう一人の彼女」を感じて演じたという言葉が、とてもしっくりきます。劇中で魅せたレゼの多面的な感情表現に説得力を与え、深く心に残ります。観る者の感情を強く揺さぶる、ファン必見の作品です。

おじゃる
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