「ここまで大きくなってくれただけでも」チェンソーマン レゼ篇 弁明発射記録さんの映画レビュー(感想・評価)
ここまで大きくなってくれただけでも
原作既読。アニメ鑑賞済み。なんなら舞台も観てる。
このレぜ篇は原作でも印象に残るいいところ。
うまく映画でまとめてくれたと思う。ちゃんと面白かった。
ただMAPPAの他の作品でも思うんだがすごくいい動きがある反面、時間なかったのか?と感じる瞬間もある。わざとかもしれないが台風の悪魔と戦うあたりがいまいちどう動いてるのか分かりづらい箇所があった。まあそういう演出だと思うことにする。
前半でレゼと出会い夜の学校に忍び込んで一緒にプールに入って祭りに行ってからの戦闘開始。この前半のドラマがあるからこそチェンソーマンなんだが、あのあたりがちょっと長いしダレると思う人もいそうだとは思った。
例えば序盤のアキが市街地で悪魔を倒すくだりで一アクション入れてもいいと思ったけどおそらくその余裕もないのだと思う。なんかMAPPAは心配になるんだよな。スケジュール大丈夫だったのか?とか。
個人的にはそうそうそんな感じの話だった!と思い出すあたり。
口から出した花に喜ぶ女はいねえだろ!といういねえだろ!感がいいんだろうな。
デンジが俺の心はマキマさんに〜でも体が勝手に〜!と心の声を出しまくるあたりは観客はもっと笑っていいと思うんだが日比谷の観客は冷静で無反応だった。日比谷はどの映画でもそうなんだよな。
プールのところは原作で印象に残っていて。裸になるあたりはどうするのかと思ったら乳首は描きませんというスタイルだった。原作もそうだった気はする。プールに入るところはすごいなんか美しい感じの曲が流れていたがあんなイメージなんだ。原作の印象はもうちょっとあっさりしていた気がする。
花火と同時に舌を噛み切ると同時に戦闘開始になる緩急のつけ方は良かった。
ただ「俺に近づいてくる女がみんな俺を殺そうとする!」的な台詞をチェンソーマンになったデンジが車の上で叫ぶ場面。あそこは結構大事な台詞のはずだが、よりにもよってホルモンの曲の歌詞と被っており聞き取りづらかった。あれはダメだな。せっかくホルモンが気合い入れて作ってくれた曲なんだからもっと台詞がない箇所で使うほうが良かったと思う。
それ以外は良かったと思う。アクションもよくあれだけ動かしてくれた。サメになったビームをチェンソーのチェーンで操り飛ぶ戦い方はああいう動きだったんだな。
ラストのレゼがカフェにたどり着けないくだり。あの路地の感じ。ここも特に印象に残っていて、ちゃんと映像化してくれたと思う。天使の悪魔の印象が薄くてそういえばここのとどめ係だったなと思い出すくらいの自分の記憶力のなさ。ただ、ネズミの話をしながらレぜを追い詰めて行くマキマは原作通りのイメージだった。
エンドロールの宇多田ヒカルと米津の曲も合っていた。
映画館は前2列以外はほぼ埋まっており結構男女半々で。この題材でこれだけ客が入りしかも女性客も多いのはすげえなと思った。タツキは『チェンソーマン』の前の『ファイアパンチ』から読んでいるが結構クセが強い作風だったので、ここまで大きくなったことに感動。
どうしても現在進行形で歴史を塗り替えている超ヒットの『鬼滅の刃』と比べられてしまう運命にあるが、俺は『チェンソーマン』の初日にこれだけ客が入った光景を観れただけでも満足だよ。興行成績は20~30億行けばそれでいい。それ以上にMAPPAがちゃんと無理なく仕事続けて完結までアニメ化できるかのほうが重要…。でもそうなるとやっぱ売れれば売れるほどいいんだよな。どうかそれなりに売れて少なくとも1部完結までは無事にアニメ化されますように。
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