「IRIS OUT」チェンソーマン レゼ篇 ブレミンガーさんの映画レビュー(感想・評価)
IRIS OUT
愛すべきチェンソーマンはこれだ!と言わんばかりの暴走レベルの熱を感じさせてくれる映画になっていました。
特典はミニコミックでした。
TVアニメシリーズではどうしてももっさりした感じが出てしまっており、原作での狂気っぷりやスピード感が失われていてうーんと思っていたのですが、公開直前に配信された総集編ではスピード感が抜群に上がっており、これだこれだ!と思わせてくれたので映画も期待していたのですが、これが凄まじいレベルでの映画化でした。
「IRIS OUT」から始まる最高の出だしでこれは面白くなるぞ!と確信が持てましたが、原作のエピソードをじっくりやってくれて、尚且つスピード感も原作を読み進めていた感じと同じで良かったです。
マキマさんとのデートは改めて観てもめちゃくちゃワクワクドキドキしましたし、マキマさんとのデートかと思ったら映画を梯子しまくりと、映画好きの自分は喜んで!とついていきますが、普段観ない人からしたら映画行脚は相当ヘビーやろなぁと笑ってしまいました。
映画館でのエピソードもめちゃくちゃ分かりみが深く、周りが笑っていても自分にはピンと来ず、周りが泣いていても冷めた目で観てしまい、めっちゃ普通だなとスンっとなってしまったり、でも何気ないシーンでめちゃくちゃ感動しちゃったりと、映画にまつわるお話の共感がエグかったです。
そこからレゼとの出会いのパートも素晴らしく、電話ボックスでの会話だったり、喫茶店での距離感だったり、年相応のデンジの表情も良いですし、レゼのキュートな立ち振る舞いも最高で、学生時代が無かったデンジの青春模様がドドンと大量供給されるシーンはやっぱりめちゃくちゃ良いですね。
夜の学校に忍び込んで授業をしてみたり、プールでスッポンポンになって泳ぎの練習をしたりと、デビルハンターの生活とはまた違う世界が共存しているんだなと改めて感じさせられるのも良かったです。
ただここから血みどろの青春が始まっていき、メロウだったテンポが急加速していき、チェンソーマンらしさ全開になっていきます。
レゼが爆弾の悪魔に変身し、デンジとの直接対決は凄まじく、そこにやってきたビームが間一髪で助けてながらもガンガンフルスロットルで追いかけてくるレゼがいかついです。
レゼの強さも尋常じゃなく、公安の連中もフルボッコにしていきますし、
街中でのチェイスから更にギアが上がっていき、暴力の魔人が爆速で奇襲を仕掛けていくところなんかスピード感がヤバかったですし、ガンガン燃えまくる車たち、そこから息を吹き返したデンジがチェンソーマンになるまでのテンポが最高で鳥肌もんでした。
なんたってシャークネードバトルが最強作画で爆裂しまくっていたのが最高でした。
台風の悪魔の周りをビームとデンジで駆け回りまくり、それを追いかけるレゼの構図がノンストップで描かれ、目まぐるしく回るカメラワークながらもその世界にのめり込んだかのような感覚になれたのは原作ファン冥利に尽きました。
ビルも街も全部巻き込んでのぶつかり合いが凄まじく、静と動が一体化してチェンソーマンのアクションの完成形をこれでもかって味わえたのが最高でした。
レゼとのやり取りも嘘だと分かっていながらも、デンジが助けに行く流れなんかはやはり好きですし、それに対するレゼの冷たい反応なんかもやっぱ良かったです。
ラストもねぇ…分かってはいるんですけどやはり切なかったです。
あのまま遠くへ行っていたらもしかしたら違う人生を歩めたのかも知れなかったのに、デンジとの再会を夢見て戻った先にマキマさんがおり、そしてトドメを刺されるという、本来は敵サイドであるはずのレゼを憂いてしまうというのもうまいつくりだなと思いました。
デンジが好きになった人たちが殺し合っているという惨状をそこまで離れていない場所で行なっているのも残酷さに拍車をかけているようでした。
ほんでもってオチを全部掻っ攫っていくパワーはやっぱし可愛いですね。
第1部の残りもアニメで見てみたいですし、第2部もどうなるんだろうとますます期待してしまいます。
マキマさん、俺ァ人生を華やかにしてくれる作品に出会っちまったよ…。
鑑賞日 9/19
鑑賞時間 20:25〜22:15
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