「バトルアクションに振り切った怒涛の展開が楽しめる」チェンソーマン レゼ篇 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
バトルアクションに振り切った怒涛の展開が楽しめる
TVシリーズで、姫野先輩が死んでしまったのは、本当に残念だった。そのキャラクターの魅力だけでなく、こらから展開されるであろう、デンジ、マキマ、アキとの四角関係の行方が楽しみだったからである。
ただ、その一方で、これは、「ラブコメ要素を排除して、ハードなバトルアクションに徹する」という、作者の決意表明なのではないかとも考えた。
案の定、この「レゼ篇」では、序盤こそ、マキマとレゼという2人の恋愛対象の間で、悶々と悩み苦しむデンジの姿が描かれるものの、比較的早くにレゼの正体が明らかになってからは、怒涛のバトルアクションを存分に楽しめるようになっている。
特に、躍動感に溢れた作画によって作り出されたアクションシーンの迫力は素晴らしく、その目まぐるしさとも相まって、何度でも見返したくなるような魅力を放っている。
TVシリーズでは、あまりスポットが当たらなかった特異4課の人外たちの出番が多いのも嬉しいし、特に、何故かデンジに忠誠を尽くす「サメの魔人」のキャラクターや、その活躍ぶりも面白い。
あれだけの難敵だったレゼを、一瞬で葬り去ってしまうマキマや「天使の悪魔」の底知れない強さや、そこから感じられる不気味さも、うまく表現されていたと思う。
ストーリーの面でも、序盤に、「自分には心がないのではないか?」と悩んでいたデンジが、ラストで、レゼを逃がすことによって、自らその答えを出したのだとも感じられて、単なる色欲狂いだったデンジの成長物語として、心に響くものがあった。
ただし、せっかくの劇場版なのに、「銃の悪魔」を倒すというメインのストーリーに、ほとんど進展が見られなかったところには、少なからず不満が残った。これは、原作に忠実に作っているので、致し方ないことなのかもしれないが、それでも、これまでに提示されてきた悪魔側や公安側の「謎」の答を、もう少し解き明かしてくれても良かったのではないかと思えるのである。
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