「身元不明死体に付ける名前」チェンソーマン レゼ篇 アイダホさんの映画レビュー(感想・評価)
身元不明死体に付ける名前
主題歌がファム・ファタール(運命の女)じゃなくジェーン・ドゥ(身元不明の女)なのがセンスを感じるよね
レゼは「身元不明の女」
普通の女の子としてデンジに出会ったけれど、その正体はソ連の兵士。爆弾の悪魔の武器人間。素性は偽装、出会ったデンジにとっても「誰なのかわからない女」そのもの
レゼは国家に使い捨てられる兵器で、個人の幸せや自由を奪われる「名無し」
身元不明の死体につけられる名前「ジェーン・ドゥ」と重なるわけだ
デンジにとってもレゼは「名前があるけど本当の姿を知らない」「掴みかけたけど失われる」
そんな「ジェーン・ドゥ(正体不明の女)」
つまり、愛し合う可能性があったデンジにすら、本当の自分を知ってもらえないまま消えていくっていう悲劇を暗示してると言えるかもしれない
デンジはデートや恋愛にあこがれていて、少しだけ叶えてくれたのがレゼだけれども、同時に裏切りもしてる
レゼに捨てられたと思って、一人喫茶店で放心するのがラストなわけだし
結局誰だったのかわからないまま別れた、正体不明の恋なわけだ
そしてジェーン・ドゥには「誰でもそうなり得る」というニュアンスもある
レゼのように、利用され、自由もなく、学校にも行けず、恋もできない。
そんな境遇の人間はレゼだけじゃなく無数に存在していることが匂わされる
そんなある種の普遍性を背負った存在だからこそ、デンジとの関係は切なく感じてしまんだろうな……
それはそれとして映像はしっかり原作の雰囲気を再現してくれている。
まあ具体的には言わないけどボソボソとか引きの構図とかは少なくなって「ドガーン!」「ゲログチャ!」「バン!ボン!」って感じの戦闘シーンになっていて、派手な色彩がメリハリ利いている感じが気持ちいい。
台風の悪魔をチェンソーで惨殺したシーンには痺れたよ……
あとレゼな。本当に力が入っている。プールのシーンとか、プールのシーンとか、プールのシーンとか……デンジじゃなくてもハニトラに引っかかるよ絶対
乳首は出ないから期待してるエッチマンはそこんとこ注意。ケツは出るよ
あと刃渡り二億センチな。挿入歌として流れるのが激熱
なんかこう、アニメ版チェンソーマンの不満を丁寧に潰して作ったって感じの良作だな
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