「哀切に満ちた【フォン・エリック家の悲劇】を描いた実話」アイアンクロー 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
哀切に満ちた【フォン・エリック家の悲劇】を描いた実話
ヒリヒリと胸に強烈に刺さるギリシャ悲劇のような映画でした。
【父親が絶対】という時代だったのでしょうか?
1980年代の実在した人気プロレスラー一家を基にしたストーリー。
強過ぎる父親に憧れて、彼を愛し敬う4人兄弟。
次男のケビン(ザック・エフロン)の視点で描かれます。
《ストーリー》
元祖“アイアンクローというプロレスの必殺技の使い手だった
フィリップ・フォン・エリック(ホルト・マッキャラニー)と
4人の息子の波乱に満ちた生涯を追う実話ベースの映画です。
男兄弟4人はとても仲良くて、暖かい家庭。
父親がお手本でした。
子供心に強くて格好良くて、お金を稼ぐ理想の父親。
跡を継ぐのは既定路線で、次男ケビン、3男デビィッド、4男ケリーは
次々と頭角を表してスター街道を突っ走ります。
派手なリンクプレーに場外乱闘、そしてビッグマウスの
マイクパフォーマンス。
3男のデヴィッドは明るくてスター性がありました。
世界チャンプ目前なのに日本興行中のホテルで急死
(彼は病死です)
ここからフォン・エリック家の【呪われた一家】と呼ばれる
負の連鎖が津波のように押し寄せます。
父親を喜ばすために戦い、失望させる自分はもう価値がないかのように
4男と5男は自死の道を選ぶ。
やはりとても痛ましくて胸が締め付けられました。
ミュージシャン志望だった5男のマイクも結局は
家業みたいにプロレスを継いでいきます。
それも《ヘビー級世界タイトル》を当たり前のように狙うのです。
4人が4人、世界を目指せる位置にいるのも凄いこと。
映画は駆け足だけれどフォン・エリック一家はプロレス界の
大変なスターだったそうです。
監督のショーン・ダーキンは彼ら一家を見て育ち、
大変なファンでした。
何より兄弟4人の絆を描きたかったと話します。
この映画は正攻法でエンタメ性はあまりありませんが、
危険な仕事であるプロレスラーの生き様を、実話だからこその
リアリティと臨場感に溢れています。
(父親フリッツの期待の重圧に押しつぶされる息子たち)
次男ケビンは全ての矢面に立たされる。
次男役のザック・エフロンの奥さんになるリリー・ジェイムズ。
彼女は見せ場が多かったし、彼女の存在にケビンも観てる私も
救われました。
パム(リリー・ジェイムズ)が初対面から、グイグイ積極的。
聞くと、ケビンは女性に奥手なのも可愛らしい。
そして決して夫を見捨てない強い妻です。
ケビン(ザック・エフロン)は兎も角ストイックで、
常に自宅ジムで筋トレをしている。
ザック・エフロンは、
すっごいシックスパックに割れたムキムキに肉体改造。
アイアンクローは鉄の爪だから、頭の地肌にめり込むから、
“目を潰しそう“でハラハラしました。
私の知ってるワザは「4の字固め」と「コブラツイスト」だけ。
プロレス見てた印象は頭を叩き割って血糊ダラダラ・・・
なのですから、半ばショーなのかと思っていました。
しかしフォン・エリック一家にとっては命懸けの《魂のスポーツ》
競技中は本気の本気!!
結婚して家庭を持ち生存して、現在に存命しているのは
次男のケビンただ一人。
ケビンは本当に強い人。
勝利(WCCWやNWAヘビー級世界タイトル獲得する野心)しか、
頭にない父親。
その言葉に逆らわない4人兄弟・・・
予告の動画でみたケビン・フォン・エリックさんは
元プロレスラーに見えない細面の優しそうな人で、
【人生は諦めずに戦う意義がある】
とのメッセージをくれています。
プロレス一家の栄光と悲劇を真摯に描いた映画に
深く感動し涙しました。
4の字がため、コブラツイスト、やってましたね。
4の字がためはまだしも、コブラツイストって、かけられてもまったく痛くなかったんですよね。二人で協力してかけられるわけですが、見事にどこも痛くないという・・・。
懐かしく思い出しました。
琥珀糖さん、コメントありがとうございます。だいたいまとまって二本か三本観るうちにわけわかんなくなってコメ書けなくなるんですよー。(笑)
この映画は自分の毒親ぶりに行き詰まってレビュー書けなくなりました。昔通用してた概念がNGになったことばかりでつらたん。
共感コメントありがとうございます。
奥さんではなくて、あんなに仲が良かったおとうさんとお母さんなのに
離婚したみたいです。
薬は足が失くなったお兄さんは幻肢痛で、痛みを軽減するために、ステロイドを服用していたそうてす。
肩を脱臼した弟は安定剤の過剰摂取だったり、
あと、映画には出ていない弟も自殺しています。
ザックエフロン君
羽ばたいてほしいですね
こちらで失礼します。
離婚したのはフリッツとケビンのお母さんです。薬物は、筋肉増強剤の打ち過ぎだったり、痛み止め代わりやストレスでに過剰摂取したりしたようで、それが自殺の原因にもなったと言われています。
プロレス界のリアルと、レスラーの生き様が垣間見られましたね
父は毒親と言って良いと思いますが、息子たちは全員、父を尊敬していて、父のお眼鏡に叶う存在になりたいと願っていたように見えました。それだとますます逃れられないですね
知ったか済みません。彼等のホームリングダラス地区は、土地柄か殴る蹴る飛ぶの喧嘩ファイト中心で仲々世界王者候補を出せなかったようですね。親父が、なれなかったと不運ぽく言ってますが、クローと蹴りしか無い元はナチスキャラの彼が当時世界王者になれる可能性はゼロに近かったと思います。
おっしゃるとおり「カリフォルニア・ドールズ」よかったですよね。
東京は今日も寒いです。(こんな日に花見している人たちって)
札幌はなおさらですよね、温度差に負けず元気に行きたいものです(もう歳なもので)。では、また。