「大人にこそ響くんじゃないか?」ブルー きみは大丈夫 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
大人にこそ響くんじゃないか?
海外のアニメ映画って、日本での上映は字幕版よりも吹替版の方が多い気がする。子ども向けと考えたら間違ってはいない。でも字幕で観たい大人もちゃんといるってことを知ってもらいたい。なかなか時間が合わなくて、なんとか字幕版の上映を観ることができた本作。
イマジナリーフレンドたちと少女の物語だが、邦題になっているイマジナリーフレンド・ブルーの存在感が薄い。なぜ彼を邦題にしたのだろうと思いながら観ていたら最後に理解した。壮大なミスリードだったってことか。それにしてもいただけない。
ただ、最初の期待値が低いからなのか、とても楽しめた映画だった。冒頭でティナ・ターナーの「プライベート・ダンサー」のレコードジャケットを見てニヤリとしたのも束の間。ティナ・ターナーに扮して幼いビーが踊るシーンで心を持っていかれ、挙句の果てにはあの曲のMVの再現シーンが出てくるなんて。
ストーリー自体も、ビーとイマジナリーフレンドの奮闘を描くと同時に、ビーの成長を描く作りがとてもよかった。大人になると忘れられてしまうイマジナリーフレンドたちが新しいパートナーを探そうとするなんてとても元気が出る設定。あぁなったなら、結局のところどうなの?と思う部分もあるが、なんとなくうまいこといってるんだなと理解するだけでよしとする。大人に変わるギリギリの年代で、主人公ビーが成長する姿がとても愛おしい。親が子どもを誇らしく思う気持ちが少し理解できる。やっぱり大人にこそ響く映画なんじゃないか。
最後に声優陣についても触れないといけない。頑張って字幕版を観たくせに、声の出演に関して事前情報を入れていなかった。エンドロールでボーっと見ていたら、エミリー・ブラントの文字を発見。その後の全部を追いきれなかったから映画.comで確認したら、なんて豪華な声の出演。もう一回観たくなってしまった。しばらく置いた後に、もう一度声の出演を確認して鑑賞したい。