「あさのあつこさん原案にひかれて」風の奏の君へ chikuhouさんの映画レビュー(感想・評価)
あさのあつこさん原案にひかれて
違国日記、あんのこと、かくしごと、そして本作と楽しみな女優さんの封切が並んだ6月7日で、まず本作を選びました 子どもの心や思いを描くことに定評のあるあさのあつこさんの名前が「原案」として挙がっていることにひかれました 「透き通った風が吹いて」という岡山を舞台にした部活や初恋を描いた男子高校生の話がベースにあるようですが、映画ではもう大人になって大学生時代の恋に悩む東京に住むピアニストのヒロイン松下さんと、同じ大学で恋愛関係になるも実家の茶屋を継ぐという名目で田舎の岡山・美作に帰ってきた松下さんの元恋人、その弟との三角関係の話で、ヒロインが元恋人の住む美作に尋ねてきての話です 原案とされた小説も岡山を舞台としていますが、美作の景色の美しさ、人々の素朴さと恋愛に不器用な男性という設定以外は、新たな物語といえるでしょうか
キラキラするような年代ではなく、30代の元恋人同士、そしてその弟の3人で話は進みますが、終盤になって松下さんの演奏、また演奏中のアップの表情に観ていて緊張を感じます
学生時代の過去の思いは屈折しても、どこかに忘れ得ぬ思いが、美作という人々の温かさが
満ちている背景で描かれる、というところでしょうか
本作はイオンエンターテイメントが配給となっていて、地方に強いイオンシネマを中心とした劇場公開です 一年に数作、このイオン配給の作品が全国のイオンシネマを中心に公開されていますが、興行的にはそれほど期待されなくても、心地のいい作品が結構あります
(6月7日 イオンシネマりんくう泉南 にて鑑賞)
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