六人の嘘つきな大学生のレビュー・感想・評価
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鎬を削る
まずイカれた人事部が大問題。
全員採用もあるって餌をぶら下げてからの、たった1人を選べって悪趣味にも程がある。
選ばれる側の理不尽をこれほど端的に表せる条件ってないんだろうなぁって思う。あの面接官には良心なんてないんだろうなって思うけど。
なのだが、生存競争ってワードを会社に押し付けるなら、あの採用試験にも正義はありそうで困る。
あの6人にしたってそうだ。
猜疑心に囚われ他人を攻撃する。おそらく誰の心の中にもある衝動だとは思う。
九賀の暴論も分からなくはないが、他人の人生を巻き込んでいい理由にはならないかと。自身の物差しで他人を計るのはそういうものだけれど、クズが大量に入社するなら、それはそのまま会社の損益にもなるとは思われる。が…そんな事で治る怒りでもなかったのだろう。結局のところ先輩と起業するというか、稀有な才能がどこにも所属しなかった結果はラッキーなんじゃないかと思う。
けどまあ、採用試験がどうこうって話でもないのかと思う。
多面的な人の性質や、思い込みから生まれる誤解や、虚栄心や外面や、そんなものを浮き彫りにするのに「採用試験」って舞台は最適だったのだろう。
そんな中、波多野は最後までいい人だった。
物語の進行で「ああ、やっぱり」と思った俺は卑屈な人間なんだと思われる。
完全無欠ないい人なんてこの世にいるわけないだろうって価値観が俺の中にあるからなんだろう。
人を信用しきれないし、人は裏切る生き物だ、とか。数多の小説や物語や教訓から得たものだ。
自分自身としては、そんな酷い状況に陥った事はまだない。つまりは傷つかない為の予防線のようなものだ。いるのかもしれないなぁ…いい人って。
赤楚氏は絶妙なキャスティングだと思われる。
ちゃんと純朴なまでのいい人に見えるのだ。
その彼を見誤っていたのは俺だ。
九賀が出した問題も、掘り進めれば理由がわかる。そのパートがあるって事は、いかに採用試験が薄っぺらいものなのかの証明にもなる。
波多野は突き止めた。
人事部の連中は、人を見る目など持ち合わせてないって事の証明なのかもしれない。
そもそもが、クズみたいな人間が人の合否を担う資格があるのかって話なのだろう。嶌が「始まりです」って言ったのはそういう事なのだろうと思う。
まぁ、でも就活って残酷な制度だとは思う。
座れる椅子は限られているから優劣がつくのは仕方がない。九賀が言うフェアなんて理想が挟まる隙間などないのかもしれない。
そうやってヒエラルキーは出来ていくのかと思う。社会に慣らされていってる現状が浮き彫りになるようだ。
とは言え、そのシステムを覆す程のエネルギーの持ち主など現れないのであろう。それをやろうと踏み出したのが嶌なんだろうと思う。
ただ、人生は流れて進んでいく。
どんな物事にしたって、死ぬまでの分岐点である事に変わりはないのだと思われる。
なんかBGMが好きだったなぁー。
人間の嫌な部分もいっぱい見て、趣味が悪い作品だなぁと思わなくもないが、あまり見たくない一面ではあらものの、存在するものではあると思う。
見ないふりだけではなくて、受け止める勇気も必要なのであろう。
暴かれていく過去には考えさせられる。
ホントはこっちが主題じゃないのかと思えてしまう。現在のゴシップ誌がこぞってやってる事だ。
お題目は被害者の救済である。
金や発行部数が関係しないのなら崇高な理念だとは思う。被害者…うん、まぁ、それを押し出すのならば否定は出来ない。
ただ、本作の過去が語るように本質は真逆の場合もある。キャッチーな見出しに踊らされている現状と酷似している。ゴシップ誌の発行部数に貢献し、思い込みと誘導で他人の人生を踏み躙ってもいいという理由にはならないのである。
ゆめゆめ忘れる事なかれ、なのだ。
ただ被害者って人はすべからく人生を踏み躙られた人ではあって…そこを比較するならしっぺ返しって言葉も当てはまりはするのだろうけど、今の芸能人とか有名人を見てると不憫だとしか思えない。
共感ならまだしも、妬みや嫉みがないか自身に問うべき事例もあんじゃないかと思う。
有名大学に在籍し、超一流企業の最終面接にまで辿り着いたエリート達の化けの皮が剥がれていくのが滑稽たと感じたのならばその素養はあるのだろう。
多くの人は周到に準備された真実しか提供されない立場でしかないのだ。
…俺はやっぱり捻くれている。
俳優陣はいい仕事してくれだし、終始ハラハラもした。1番イカれてるのはこんな原作を書いた作者なのだと思われる。いい意味で。
映画は映画で面白かったのだけど、コレって小説と言うか文字を追うほうが面白いんだろうなぁと思う。
思考を振り返れるし、立ち止まる事もできるだろうから。
どこぞの馬鹿がこの作品を見習って、そんな採用試験を実行しない事を祈るわ…。
俺はドギツイのが好き
ある会社の最終面接に残った六人の物語
主役の浜辺美波さんが可愛いと思ったのが素直な感想
ギトギトな暴露合戦の後のどんでん返しを期待したがそうではなかった(良い意味ではどんでん返し)
せめて主役である浜辺美波さんの凄まじい秘密の暴露が欲しかった…残念
作品としては中だるみも無く面白かっただけにもう一捻り欲しかったのが本音だ
何か最後、
いい風に終わってますが。心象風景は、実際の音声流してるのに意味ないでしょ。浜辺美波は悪役には出来ないんですかねぇ、忖度。
そもそも、あの会社の選考方法が直前で変更にならないと成立しないと思うんですが。
妹さん含め女優三人はキレイでした。
俺まで泣きたくなるわ…
ほんまそんな感じやわ…
舞台は整ってるんやけど全体的に空回りのオーバーアクト…
会社が意図したことではないやろうけど過去の過ちの暴露大会やけどみんな悪くないって…しかも8年後にわざわざ暴く必要がある?しかもあんな別れ方したのにノコノコ集まるか…そして犯人の動機もあまりにも独りよがりで弱すぎで意味不明。結局みんなの過去を暴露させ、「過去とか封筒とかどうでもいい」と言わせて、自分の過去は暴露阻止を正当化させ、犯人も突き止め故人の想いにも報い、そして結局希望の会社で活躍し、今度は選ぶ側になる彼女が最もあざとく嘘つきなのかもしれない。そして何の始まりなのか…
共感できない
就活に絶対はないし、企業との相性もあるし、
犯人の動機が納得できない。
クズみたいなこと、って言っていたけど、
学生のときくらいある程度は
はっちゃけてもいいと思うけど、
(まあ、犯罪はダメだけど)
いちいちおおげさなんだなー
1人の封筒を開けたら、
みんなのも開けて同じレベルになるのが
FAIRだと思うけど、、、
会社が欲しい人材を選ぶべきなのに、学生に選ばせるって、
怠慢以外の何者でもないと思うけど、、、
いろいろツッコミどころがあるなー笑
伏線の狙撃手の伏線抜き
原作は初めて読んだ浅倉作品で、そこから全作買うほどハマった。
確かにツッコミ所はある。
試験内容の変更は(震災絡みの理由はあったが)強引だし、犯人の動機もそれでそこまで?とは思う。
しかしそれを超える叙述トリックの巧さがあった。
映像化する際に難しくなるそれをどう処理するのかと思ったが、どうやら完全に捨てることにしたらしい。
嶌の兄や障害、下戸設定はおろか、彼女が行ったインタビューが丸々カット。
それ故、告発内容にはそれぞれ理由があったんです、という非常に浅い描かれ方になってしまっていた。
採用担当側の話もこれによりゼロ。
だったら最後に面接官をやる(何故1人?)話や後輩の存在も不要だったと思う。
ひと月先に向けて周一でと言ってたが、何回会ってた?
そもそも事前に優秀さがまったく描かれてない上に、試験中にギャーギャー騒ぐので猿にしか見えない。
犯人の目的はこの時点で達成されてるのでは。
就職試験という特殊な状況を過剰に表現したのかと思えば、数年後に告発された犯人の反応で…爆笑。
キャラや話が原作そのままである必要はないし、エンタメ的に全員を集める改変も否定しない。
だがパスワードも解かずに招集するのは見切り発車では。
安直なBGMやSEに加え、安易に泣かせるところも非常にチープだった。
応募人数や給与に関しても、何故ムダに盛るのか。
配役や宣伝方針、「犯人は――誰だ?」なんてコピーからも嫌な予感はしてた。
話自体は纏まってはいるが、『伏線の狙撃手』から伏線を取り上げてしまったらそりゃ薄いわ。
とりあえず、映画単体で見ても嶌さんの部屋はあんなじゃないと思う。
馬鹿の一つ覚え
複数人の密室シチュエーションものって邦画ではあまりうまくいくパターン少ないよなぁと思いつつも鑑賞。
意外や意外、友人関係が崩れていくドロドロとした人間ドラマを堪能できましたし、ツッコミどころは結構ありましたがしっかり楽しむことができました。
最終選考まで残った6人がグループディスカッションをすると聞かされていた後に入社できるのは1人だけと言われ互いの腹の探り合いになっていくという作品で、序盤から中盤の仲良しこよししてるシーンが要所要所で活きてくるんだろうなとニヤニヤしていました。
見るからに繋がるだろうなというシーンがあったのはバラシすぎだぜーとはなりましたが笑
6人の悪事が封筒の中にある手紙によってゾロゾロとバレていき、その人の素性が明らかになっていく流れで互いが互いを責め続ける状況下はヒリヒリする展開で面白かったですし、蹴落とし合いになっていくもんですからどんどん汚く醜い部分が出てくるのもまた人間だなぁとニヤニヤしながら観ていました。
犯罪なもの、他人を傷つけるもの、自分のキャリアを傷つけるもの、過去の問題だったりをぶつけまくって信頼を削りまくるなんてエリートたちの絵面はインパクト抜群でした。
波多野くんが良いやつだろうなとは思いましたが、中盤は上手いこと事が進みすぎでは?と思ったり、カメラがあるから一瞬で怪しい行為はバレるよなとは思いましたがしゃーなしな部分はあったかなと思います。
選考しているドロドロした模様でスパッと終われば謎はありつつも後味の悪さ的に良いものになっていたんですが、まぁそう簡単には終わらんよなって感じで8年後に続いていくんですが、正直ここら辺は蛇足だったかなと思うところはありました。
8年前の出来事は実は○○でしたーというのは後出しですし、無理くり納得させようとはしているけれどやっぱり綺麗事のような気が…というか犯人のやりたかった事が自分勝手だけど今更言及しなくてもいいのでは?となってしまったのも残念でした。
会社自体もなんだかフワッとした設定で怪しい事業に片足突っ込んでるならそういう描写があればなと思いましたが別にそんな事はなく、六人が選考された理由もこれまたフワッとした感じで放置されていたのも側は良いのになーとモヤっとしてしまいました。
結局のところ嶌の悪事とはなんだったのか?というのが疑問に残ったり、妹はわざわざ嶌の元へ来て疑いに来たのかとか、最初から引っかかっていたところも後半になるに連れて付随してきたので中盤以降は惜しいなーと思うところが多かったです。
ドロドロ具合を持続し続けてくれればどうだったんだろうとは思いつつも、人間の闇を引き出すのは簡単、人間関係の崩壊もあっという間、こういう状況下に陥ったら誰かを蹴落とすことをいの一番に考えちゃう自分を恨めしくも思ってしまいました。
鑑賞日 11/24
鑑賞時間 9:20〜11:25
座席 O-22
就活×『サバイバー』×青春本格ミステリ。意欲は素晴らしいが、大学生に全く共感できず。
昔、『サバイバー』ってクッソ面白いリアリティ・ショーがありまして。
アメリカの番組で、無人島に放り込まれた20人くらいの面識のない人たちが、共同生活でサバイバル・ミッションをこなしながら、定期的に行われる審議会で、自分たちの投票によって追放者を決めて、ひとり、またひとりと人数を減らしていく。で、最後の一人に残ったサバイバーが、賞金100万ドルを手に入れる。
虚々実々の駆け引き。仲良しごっこの裏で展開される壮絶な足の引っ張り合い。合従連衡を繰り返して多数派を形成しようとする出演者たち。
あれは、マジで面白かった。
まだ若かった僕は、それはもう異常なまでにのめりこんで観てました(笑)。
全員で自分以外の誰かに投票して、生き残りを決める。
まさに『サバイバー』の投票ルールだ(サバイバーでは「追放者」を決めるんだけど)。
『六人の嘘つきな大学生』は、就職活動に『サバイバー』のルールを掛け合わせたうえで、過去の悪事の暴露というイベントを仕組んだ何者かの暗躍を含めて、密室劇を構成した本格ミステリ原作の映画化である。
僕は原作未読だが、「このミス」でも「文春」でも一昨年のベスト10に入っていて気になっていたのと、推しの浜辺ちゃんが出てるのとで、観に行ってきました。
みなとみらいであった演奏会の帰りに、横浜の映画館のレイトショーで観たのだが、30人くらいのお客さんがみんな本当に大学生~社会人の若い子たちばかりで、とてもいいことだなあ、と。きっと若い子だとキャラクターへの共感度が全然ちがうんだろうね(笑)。
あくまで自分はおじさん目線(むしろ最近はだいたい二次面接をやらされる立場)でしか観られないんだけど、それはもうしょうがない。
最初にいっておくと、結構面白かった!
映画.comの評価は残念ながら低めだけど、
僕はこういうチャレンジャブルな企画は大好き。
もうさ、本格ミステリなんて10年以上前にだいたいネタ的には煮詰まってるわけ。
新しいものなんて、そう簡単に出てこない。
そんななかで、たしかに「就活密室サバイバル・ミステリ」てのはなかった気がする。
いや、設定自体に無理があるから誰もやらなかっただけかもしれないが、多少無理をしてでも新しいネタにチャレンジする精神というのは素晴らしい。
どうせ、本格ミステリなんてものは、人工美なんだから。
映画としても、基本はよくできてると思う。
なんてったって、佐藤祐市監督はあの傑作『キサラギ』の監督。
密室劇はお手の物だし、演出も間合いも勘所をつかんでる。
だから、そこまで悪しざまにいうような出来じゃない。
ただ……この映画化に関していうと、
入口戦略のところですでに軽く失敗してるような(笑)。
だって、ぜんぜん主人公たちに共感できないんですよ。最初から。
あと、入りたい理想の会社のようにも、ちっとも思えない。
だから、寄り添えない。
観察するだけになっちゃう。
そのあたりで、客をつかみきれてないのかな、と。
まず始まって最初に思ったのが、
なんていけすかない学生どもで、
なんていけすかない本社ビルで、
なんていけすかない仲良しごっこなんだと(笑)。
すいません。心が穢れきってて。
まずは「スピラリンクス」。
むっかつくオフィスだよなあ。妙にこぎれいでさあ。
なにがITベンチャーだよ、けっ!! みたいな。
しかも出てくる人事担当が漫画みたいな類型的なキャラ。
いねーよ、こんなやつ。
だいたい、10000人から6人ってなんだよ。
費用対効果の面で、すでに企業の採用業務として大失敗してるんじゃん。
しかも、財務上の理由で6人から1人に変更しましたって??
そんな内幕、就活生にバラす企業がありますかいな。
そもそも最初に言った就活のルールを変更するようなことやってたら、労働局に怒られるよ。まして学生同士で落としあいさせるとか、ふつうに訴えられますよ。
それを録画して別室で観てるとか? あんな展開になっても誰も止めに来ないとか?
ありえねーだろ、さすがに(笑)。マスコミに密告されて一撃で「いなば食品」みたいになっちゃうでしょ。
……ってまあ、作り話に目くじら立てても、立ててるほうがダサいだけではあるけど(絵空事として楽しめたほうが結局は勝ちなんで)、少なくとも思うわけ。
「こんな会社、死んでもいやだ」って。
あと、なんか主役であるところの学生たちが、あまりに感じが悪い(笑)。
就活で出会った6人でグループ・ディスカッションやらされることになったから、そのあとファミレスで対策を練ることになった。そこまではいい。僕でも若いときにあったもの。最終面接メンバーでファミレスでお茶でもするかって流れ。
でもさ、若者6人で集まって、あんな「人事に対して話してたまんまの入社動機」をしたり顔で語り合うとか、まずありえないような。
ああいう場だと、ふつう生々しい話とか会社の悪口とか、「露悪的」なノリになるのが「健全」な若者ってもんじゃないの?
なのに、なんなん?こいつら??
「週末にあつまらないかい?(キラーン)」
「それ、賛成!(キャピーン)」
って、おまえら、きっしょいんだよ!(笑)
しかも6人の学生が、まんま大学名のパロディみたいなキャラクターしてるわけ。
今日日のドラマで、大学名が実名で出てくるの珍しいよな、とか思って観てたら、
「早稲田の社会学」の浜辺ちゃんが、ほんといかにも早稲田のできる女子学生の子っぽいんですよ。マジでいるわ、毎年会社のオリエンとかでこういう子!
「慶応」のお坊ちゃんも、いかにも慶応にいそうな感じで……てか、これDaiGoの代わりに顔の似た佐野勇斗くんキャスティングしてるんでしょ??(笑)
あと、いかにも明治の国際にいそうな子とか(これはディスリになっちゃうか? 明治さんすいません)、六大学縛りでうちの母校かと思ったら一ツ橋だった倉くんとか(ああいうの結構実際にいたけど……なんで一ツ橋設定に逃げた??)。
このドラマのつくり自体は、とても正しいと思うんですよ。
出だしで「仲良しぶり」「善良ぶり」を強調しておいて、
中盤の「サバイバー投票」でひっくり返すってのは。
ちゃんとキャラに愛着を持たせておいて、それを叩き落とす。
そこの落差があるほどに、ミステリとしては衝撃性が増す。
なのに、アバンの仲良しごっこで、
観客の微妙な「なんだよこのぶりっこ早稲田女」
「英語以外に何か国語もできてよござんしたねw」
「でた、慶応ですかしてるDaiGoみたいなやつ!!」
といった、生々しい「ヘイト」をかきたてて、
なんでか客を挑発してきてる(笑)。
それは、たぶん逆効果だと思うわけです。
で、立教ボーイがいちばんまともで、いちばん空気が読めるって?
そんなん逆差別やろ!!(逆学歴コンプレックスw)
― ― ― ―
「サバイバー」ゾーンに入ったあとも、いろいろと「唐突」なシーンが多くて、前半でけっこう疲れちゃう部分はある。
たとえば最初の「暴露」で山下美月ちゃんの明大生がいきなり切れ散らかすシーンとか。
ああいう子だって予兆あったっけ?
せめて、切れ散らかしたあとで、慌てるとか、取り繕うとか、そういうしぐさくらいあってもいいのに。いったん「豹変」したあとの居直りぶりも激しいし……「はいはいわかりましたよ、こういう人間だったんですよ!」みたいな小芝居が挟まってもいいような。
あのあと、法政君と明大生が、ひたすらヘイトを集める担当にさせられてて、作劇上、美月ちゃんと西垣君はかなりババをひかされてた感じがあるから、なおさら……。
総じて、サバイバー投票の「重苦しさ」「重圧感」「追いつめられた結果の攻撃性」といった部分をあまり強調していないせいで、急に全員が人格崩壊していくみたいな、ダサいつくりになっちゃってるのがなあ。
西垣君演じる法政君も、よくよく考えるとあの件はいくらでも言い訳のしようがあるわけ。むしろ、うまく反撃すれば、最初の時点で犯人の思惑を叩き潰せたくらいだ。
それなのに、なんであんな態度をとっちゃったかというと、最終面接の空気感と、いきなり美月ちゃんに拒絶されたショックなのかと思うのだが、そこがうまく演出できていなくて、もやもやする。「完落ち」の激しさでは、一ツ橋君もあまりにもろすぎるけど。
だいたい、ビデオカメラが回っている前提の部屋で、映ってる範囲に封筒を置きに行くバカがどこにいるんだとか、封筒を「最初に誰が開けたか」が実はきわめて重要なファクターなのに(暴露していく「順番」が結構重要で、そこを犯人はコントロールしようとしている)ぜんぜん取沙汰されないとか、細かく考えるといろいろひっかかるところが多い。
それに、ふつうならそんな得体のしれない封筒が郵便受けに入っていて、しかも持ち込みをせざるを得ないように書かれてたとしたら、僕なら何はともあれ片端から「開けてみる」けどなあ。あとから別の封筒に入れなおして封をすることくらいできるんだから。だって気になるじゃん。
で、開けたら100%会社の人事の仕込みなどではないことがバレちゃうし、同封の脅迫文も目にするわけで、かなり当日の展開も変わってたと思うけどね。
あと、「何が何でも、相手を蹴落としてでも入社したい」って話と、「過去の悪事をばらされたくない、犯人は誰で何が目的なんだ?」って話が、途中から完全にごっちゃになってるというか、「一つの椅子争奪戦」のほうの就活話がうやむやになってどうでもよくなってるのも、つくりのまずさなような気がする。
ほかにも、こういった投票をするときに、なんの打ち合わせもせずに「ホワイトボードにビジブルで誰が誰に入れたかわかる形で投票する」方式になるのかなあ、とか。ふつうは(誰かが強く言わない限り)無記名のメモ回収/開票方式になるもんじゃないのかな?
それから大前提の疑念として、この犯人、異常に調査能力高いよね(笑)?
最終面接の方式が変更になったことを知って「から」本格的に調査に取り掛かって、5人分の書けることを探してこれるって、ちょっと凄すぎないか? しかも結構な人間に取材かけないと、特に高校時代の野球部の話とか聞きだすの難しいと思うんだよね。これ、聞き込みしてまわってると(暴露シーンでカットインされる映像が「そうじゃない」ことはわかったうえで言ってます)絶対面バレするシチュも出てきそうだし……。
作品の構成として、そこに説明をあまり割けないのはわからないでもないのだが、「どうやって、数日間のうちにここまでの準備ができたのか」の説明って原作だとしっかりあるんだろうか?
後半戦については、さらに言いたいことがいろいろあるが、紙幅もつきたのでここではやめておく。まあ、なんといっても誰もがひっかかるのは「動機」だろうね(笑)。
そんなことで、ここまでのことを仕込むやつは、絶対いないから……。
思いのほかここの総合評価点が低いのだって、6割がたはこの「動機」のせいじゃないのかな……?
パンフを読んでたら、犯人役の子までそう思ってたらしいのがアリアリで、「それを超えた想いもどこかであるのかもしれないなと感じました。そうじゃないと、あそこまでの行動には出ないと思うんです」とか言ってて笑った。なるほどそういうBL的関係性ね。でも「その人を会社に殺された」くらいの理由がないと、やっぱりあんなことはしないし、そもそも残り5人を貶めて何をしたかったのかっていう。しかも最終的に勝者として●●さんを送り込む形になって、会社に貢献しちゃってるわけだし。
「6人を1人に」「大学生どうしで落としあう」って人事に言われた件を、マスコミに流して大騒ぎにしてもらったほうが、1000倍、人事担当者をぎゃふんと言わせられたと思うんだよね……。
ちなみに、僕自身は「6人のうち1人が自分の知り合いを死なせた当事者であることに気づいた犯人が、なんとかして全員の前でそれを自ら告白させるように誘導するために仕組んだ」という真相を予想していたんですが(石持浅海風)、思い切り外しました(笑)。
ちなみに、浜辺ちゃんはかわいかったです!
楽しめたけど、、、(以下、本文)
原作未読。
普通に楽しめたけど、以下気になるので☆3つです。
・たった1ヶ月の就職面接準備でそんなに仲良くなる?
・特に野球部のノリが個人的に苦手。
・就職活動、ある1社だけにここまでこだわる人っていないでしょ。
・九賀の動機が弱すぎる。
・若者が死ぬ設定は苦手。
・就活から8年も経って、それぞれ自分の仕事頑張っているのに、集まることがあり得ない。
・浜辺美波にあの依頼をされたら、こちらはそれなりの見返りを要求するでしょ。
誰か一人を決めるとして、自分ならじゃんけんを提案するだろうな。一番fairだと思う。
タイトルなし(ネタバレ)
そうはならんやろと脳内ツッコミが何度か。
とはいえなかなか展開はスピード感があり退屈はしませんでした。
動機がなかなかサイコパスで 共感できないというか、ちょっと物足りなさを感じました。
確かに、面接や研修って上っ面だけで意味のない当たり前をする場ばかり。
共感性羞恥ばりの見てて恥ずかしくなるディベートそこは共感できます。
勝手な最終面接がまかり通ってる、カメラ越しの訴えが通らない、最終選考の方針が急に変わるあたり、確かにダメな会社、終わってる人事だなとは思いましたけど。。
むしろあんな会社だと普通の人は辞退するような。。
あと、安易に主人公を病死させてよかったのか?取り返しつかない感を安易に演出しててチープに感じました。
何故、こんなにレビュー点数が悪いのか😂
評価の悪さに期待値下げて行ったからなのか、別の用事のついでに観たからなのか、原作を知らないからなのか分かりませんが、そこまで酷評するものではないかと😅
かの内山拓也作品(また出た😁)に比べたら、雲泥の差と言うか、比べるのも申し訳ないくらいに、こっちの方が断然いいですよ🤣
ネタバレってほどではありませんが、2時間ドラマ大好き人間の私めは、渡辺謙の息子が出てきた時にこれが犯人だって思って、渡辺大くんが本当に犯人だったら評価は3.0でしたが、ちゃんと6人の中に犯人はいましたしね🥳
あっ、今気づきましたが、会社が犯人ではないとすると、普通は暴露合戦が始まった時点で会社が中止にするはずなのに、中止にしなかった時点で、現実味が全くないから、そこで評価を下げているのかもしれませんね😅
展開が
登場人物が少ないので、推理出来る範囲が狭いので、最初からなんとなくこの人だろうなぁと思ってしまう感じがあります。途中これで終わるの?と思ってしまいますが、、、。
もう少しどんでん返しがあればもっと面白いのでしょうね。
そもそも、こんなダメ企業受けるんじゃないよ~ (; ・`д・´) (。-`ω-)
年末調整とか確定申告とかのシーズン突入ねぇ。
あれってどうしてもっと申告が携帯アプリとかで簡単に成らないのでしょかね。
折角マイナンバ管理サイトも有るんだし、直接入力で証明書も電子で紐付けして
入力処理済み管理番号を管轄企業側で把握したら一発だと思うのだが・・・
やっぱ所得を出来るだけ明かしたくない心理が働くからなのか。
そもそも払い過ぎた税金還付が問題なんだよね(>_<)
今日はそんな会社に就職活動して社会人になろうとする大学生の話。
「六人の嘘つきな大学生」を観に行きましたよ。
低予算作品ながらそこそこな推理物で在る事は感じましたね。
学生らしい視点考察があって、その点は面白かったと思います。
もしも”法廷遊戯”と比べたらですが、あちらの方が数段上で
人物描写の背景が深くシッカリ捉えられてると思います。
そう言った点がこの作品には感じられず誠に惜しい所でしょうか。
先輩思いが起こす復讐目的と、これだけの事をやるリスク。
得られる部分(利益)、失う部分(損失)、やる意味 大儀・道義、
そう言った”何故なのか” が人物背景描写に深く有った方が良かったのではと思います。
あと、この企業は感じた所ダメですね。
別部屋でモニタ撮って学生達の事の成り行きを眺めてたんでしょ。
最初、犯人と関係性があってワザと仕込んだのかと思ったけど
無いとするならばこの放置プレイは利点無しですね。
そう感じました。
原作:浅倉秋成氏
----MC
嶌衣織(洞察力):浜辺美波さん
波多野祥吾(酒乱):赤楚衛二さん
九賀蒼太(中絶):佐野勇斗さん
矢代つばさ(お水):山下美月さん
森久保公彦(詐欺):倉悠貴さん
袴田亮(イジメ):西垣匠さん
------※確かに犯人はこの中に・・・------
なんと言っても 浜辺美波さんと赤楚衛二さんかな。
お二人を観に~これ目的でしたけどもw。
俳優陣は皆さん良かったと思いますね。
何処を書いても ネタバレ直結しちゃうんで困っちゃう (*´ω`*)
最後に残された封筒に なんて書かれていたのか・・・写真は何か。
そこがメッチャ知りたくて知りたくて。ハハハ。
犯人よ~教えて欲しいわぁ。
興味ある方は
是非、劇場へ!!
ミステリーとして楽しみましょう
事前の情報からは観るかどうか迷ったのですが原作がミステリーとして評価が高いということで(未読)
ストーリー(謎解き等)は最後まで「なるほどそういうことか」と楽しめました
一方で設定が現実離れしていることが気になったことも事実です(例:入社8年目の主役の住む部屋)
どうせなら妹を探偵役に話を展開させても面白いかとも思ったりもしました
主役の悪事?だけ明らかにしない演出は評価が分かれると思いますが、勝手に妄想できていいと思います(全ては彼女の計算通りとか)
浜辺美波さんのファンなら十分に楽しめます。そうでない人は(ひょっとしたら)それなりに楽しめるかもしれない、たぶん (^^)
浜辺美波が実は犯人だったとも、犯人ではなかったとも、どちらとも取れる不確かなエピソードがあって、最後に浜辺美波がニヤっとほくそ笑んだりして終わったら背筋がゾクっとしたやもしれん ((゚□゚;))
そもそも、あの封筒を会社の人が見つけて持って行ってしまってたら? などと不届きな妄想をするのであった ♪ヽ(´▽`)/
クリーン
もっとドロドロした泥仕合を期待していたけど、思いの外クリーンで爽やかで拍子抜けした。
きれいにまとまっているのだろうけど、ああいう映像を踏まえて選考あれでいいのとかあんな大学の人らの枠g6人すらないのとか、前提にもいろいろ突っ込みどころが多くて、なんかう〜ん。。。
予告での期待値には届かなかった。
【"月の表側と裏側。人間の本質を一面で観て判断する愚かしさ。”就活最終面接GDでの6人の大学生のスリリングな遣り取りとその後を描いた作品。けれど、私だったらあんな企業はこちらから内定を断るね!】
■優良企業の”スピラリンクス”への内定を勝ち取るために、最終選考に進んだ嶌(浜辺美波)、波多野(赤楚衛二)、久賀(佐野勇斗)、矢代(山下美月)、森久保(倉悠貴)、袴田(西垣匠)。一万人の応募を突破した6人は人事部員から、”一か月後の最終選考はGDです。場合によっては6人全員が合格の場合もあります。”と告げられ、それまでに定期的に会い絆を強めていく。
だが、一か月後の本番前に人事からメールで”財務上、内定者は一名にします。”という酷いメール(以前、採用をサブ業務としていた事があるので、”あんなメールを送る企業は駄目だね。”と思う。)が6人に届き、動揺が走る。
嶌がGD会場で見つけた封筒の名から6通の封書が見つかり、一通を開けると、そこには袴田が高校時代に野球部で苛めをしてある部員を自死に追いやった事が書かれていた。そして、次々に明らかになる6人の”月の裏側”・・。
◆感想
・作品の設定は面白かったな。少し気になったのは、序盤で明かされた”月の裏側”を裏付ける関係者の証言の見せ方かな。
数年後に、只一人合格した嶌が見せた波多野が遺した映像には、その続きが夫々有って、そこには一人一人の真実が映されていたシーンである。
所謂、後出しジャンケンであり、少し製作方法としてはズルイ気がしたんだよね。
・けれども、最終選考に進んだ6人を演じた浜辺美波、赤楚衛二、佐野勇斗、山下美月、倉悠貴、西垣匠のGDの中で、夫々の”月の裏側”が明らかになって行き、場が混沌として来る状況内でのお互いに疑心暗鬼になり駆け引きする演技は、スリリングで面白かったな。
追い詰められて開き直る袴田を演じた西垣匠、矢代を演じた山下美月、森久保を演じた倉悠貴、久賀を演じた佐野勇斗、冷静になろうとする波多野を演じた赤楚衛二、嶌を演じた浜辺美波の姿。流石、若手気鋭俳優達だなと思ったな。
ちょっと、ギャーギャー言い過ぎな感じもしたけれども、”まあパニックにはなるよな、会社はメンタルの強さを見ているのかな・・。学生さんが可哀想だな・・。”などと思いつつ鑑賞続行。
・GDで時間を決めて誰が内定者にふさわしいかを自己申告でホワイトボードに”投票する”スタイルも、スリリングさの醸成に貢献していたと思う。”月の裏側”が明かされると、一気に”投票数が減る”所なんかもね。
<そして、数年後に病没した波多野の妹が嶌を訪ねて来て、兄の遺品から見つかった”真実”を嶌に託し、彼女が社会人となっていた久賀、矢代、森久保、袴田を呼び波多野が遺した”声”を聴かせ、彼が調べていた夫々の”真実”が明らかになるシーンは、少しホッとしたな。
今作は、人間の本質を一面で観て判断する愚かしさと、人間の本質は”善”である、と言うメッセージではないのかと思ったな。
それよりも、私だったら”最初に”全員に内定を出す可能性もある。”と言っておいて、一か月後の最終選考直前に、メールで”内定は一人にします。”と連絡し、盗撮みたいなGDを最終選考方法にする企業何て、こちらからお断りだよ!”って思ったな。じゃあね。>
映画でも面白い ◎◎○○◎
原作が面白かったのでどこまで行けるかと思っていたが、映画だとこれぐらいかなと。
けど良かったよ。
小説だと誰が合格するかわからないので、その推理も進めるが、映画だと嶌さんが合格するのが予想できるので、そこは残念。
見やすさ◎
ストーリー◎
キャラクター○
没入感○
個人的好み◎
予想外の結末に、共感も、納得もできない
登場人物たちが在籍しているのが、実在の大学で、しかも、東京六大学のうち、東京大学が一橋大学に置き換わっていたのは、何か意味があるのだろうか?
確かに、それだけで、6人の大学生が優秀であることは分かるし、それぞれのキャンパスの位置が重要な意味を持つというシーンもあるのだが、それほどリアルな話でもないのに、ここだけが生々しい設定であることに、どこか違和感を覚えてしまった。
物語としては、「就職」という同じ目的のために親交を深めた者たちが、互いに疑心暗鬼に陥り、不協和音を響かせていく様子は、それなりに面白い。
冒頭の「お願い」のくだりがあったので、赤楚衛二が怪しいと思われた時点で、黒幕は浜辺美波に違いないと確信し、8年後に「やっぱりそうか」と思っていたら、別の人物が真犯人だったという流れになって、そうしたミスリードも中々に楽しめた。
ただ、赤楚衛二が、あの場で自分が犯人だと告白した理由はよく分からないし、その後、皆に復讐しようとして、過去の所業の裏付けを取ろうとしたという心情も理解に苦しむ。そんなことをするくらいなら、はじめから嘘の告白などしなければ良かったのではないだろうか?
真犯人の動機が、自分が内定を貰うためではなく、人事部の無能さを証明するためだったというところにも、取って付けたような唐突感を覚えざるを得ない。そんな理由のために、あんなに手の込んだことをするとは、とても思えないし、その挙げ句に採用された人物は、8年後に相当な業績を残しているようなので、結果的に、人事部(会社)を助けただけだったのではないだろうか?
さらに、6人全員に後ろめたい過去があるということも、1人の人間が、それらを短期間で探り出せたということも、ご都合主義としか言いようがない。
確かに驚きの結末ではあったが、ただ、観客の予想を裏切る真犯人を明らかにしたかっただけのようにも思えてしまい、共感することも、納得することもできなかった。
6人の若手俳優の演技合戦は、確かに見どころにはなっているものの、赤楚衛二のオーバーな演技は「ミスリード」のために致し方なかったとしても、終盤の佐野勇斗の取り乱し方は、明らかに過剰で、思わず引いてしまった。
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