六人の嘘つきな大学生のレビュー・感想・評価
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ミステリーを不満が残らないよう作るのは難しい
とても惜しい作品に感じた。
シチュエーションは面白い。
展開も悪くない。
しかしやはりミステリーの肝は
「いかに作品内の謎を解明するか」。
ほとんどのミステリー作品は
ばらまかれた謎をいくらか残して終わる。
たまにわざと謎を残して考察させる作品もあるが
大抵は謎をただ拾えきれずに幕を降ろす。
この作品もまさにそれ。
その他の映画として気になる点を差し置いても
やはり根幹の「謎」に関する部分を
いくらか回収しきれていない。
正直ミステリーというジャンルにおいて
キレイに風呂敷を畳めることの方が珍しい。
更に近年では伏線やどんでん返しが好まれる時代なので
根幹の謎以外にも畳まなければいけない風呂敷は多くなる。
それが更にミステリーというジャンルを小難しくし、
キレイに気持ちよく終わらせる事を許してくれない。
そして今作もご多分に漏れず、
「いかにどんでん返しをするか」に気を取られて
物語中盤までの言動や展開が矛盾してしまっている。
原作を読んでいないのでもしかしたら
そちらで上手くやっているのかもしれないが、
だとすれば小説を120分の映画にするとなった際に
説明足らず・言葉足らずな部分が出てきてしまっている。
この作品というよりは
現代のミステリー作品における課題なのかもしれない。
1人の嘘つきとその他正直な大学生‼️❓
平面ではなく球体
いやいや、意外と面白いじゃない!
最近の大規模公開の作品(ほぼ東宝)は批判されがちですねぇ。特に浜辺美波映画に対する当たりが強い。自分はみーちゃんの映画で面白くないと思ったことは実のところ一度たりともなくて、「約束のネバーランド」も「サイレント・ラブ」も「もしも徳川家康が〜」も世間に反して結構好き!
まあ、せっかくの演技力が勿体ないという意見は仰る通りかと。別にべーやんじゃなくてもいいやん!みたいな映画ばっかりですからね。本当は「シン・仮面ライダー」とか「ゴジラ-1.0」みたいな大作映画に出て欲しいよねぇ。逆に「やがて海へと届く」みたいな単館系の映画でもいいな!...あれ、もしかしてキモイ?
というもの、ココ最近でいちばん、顔立ちの美しさが際立って見えた。ヘアスタイルのおかげかな。綺麗な顔してるな...。流石東宝シンデレラでございます。そんな浜辺美波にすべてを捧げすぎたのか、「え、ホントに山下美月美月なの?」と疑ってしまうほど山下美月が山下美月に見えなかった。髪型があまりにも似合わない。可哀想なくらい似合わない。いくら面接に沿ったスタイルとは言え、これはないでしょう。男4人、特に佐野勇斗はすっごくいいのにね。なんで手を抜いてしまったのでしょうか。せっかくの起用が台無しでございます。映画見ていてあんま意識したこと無かったけど、スタイリストって結構大事なんだな。
顔面偏差値で最終選考まで残ってるだろ!というツッコミはさておき、みんな演技力に安定感があって見ていて飽きなかった。大袈裟な演技で胡散臭さを演出。作品そのものの演出はチープで目を引くものが全然無かったものの、密室ミステリーというのもあって演者自身が映画を作りあげていて、新卒採用の最終選考というテーマに相応しいものが見れてなかなかに面白かった。若干オーバー気味だけど、全然気にならない。むしろこのくらいやってくれて良かった。佐藤祐市監督はやっぱり、役者の良さを引き出すのが上手いですな。演出は安っぽいけど。
ドラマの方が良かったと言ってる人多いけど、個人的には映画の尺で良かったと思う。確かにラスト駆け足になってしまったのはかなり勿体ないし、恐らく小説で描かれてるだろう部分を思いっきりカットしちゃっているんだろうなっていうのが、原作読んで無くとも感じられたから内容的なことで言うともっと上手くできただろうなとは思う。
ただ、ご都合主義のようにも捉えられるけど、次から次へと話が展開していく様は退屈防止にはすごく良かったし、現に冒頭は乗れなかったものの、しばらくすると時間忘れるくらい没頭できたからこの尺でちょうど良かったなと。脚本はどうであれ、シンプルに物語の構成がいいからつい見入ってしまう。15分刻みに投票ってのが功を奏していた。
嘘という言葉に対して登場人物が六人なのはどういう意味?とか、そうだとしてもやっぱり知りたいよね!とか、ちゃんと描くべきところが疎かになっちゃっていたのは残念。ラストももっと面白味のあるものに出来たはず。ちょっとズルい手法を用いちゃっている。
だとしても、酷評されるにしては随分よくできていたし、学歴かつ印象で人を判断する少ないの在り方に一石を投じる物語としてすごくタイムリーで、見終わったあとも考えさせられるものがあるかなり興味深い作品だった。人間は面じゃない。一点だけ見て判断してはならない。絶対に知ることの出来ない月の裏側のように。
程よい緊張感の中淀みなく進む舞台劇
原作小説を読んでいるため、すでに一定の解像度があった状態で鑑賞している分、物語に入り込みやすかった。
とはいえ犯人は誰か? は完全に失念していたので、誰だろう? 誰だっけ? と普通に楽しむことができた。
就活の面接という舞台設定は秀逸で、この極限な環境下だと少々突飛な出来事もすんなり受け止めることができてしまうな、と。
非常にミステリーらしい、仕掛けと謎解きを楽しめる作品でした! 後味もスッキリ!
本当の犯人
就職試験の最後の議題は「この6人の中から採用にふさわしい者を1人選んでください」であった。密室の会場。見つかった1通の封筒。封筒を開けるとそこには6人それぞれの告発文があり…。
この手のシチュエーション型ミステリーは、その興味をそそる設定に対して、しっかりとしたオチがつかないことがほとんどである。本作品はその中でも、鳴かず飛ばずといったところである。
ストーリーとしては、告発文が明らかになる度に、容疑者(告発文の作成者)が二転三転するもの。結末までにすべての人物に容疑がかけられるようにできている。
このような物語をつくることにおいて、私が最も重要だと思うことは、登場人物それぞれの立場において、矛盾するような内容を無くすことである。観客は、犯人が誰なのか、という好奇心のもとに画面に食い付くが、途中で感じる違和感が結末をもって消化されない場合、観客は興ざめしてしまう。その点、この映画に大きな矛盾点は存在しない。しかし、真犯人が明らかとなったところで、この結末にストーリーのすべてを納得させる説得力はない。事件に見合う犯人の動機の薄さからも見てとれる。会議室であったこういう行動はこのためだったんだよというような説明もどこか後付け感が否めない。やはりこのタイプのミステリーは、先に核となる事件の本筋をつくり、その後に枝葉となる部分を作らないとどこかで必ず破綻してしまうように感じる。
それでも、シンプルな設定、事前情報なく見れる点、容疑者が移り変わりドキドキできる点、にはとても秀でている。
浜辺美波さんが可愛かったです
ジャスミン茶
就活ミステリー
犯人の動機がいまひとつ強ければ満点
仲良しごっこ
期待度○観賞後の満足度△ 原作未読だけれども、文章で読むとそれなりに面白いけれども、そのまんま映画にしたらダメになる典型例じゃないかしら。
①途中で馬鹿馬鹿しくなったり退屈させないで最後まで一応付き合わせたところは褒めて上げたいが、観終わった後によくよく考えたらあり得ない話である。
②最初、1万人を落としたという企業が最終選考まで残した6人がとてもそんな優秀な人材に見えないところで萎え掛けたが、ある意味それはこのトリッキーな作品の伏線だと云えなくもない(って製作サイドがそこまで考えてキャスティングしたかどうかは分からないけれども)。
③「人事部が無能なのはどこの企業も一緒」ということを云いたいのか、と一瞬頷き掛けたけれども、それにしてもこの映画の中の企業の人事部は酷すぎる。というかこんな形の新卒採用の選考をする企業ってある?って感じ。
また、犯人の意図はこの企業の人事部の無能さを暴くことのようだったが、結局同じ選考に残った面々に不愉快な思いをさせただけなのと一人をスケープゴートにして傷つけただけで、当の企業の人事部は痛くも痒くもなかったようなご様子。全く幼稚な発想と計画としか云いようがない。
何とかトリッキーな内容の話を作ることが先行してリアリティを後回しにしたからである。
文章であればリアリティの無さがそれ程目立たなかったのかもしれないが(ベストセラーらしいから)、生身の人間が演じる映画となると話の歪さが際立ってしまう。
④そういう犯人を「心のそこから軽蔑する」(確かにその通り)と言ったヒロインの嶌衣織もよく分からない人物像である。
浜辺美波が演じているのだから中心的なキャラだとは察しがつくが、前半で赤楚衛二に頭を下げて「お願いがあるの」と言ったシーンでその後シーンは切り替わるが「私に投票してください」と頼んだだろうことはミエミエなので、“浜辺美波、お前もか”と云う感じなので後半ヒロインっぽく活躍するが違和感がつきまとう。
犯人に「心の底から軽蔑する」と
Fair
若い力を育てて欲しい
お金をかけたセットも、作り込まれた背景もなく、ただただ六人の役者の会話のみで進行する映画はまるで一枚の板の上の舞台のよう。
若手の中でも力量のある役者さん達の熱が伝わってきた。
ただ、後半にかけての話の展開に無理矢理感は否めず残念。
脚本、演出の方には観客の感性をもっと信じて
いただいた上で、若い力を育てていただけると、もっと楽しくなるのかなと思います。よろしくお願いします。
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