劇場公開日 2024年11月22日

「無難にはまとまっている作品」六人の嘘つきな大学生 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5無難にはまとまっている作品

2024年12月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年424本目(合計1,515本目/今月(2024年12月度)3本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。

 ※ 時間調整のため「ルパン三世」をみてからになりますが、憲法論が絡まないアニメはみてもレビュー対象外です。

 映画の作品としてはこれまでありそうでなかった「就活・最終選考」を描くもので、意外にありそうでなかったり…といったところです。ただ、ストーリーの展開それ自体は確かに「今までなかったな」という点はあっても「足の引っ張り合い」という観点では似たような映画はあるので、既視感もまぁまぁあるかなというところです。

 もっとも他の方も書かれている通り、「こんな珍妙な最終選考をする会社もヘンテコ」とは思いますが(憲法判例上、選考の自由は会社の広い裁量ですが、人権侵害にあたるようなものは、判例とは別に厚労省から「こういう選考はやめましょう」というような注意喚起がされています)、まぁそれ言い始めると終わらないので…。

 足の引っ張り合い+最後にあかされる「実の第二第三のどんでん返し」が見所という、最後まで席を立ってはいけない(だいたい結末が見えてきたなと思って後はみないというのは損)映画のタイプですね。

 採点に関しては以下まで考慮しています。

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 (減点0.4/心裡留保・通謀虚偽表示の解釈について)

 これらは一定の条件で相手方、第三者が保護されます(通謀虚偽表示は転得者との関係で絶対的構成説を取るか相対的構成説を取るかの学説対立があります。判例上は前者)。この点の解釈が微妙におかしい点があり、それらの民法上の意思表示の規定(ほか、錯誤、詐欺・強迫)はかかる会社の選考においても適用されますが、やや解釈がおかしい点があります(ただ、ストーリー重視にするためにある程度飛ばしたであろう点は理解できるし、そこは指摘はしても全体としてまとめて0.4という軽めの扱い。通常は0.2、0.3で0.5引かれるが、0.4という扱いにしています)。
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yukispica