「120%王騎将軍だった」キングダム 大将軍の帰還 山川夏子さんの映画レビュー(感想・評価)
120%王騎将軍だった
2019年の一作目『キングダム』で初めて大沢たかおさんの王騎将軍を見たとき、漫画の世界だからこそデフォルメして描くことができた強靭な巨体や、圧倒的な存在感で戦士や国民を魅了する泰国将軍という、とんでもない役に挑戦して全力で役作りに挑んでおられる大沢さんに拍手を送りたいきもちでした。
正直、漫画のキャラとして大げさに描かれて、ひょっとして超人ハルクのような化け物なんじゃないかというくらい、モンスター感もあるキャラクターで、これを人間が演じるのはちょっと無理があると思っていたので、大沢さんが漫画と台本を読み込んで受け取って生まれた「王騎将軍」が、生きてる人間として動いてるのがうれしかったです。
シリーズ映画で王騎将軍が出てくるたび、「うおー!王騎将軍だ~!」と観ながら心が小躍りしてしまい、クセのある言いまわしも、「ああ、そういう風に言うのか」と生きて動き回る王騎将軍を見てるのが本当に楽しくて、それがこの映画「キングダム」シリーズの最大の楽しみの一つでした。役者さんってすごいお仕事だなあと思いました。
二作目、三作目と大沢さんは回をおうごとに王騎将軍になってゆき、四作目の今作では彼はどこから見ても完璧な王騎将軍でした。
漫画キングダムは長編漫画で、趙の総大将・龐煖が登場して王騎将軍と因縁の対決は場面は、漫画の中でも最も好きなシーンで、馬上の王騎将軍が「見よ童信。これが将軍の見ている世界」と天下の大将軍を目指す信に、将軍というものを教える場面で心が震えて、わけのわからん感動に全身が打たれたような気持ちになって、これでキングダムのファンになってしまったのですが、この「大将軍の帰還」最高!でした。
私はキングダムの中でも王騎将軍推しなので、王毅将軍のことばかり書いてしまいましたが大沢さん最高でした。山﨑健人さん(信)はじめ、騰を演じた要潤さん、他の出演者の皆さんも完璧に「キングダム」の世界の人たちになっていたし、東宝すごい! スタッフの皆さんもすごい! ブラボー!×10です。
敵役の趙の総大将・龐煖も、漫画の中でモンスター的に描かれていたので、これを演じる役者さんって大変だろうなあと思っていたら前作で吉川晃司さんが龐煖役で登場して、漫画では武神と天下の大将軍の一騎打ち、「王毅と龐煖の超人対決、映画でどう描くんだろうと」とワクワクしていましたが、最高でした!!!
登場人物の一人一人が漫画から抜け出てきたようで、第一作目から2作、3作と漫画と実写映画の境目がどんどんなくなっていって、4作は完全にキングダムの世界に没頭しました。
要潤さん、最近テレビでお見かけしましたが大変なマッチョ系に進化しておられて、(ハリウッド進出するのかな?)と思ったりしたのですが、騰は王毅の後を継いだ「大将軍」ですもんね。納得の肉体改造で、これは「五作目に期待してください」ということなんでしょうね!! 小栗旬さんがやっと李牧で登場してきたし、羌瘣(清野菜名さん)にはもっと活躍してほしいし、次作も楽しみです。
いやあ、面白かった~!
にしても、大沢さんの王毅将軍最高!