「温泉シャーク」キングダム 大将軍の帰還 ヤマナさんの映画レビュー(感想・評価)
温泉シャーク
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基本的にバカ映画は大好きだ。よく観る。しかし、感心できるものは数少ない。「温泉シャーク」もしかり。これといい、「ニンジャvsシャーク」や「キラーカブトガニ」は、何故に何でもかんでも入れたがる。何故に大風呂敷を拡げる。自衛隊出したり、サメを2000匹も必要か?パンフレットのなかで、井上森人監督は、湯水のように湧いて出たアイデアを全部足して作ったと言われているが、クリエイターとして一番やっちゃいけないことだ。クリエイターは足し算より引き算なんだよ。何が大事か、何が必要かを見極めて、それ以外は容赦なく削る。監督は「ジョーズ」と逃げずにちゃんと向き合う決意をしたというが、それは警察署長や市長を出すことでも、くたばれ化け物と言って銃で巨大サメを爆発させることでもない。スピルバーグは、署長夫人と海洋学者の情事などの要らん部分を根こそぎ削って、3人の男たちと巨大ザメが死闘を繰り広げる海洋冒険ものにして、GUのTシャツになるくらいの大ヒットとなった。シンプルイズベストなんだよ。温泉シャークを観た後、ベトナム料理を食べに行った女性は、トイレで水道の蛇口から温泉シャークが出てきたら、どうしょうと怖がっていたが、これだよ。豪雪かなんかで、陸の孤島となった温泉宿を舞台に宿の主人と温泉客が神出鬼没の温泉シャークと死闘を繰り広げる。これくらいシンプルな方が良くないですか。なお、今回はバカ高いパンフレットについてのコメントは、さし控えておく。
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