「王騎が天下の大将軍たる所以を実感」キングダム 大将軍の帰還 manyaさんの映画レビュー(感想・評価)
王騎が天下の大将軍たる所以を実感
飛信隊の皆が、信が大将軍になれるという途方もない夢を信じて、信と一緒に夢をみたいと彼のために自分の命を迷わずかける様子に、信の1からの成長をとても感じました。
でもやっぱり、今回は王騎の物語でした。今までずっと高みの見物のような、余裕のある態度を崩さなかった王騎が、怒りを堪えきれず、激情を露わにした本気の表情・言動に、とても胸を揺さぶられました。今までずっと、王騎はあんな強い想いを抱き続けていたのだと思うと、1〜3を観なおしたくなり、帰宅後Netflixで全部観て、よりキングダム熱が高まって3日後にはまた映画館に来ていました。
今作は初めから戦場でスタートだったこともあり、摎と王騎のシーンはとてもあたたかく心に残っています。王騎を全ての原動力として、真っ直ぐに彼を想い続けている摎は、とっても魅力的。可愛くて、強くて、王騎が愛おしく思う気持ちもわかるなあと思いました。摎に対する王騎は、1〜3で観てきたような違う次元にいる雰囲気もありつつ、愛情が滲み出ていて、将軍ではない人としての王騎の部分にもとても惹かれました。
実際に戦に出て、戦う王騎は、やはり彼の生きる場所にいるように感じて、将軍として戦場に存在する彼は、今までより断然かっこよかったです。今までは絶対的存在感と、ユーモアのある騰とのやりとりの印象が強かったですが、今回は力の強さだけでない、王騎が中華全土に認められる天下の大将軍たるゆえんをひしひしと感じました。李牧軍が現れた際、龐煖にトドメを刺すことよりも、軍ひいては国のために指示を出し動くことを優先した王騎は、やはりどこまでも将軍だったのだと思います。最後の最後まで、摎が愛し、信が憧れ続けた天下の大将軍として生き抜いた王騎に、とても感動しました。
王騎の信への将軍としての景色を教えるところや、最後のメッセージなど、王騎が信を認めていることが伝わってきて、また信の成長を喜んでいるような描写も心に沁みました。軍が帰ってきた際の信と嬴政の語りかけは、彼らが本当に中華統一とそれを支える天下の大将軍に向けて志と考え方を共有していることを強く感じて、立場は違えどいつでも共に戦っていると感じました。最後、タイトルの本当の意味がわかった時は涙が止まりませんでした。
最終章ということですが、それぞれのキャラクターがこれからどのように成長し、どう生きていくのか、是非またスクリーンで観たいと強く思いました。