「連作中の一作としてのまとまり」キングダム 大将軍の帰還 またぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
連作中の一作としてのまとまり
当方の原作消化は40巻あたりで止まったままだが、本作の鑑賞にあたり不安はない(笑)。
回想シーンが長すぎまとまりを欠いた前作と比較し、対象を王騎に絞った本作は素直に観やすかった。佐藤監督に対してはどこかフィットしない感があり未だ判断保留中なれど、本作もいくつかグッとくるセリフもあり何度か落涙。原作を生身の役者で映像化する意味を感じる。しかし、長いストーリーの序盤のごく一部であることを知っている身としては、シーンシーンでたっぷり間を取って言わずもがなの説明ゼリフを語られられたりすると、「その役にとっては見せ場でも観客にとってはうねりの1個なんだよ」、などと思ったりする。そのへんがフィットしない感の正体かもしれない。
撮影はダイナミックな背景や馬のシーンのカメラワークも冴えていた。主題歌ワンオク回帰も嬉しい限り。宣伝では最終章ムードも出していたが、王騎から信への将軍になるための心構えの伝承が行われたところ、まだ山﨑賢人も十分若く、ぜひとも信の転結までを見せて欲しい。
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