「王騎の、王騎による、王騎のための映画」キングダム 大将軍の帰還 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
王騎の、王騎による、王騎のための映画
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序盤こそ、信と羌瘣対龐煖の闘いや、身を挺して信を救った尾到の死などが描かれるものの、中盤以降は、主役が、信から王騎へと完全に入れ替わる。
王騎と龐煖のヘビー級同士の激突は、それだけで迫力満点なのだが、その中で語られる、王騎の婚約者だった摎を巡る王騎と龐煖の過去の因縁が、2人の闘いをより一層エモーショナルに盛り上げる効果を上げていて、非常に見応えがあった。
事あるごとに王騎が示す将軍としての在るべき姿や、昭王から託された占領地統治の心構えなども、信や嬴政に向けた王騎の「遺言」として心に響くし、胸が熱くなる。
その一方で、原作を改変できないということは重々承知しながらも、やはり、王騎には、相討ちになってでも龐煖を倒して、摎の敵討ちを成就してもらいたかったと思ってしまう。
これからも原作の映画化は続くのだろうし、そのためには、決着を先延ばしにする必要もあるのだろうが、一本の映画として観た場合、ヒーローが死んでヴィランが生き残るというバッドエンドには、どうしても釈然としないものを感じてしまうのである。
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