「何とか商用で耐えうる最低限のレベルか…。」獣手 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
何とか商用で耐えうる最低限のレベルか…。
今年73本目(合計1,165本目/今月(2024年2月度)26本目)。
(ひとつ前の作品「テルマルイーズ4K」、次の作品「ゴールド・ボーイ」)
まず、投稿する私もストーリーを完全に理解できたわけではありません。映画の趣旨としてあえて結末ほかを伏せた部分もあるし、画面が極端に暗いなど見にくい部分もあれば、ミニシアターでのみ放映されている事情色々がかさなって「趣旨を画面から読み取りづらい」という問題を抱えています。
ストーリーについては、他の方が書かれているのでこちらでは触れません。
ただ、この映画、割と気になるのが、「なぜか2作品存在する」点で(最初の30分くらいで突然クレジットが表示されたと思えばいきなり題名が違う映画に接続される)、このことがどこにも書かれていないため、見る方はかなり混乱するんじゃないかな…といったところです(この点、公式サイトはもちろん、映画館のサイトにさえ載っていない)。
そういった「消極的な理由」があって色々理解が難しい点が多く(また、続編が存在することを前提にしたのか、何度みてもおそらくわからないと思われる点もある)、作品単体でみると「映画館で流せる最低限のレベルを少し超えているかな」といったレベルです。もっとも、積極的に人を不愉快にさせるような表現は出ないし、シアターセブンさんがインディーズ映画メインであることも考慮すると、大きく採点上考慮はできないといったところです。
できればもう少し「画面自体が大きい」か「明るい画質で…」といったところかなというところです(意図的にそういう映画なのかなとも思えるし、R15指定なので、R18指定を避けるためにあえてぼかしたと思われるシーンもある)。そういった事情で「評価がしづらい」という特殊な事情はあります。
採点に関しては以下を考慮したものです。
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(減点0.2/強迫と事務管理の関係があいまい)
・ 詐欺・強迫による意思表示は一定条件で取消しが可能ですが(強迫はいかなる条件でも取消し可能、96条)、このことが事務管理(697)と重なる場合、事務管理の本人が元の強迫の行為があったことにつき善意である場合に、強迫により事務管理にかかわった管理者が強迫を理由に事務管理まで取り消せるかというのは微妙な問題があります(事務管理を準法律行為として、取消しの規定がないとする説、あるいは、強迫の被害者は保護されるべきという立場などがある。日本では最高裁判例はおろか、地裁レベルの裁判例すら見当たらない)。
(減点0.2/けがを理由に即時解雇できるか)
・ この怪我はもちろん「映画のストーリーに関すること」で生じたもので「映画に出てくる会社」とは無関係ですが、一方で何らの期間も金銭補償もなく即日解雇することは法に触れます(労働基準法ほか)。
※ 一方で、労働法(労働に関する法をまとめていう語)は、「会社とのつながりが強い」法の集まりなので、法的安定性を重視して、賃金請求権等について民法よりも短い時効を特別に定めていますが(労基法参照のこと)、先取特権を活用するなどいくつか方法は存在はします。
(減点0.2/非債弁済の効果の考察が雑)
・ 705条の問題ですが、このことは、その弁済を行っていたときに強迫の状態にあったなどには適用がありません(換言すれば、705条が問題になるのは弁済が任意になされたことであることを要する/大正6.12.11(大審院))。したがって、そのあとはさらに(純粋型)不当利得の問題が残ることになります。