劇場公開日 2024年11月8日

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「【"とにかく攻めろ!”滅多に観られぬ青春カーリング映画を堪能するの巻。ヤッパリ、団体スポーツは個人技よりも、チームワークが重要だよね!キッパリ!】」カーリングの神様 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【"とにかく攻めろ!”滅多に観られぬ青春カーリング映画を堪能するの巻。ヤッパリ、団体スポーツは個人技よりも、チームワークが重要だよね!キッパリ!】

2024年11月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

幸せ

ー カーリングという競技が注目を集めたのは、オリンピックだと思う。北京オリンピックのスキップ藤沢さんが率いる”ロコ・ソラーレ”の快進撃には、最初はルールが分からなかったが、徐々に魅入られたモノである。
  ”そだねー!”と言う北海道っぽい肯定的な掛け声も良かったな。もぐもぐタイムとかさ。
  他の競技と違うのは、リード、セカンド、サード、スキップ(試合をコントロールする司令塔みたいな役割かな。)の順にストーンを氷上に滑らせ、ハウスと呼ばれる円の中に多くストーンが残っているチームが勝利するという、一見、単純なルールだが、見ていると頭脳戦であり、体幹が強くないとダメなんだろうなあ、と思いながら観ていたモノである。ー

■粗筋
 今作は、長野県の女子高生たちがカーリング国際大会エキシビジョンにエントリーし、王者の軽井沢チームに、隣町の御代田町のチーム“みよステラ”が挑む映画である。
 “みよステラ”はスキップのかすみ(本田望結)が率いていて、小学校時代には優勝経験もあるのだが、オリンピックを目指す舞(川口ゆりな)が王者の軽井沢チームに移った事で、長い休止状態に入っていた。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・今作は、カーリングを行う女子高生たちの葛藤や、悩み、チームワークの大切さと言うスポーツ映画には必須の項目がキチンと盛り込まれており、本木克英監督らしく、エンターテインメント作品としても、面白い作品になっている。

・舞と“みよステラ”のかすみ達との確執や、人数が足りなかった“みよステラ”に、母(田中麗奈:ウーム、女子高生のお母さん役を演じるようになったのかあ。「がんばっていきまっしょい!」の頃からお変わりないなあ。)の離婚で御代田町に戻ってきた事で、町に馴染めなかった娘美乃梨(長澤樹)が、母が働く介護施設に入居している我儘爺さん(柄本明)が実は”カーリングに精通している”ことが分かり、“みよステラ”に入る辺りから、ドンドン面白くなってくるんだよね。
 美乃梨が頑固爺さんに言われた通り、ハードな肉体訓練をする事で、下半身が更に安定し、チームメイトたちとも馴染んで行く姿。

■この映画が上手いと思ったのは、前半で人間関係や町の人達が一生懸命応援する姿を描いておいて、上映時間の大半を軽井沢チームと“みよステラ”との一騎打ちに割いている所だと思う。
 第一エンドからリードされる“みよステラ”が、チームで考えたストーンのコース取りで大量得点を挙げるシーンは、興奮したなあ。
 カーリングって、奥深いよねえ。

<ラストも、高校生スポーツ映画らしく爽やかに終わる。
 それまで自分の技を磨くことが第一だった舞が、“みよステラ”に帰って来て、かすみが涙を浮かべながら”お帰り”と声を掛け、舞が”ただいま”というシーンは良かったなあ。
 今作は、滅多に観られぬ青春カーリング映画を堪能する作品なのである。キッパリ!>

NOBU