侍タイムスリッパーのレビュー・感想・評価
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会津の思い
"心配無用ノ介"(ネーミング凄い!)のバッチリ目張りが、「蒲田行進曲」で土方歳三演じる銀ちゃん(風間杜夫)に重なって、もうすごく笑ってしまった!銀ちゃんはカメラマンから「お前の芝居がクサくて!長いから!フィルムがもうないんだよ!」とか嫌味を言われてたけど。
スター俳優を使わず、監督脚本照明編集チラシ作成その他その他何でもやってる安田淳一監督すごいと思いました。安田監督自身が、つかこうへいであり深作欣二であり銀ちゃんでありヤスであり小夏で、安田監督以外、誰も作れない映画だったと思います。
会津の思いにじーんときた。
追記
あまりに自明で書き忘れたので書きます。高坂=山口馬木也さんの演技は殺陣含めて絶品でした!
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山口馬木也さん、「第67回(2024年度)ブルーリボン賞」主演男優賞受賞おめでとうございます!12日の授賞式でしょうか、馬木也さんが涙ぐむ写真に心うたれました。本当によかったです。これからもご活躍ください!(2025.02.20.)
あー、映画や〜!!
殺陣師をもう少し描ければ…
8月に池袋シネマ・ロサ単館で封切られわずか1か月でギャガが配給に付き全国公開が成ったという展開はどこかで聞いたことがある再びの自主映画成功物語でそのスピードは「口コミで広がり」の範疇を超えていてもはや新しいプロモーション手法が確立されたのだろう私もまんまと乗せられてしまった。タイトルそのまんまの時代劇撮影所タイムスリップコメディーで予告編を観れば十分という気もするが主演の山口馬木也が素晴らしく、誰もが楽しめるエンタメに仕上がっていて文句をつける筋合いではない。ただ殺陣というドラマ的チャンバラがテーマだと思うのだが「真剣による斬り合い」との違いが描けておらず、またとても重要なシーンでの撮影所セットの使いまわしが残念。
脚本が、MVP!MVP!
職場の映画好きな先輩から、この「侍タイムスリッパー」のことを聞いてから、ずっと気になっていた。
イオンシネマ太田で、観られるチャンスが巡ってきたので、早速観てきた。
観た感想を一言で表現すると、「脚本が、MVP!MVP!」。
大谷翔平が、敵地の球場のバッターボックスに立った時にかけられる声援、「MVP!MVP!」をパクってしまった。
映画の根幹を成す脚本が、練りに練られていて、素晴らしかった。
幕末の会津藩士高坂新左衛門が、タイムスリップしたのが、現代の時代劇撮影所。
侍としての経歴が、そのまま生かされる場所なのが、絶妙だ。
140年後の日本に来た高坂新左衛門にとっては、見るもの、聞くもの全てが、初めてのもの。
どうしたら良いのかわからず、途方に暮れる。
しかし、まわりの親切な人々の支えもあり、前向きに努力を重ねて、斬られ役として成長していく姿に、感動した。
斬られ役の殺陣のやり方を教わっている時、「ここで、こう斬られる!」と言われて、通してやっていくが、侍の性なのか、斬られるところで斬られず、かわして逆に斬っていたのには笑🤣った。
時代劇に対する、愛やリスペクト、衰退した現在の時代劇を、何とか盛り上げようとする熱量が、凄まじかった。
おばあちゃん👵っ子として育った助監督は、子供の頃祖母と一緒に時代劇を観て、大好き❤️になった。
小学生の頃のクリアファイルが、「暴れん坊将軍」だった、と聞いた高坂新左衛門は、「暴れん坊の将軍のもとで仕えるは、きつそうだな!」と、呟いていた。
ラストの緊迫感のある、鬼気迫る殺陣は、圧巻だった。
これを観たスタッフが、「本物の侍がいる!」と表現していたが、大袈裟ではないと思った。
この見事な殺陣を、上手く引き出したのが、高坂新左衛門が斬ろうとしていた、長州藩士との再会と、同胞の会津藩士達の、悲惨な最期を知ったこと。
高坂新左衛門は、この長州藩士一人が悪いのではないことは、重々承知しているが、やり場のない怒り💢💢💨をぶつけずには、いられなかった。
さらに掘り下げて見ると、タイムスリップのさせ方が絶妙であったことが、この名シーンを生んだと思う。
また、この絶妙なタイムスリップのさせ方は、お茶目なオチも演出した。
自主制作作品でありながら、東映京都撮影所の特別協力を得られた要因は、ひとえに脚本の面白さにあると思った「侍タイムスリッパー」だった。
今までのタイムスリップ系とは違う作品
映画で欲しいものを全部くれた
このサイトでたまたま目について、レビューをみたら皆さんの評価が軒並み高くて…かなーり期待を高くして観に行ったけど、その期待に見事に応えてくれました。
そりゃ細かいことを言い出すと、あるけど。
映像や演出の荒削りな部分は、まだ3作目の監督作品である事、それも限られた予算・資源の中でやっと世に送り出されたものであれば、そんなのあって当然で。
それよりも
笑って、泣けて、映画館を出た時「いいもの見たなあ」っていう満たされた気持ち。
この3つをもらえたら、もう他はいい。
今日の映画は、この3つがもらえたから大満足。
そういえば、過去の自分の大好きな映画からはいつもこんな気持ちをもらってた。最近なかったから忘れてた。今日からは、この映画が仲間入りだ。
余談ですが
幕末の会津、戊辰戦争などに興味があって、あらかじめ事前知識があったのは、この映画を深く楽しむのにとても役立ったと思いました。
あと、山口馬木也さんの会津なまり?の口調が、高坂新左衛門のキャラクターと、この映画全体をとても良いものにしていると思います。すごく良かった!彼はこれからお仕事が殺到するだろうなぁ。
こーゆー良い作品がちゃんと世の中に広まるのは、ネット社会の良い所だな。
実に面白い
ロサ一館から始まったこの作品。
以前ロサでポスターなど見かけたもののあまり興味が湧かず、後日フォロワーさんなどの反応の高さから鑑賞しました。
こちらは侍がタイムスリップするワンアイディアの作品。
なのですが、これが実に面白い。
主演、山口馬木也のとぼけた間の悪い芝居もうまい。SEも効いてましたね。
こういった細かいネタに館内ではたくさんの笑いが出てました。
こうゆう皆んなで笑える作品て良いなってなりましたよ。
またコメディってだけでなく、実に熱いんですよね。
映画や時代劇に対するリスペクトがすごく、武士の心意気もしっかり出ていたと思います。
ラストの立ち合いのはどう決着を着けるのかがわからず、結構手に汗握るシーンでした。
最後のひと笑いも良いタイミングで出しますね。
それにエンドロールがまた面白い。
自主製作映画なので監督の名がいっぱい出るのはわかるのですが、ヒロイン役の沙倉ゆうの名前もいっぱい出てましたw
本当に助監督やってるし、小道具とかもやられててびっくり。
何とも、作り手の愛情をたくさん感じた作品でした。
思いは伝わるが、思いだけでは惹かれる作品にはなれない。
話題になっているなか、ようやく鑑賞できた。
始まってそうそう、チープな映像(期待通り)にバカでかい音にびっくりする。のちのち、音が大事な要素であるとわかる。
ただ、音と映像があってない感じで少し違和感がある。
物語は想像してたとおりに進み、そこそこ笑い、2転くらいあり、楽しめた。
この作品の魅力は、時代劇と侍へのリスペクト。時代劇はほとんど見ないけれど、日本人として、胸に刺さるものがある。先人が作ってきた日本、大事にしたいと思える。ラストシーンは鍔迫り合いの音ふくめ、息を呑む名シーン。
が、こんなB級映画でそんな大事なことを感じさせられる自分を認められないややこしい思いもある。笑
全体的に安心してみられたが、ただ、粗はめだつ。
低予算だからというわけではなく、音が拍子抜けなものが多く急に世界観を引き戻されたり、カメラの転換が雑で画的に刺さるシーンが少なかったり。また、B級ならもっとコメディにふってほしかったが、自分には笑いが足りなかった。
伝えたいメッセージはわかるものの、映画としてグッと心を掴む作品になれたかというとそうではなかった。
素晴らしい作品にするには、思いとセンスが合わさらないとならない、難しいことだと思った。(センス合う合わないは人によりますが)
こんなに笑えるとは!
後ちょっとかな~
4点つけてますが、3.7点という感じです。次作に期待して4点です。
お金がないのに、よくこれだけのシッカリした作品を作り上げたなと思いました。面白いコメディです。
冒頭の江戸時代の夜が余りにも明るすぎる所を除いてはシッカリした画で文句はないですし、ピン送りなども多用しててくれてますし、美しい画ではないのですが、シッカリした画作りで、これは映画、時代劇に対する真摯さの表れだと思います。
話は凄くベタで、わかりやすいものだと思いました。ベタで面白いものを作れるのは『力』がないと出来ないと思うので素晴らしいとは思いますが、ベタをするならもっと詰めて欲しい所が多々ありました。
主人公にとって、とてもおかしな状況に巻き込まれているのに余りにも順応が早すぎ。アニメ等の異世界モノの主人公かと思うくらいです。
テンポが悪い。というか、余りにも分かりやすく作ろうとし過ぎていてクドい感じがします。一部の日本のTVドラマみたいな説明セリフやカットが入ってくるのでリズムが出そうになっては切れてしまい、ちょっとダルさを覚えます。
多くの人に観てもらわないといけないのが映画なので、分かりやすくするのは大事なことだと思いますが、それで映画のいい感じのリズムが壊れるのはどうかとも思いますが。
難しい所です。
あと、人をちゃんと描こうとしていて、すごく丁寧なのですが、その丁寧さがテンポを崩してしまっているのかなとも思いました。この脚本で2時間20分は少し長いと思います。
チャンバラ支軸の時代映画でキレが悪いのはどうかと思いますが、役者の上手さと作りの丁寧さと真摯さには舌を巻きます。
最後の立ち回りはとってもカッコ良かったです。
高坂役の山口馬木也さんが超うまいです。とても自然で『力』のある役者さんだと思いました。私は彼の演技でそこまで退屈せずに観れた気がします。
それと殺陣の先生の関本役の峰蘭太郎さんも年期が味を出しているような渋い演技をされていると思いました。
山口馬木也さんはNHKのドラマが合うと思うので出て欲しいです。というか絶対にメジャーになる方だと思います。
時代劇映画への愛が詰まっている、決して「面白くない」作品ではないのですが、もう少し上手く纏められなかったかな?と思います。テンポや主張ばかり気にして観客に頼りすぎな独りよがり的な映画よりは絶対楽しめます。ですが、もう少し観客を信頼していいのではないかと思いました。これだけの情熱があればそこまで噛み砕かなくても、十分その熱を通して観客には伝わっていくと思います。
安田監督が新作を作られたらきっと観に行くと思います。
「つくる」ことへの愛情
クチコミで話題の作品が、ようやく我が町にもやって来た。
驚くことに、平日昼間の上映回、観客席はほぼ満席。平均年齢はゆうに60歳を超えていただろう。
幕末からタイムスリップして来た男が、現代の「時代劇」の現場で自らのパーソナリティを開花させていくお話。
ほぼ自主映画ということで、映像作品として細かな部分の「粗さ(特に気になったのは中盤辺りまでの「音」かな)」は散見されるものの、全体を包むグルーヴの中ではたいして気にもならない。
「タイムスリップ」なんて、使い古されたネタであることは確かだし、ギャグも吉本新喜劇的ないわゆる「ベタ」なノリで繰り出されるんだけど、ドラマパートはきっちり泣かしてくるし、時代劇の「殺陣」と、侍としての「覚悟」を物語に乗せたのは、本当に上手いと思った。
主人公たちは、多くを語らない中でお互いの気持ちを察し、ある目的のために覚悟を決めて最後の撮影に挑む緊張感ビシビシのラスト30分。
何より役者陣の素晴らしいこと。
登場するのは大半が中高年なんだけど、全員のキャラがすごく立ってて、愛らしい。(お寺のご夫婦や殺陣の先生とか最高)
そして、時代劇への愛情が全編に溢れてた。
今回はネットの話題で知ったけど、こういう出会いがある映画ってたまらないよね。
『命』時代遅れの人達と価値観分断と和解の物語
内容・時は幕末!所は京都!長州藩士を討つ藩命を受けた侍二人の一人が主人公。
会津藩士『高坂新左衛門(山口馬木也)』は敵風間恭一郎と切り結ぶ最中、上段に構えた直後
落雷受け百四十年後の現代にタイムスリップ。 印象的な台詞は、『会津磐梯山の様な白い握り飯。食べるのは勿体無かっ!』監督・脚本・撮影も手掛ける現農家の安田淳一だからこそ出来る台詞。生きる事=『食べる』に対する思いが詰まった場面は、その他にもショートケーキや浅漬けなど食べる時に、生きる事に直結し特に泣けてきます。
印象的な境遇は、定番でありながら忘れ去られてしまった価値観を丁寧に焦点を当てた所。人を殺めてしまった記憶の描写は生々しい。予想していても、当たり前に面と向かって斬り合う事の狂気と後悔を感じさせられました。
印象的な場面は、現代で葛藤しながら決闘する二人の本物の侍が命のやり取りをする場面。非常に長い沈黙が、緊迫感を感じ手に汗握りました。その後の殺陣が最高で怖い!
現代の価値観では計り知れない価値観を再現した素晴らしい作品です。主人公の高坂新左衛門の真摯な演技が本当に江戸時代からタイムスリップしたかの様に映画に引き込まれます。
細かな事言えば、ホントに江戸時代の人が現代に来れば言葉や文字や価値観は違いすぎて異世界のはずなので想像を絶する(恐らく絵も知らぬ外国の感じかな?!)そんな細かな所に触れすぎると余りにも野暮なので内容に焦点を当て純粋に物語を楽しめた。
価値観の違いによるお互いの壁に対する結末とどっちもどっちの客観的事実に諦めと共にそれしか方法はないよなあと感じました。
色々な意味で深く爽やかな見応えのあるエンターテイメント性に溢れた温かな作り手の気持ちが滲んで伝わってくる様な作品です。
いやーホントに映画って良いですね!
胸いっぱい
唯一残念だったのは…
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