侍タイムスリッパーのレビュー・感想・評価
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最優秀ではない
世界に羽ばたけ、ザ・時代劇!
【ストーリー】
幕末であった。
会津藩士・高坂新左衛門は、同胞村田左之助とともに長州藩士・山形彦九郎の暗殺のため、京都は太秦へと上京する。
山形を闇討ちする二人だが、村田は早々に当身をくらって失神する。
対峙する新左衛門と山形。
闇に煌めく剣撃。
豪雨がなだれ、決死の一撃をふるう二人に、雷撃が直撃した。
目を覚ました新左衛門は、人気のない町の路地にいた。
そこは現代。
太秦の東映撮影所。
時代劇『世直し侍・心配無用の助』の撮影のまっただ中に、新左衛門はタイムスリップしてしまっていた。
着物に真剣を下げた新左衛門を、皆エクストラの斬られ役と勘違いしたまま、撮影は進むのだが、なにもわからない当人は困惑するばかり。
あげく台本にないことをしでかし、撮影の助監督・山本優子に叱り飛ばされてしまう。
追いはらわれた新左衛門は、撮影所各所をうろつき、鉄骨に頭をぶつけて気絶してしまう。
気がつけば病院。
窓から見えた現代の京都のありさまに、新左衛門は衝撃を受ける。
病院をぬけだし町をさまよう。
幕府はすでに倒れ、文明開花を成した薩長すらもなく、侍の世は終わっていた。
たどりついた寺の門前。
そこは奇しくもタイムスリップの時に山形を闇討ちしたその場所であった。
行き倒れていた新左衛門を、住職と妻が介抱する。
リビングで初めて見た時代劇に感激した新左衛門は、殺陣師集団「剣心会」に弟子入りを請い、斬られ役として働きはじめる。
侍らしい空気と立ち居振る舞いに、新左衛門はまたたくまに引っぱりだこになる。
順調に滑りだした現代での生活。
新左衛門に、準主役の話が舞いこんでくる。
『最後の侍』主役の敵、小弥太役。
そして主役・風間恭一郎は、かの日斬りあった、山形彦九郎その人であった。
めっちゃ面白いですね。
高評価も納得。
主人公高坂新左衛門を演じた山口馬木也、風格とキレのある殺陣は、存在感十分。
下級藩士らしいゆれ動きの心理を、うまく表現されてました。
普段見られない殺陣師や斬られ役の仕事もたくさん見られて、時代劇好きにはそこもたまらない魅力。
ストーリー構成もうまくて、ラストがまんできずに声だして笑いました。
「東映京都撮影所」っていうと「京都太秦映画村」ですね。
この二つ同じもので、映画村いって運がよければ撮影を見られます。
自分もうっかり八兵衛みたいな人が、「どいたどいた!」と声をあげて走るシーンを見たことあります。
遠足で。
映画村は京都市内の小学校の、定番の遠足コースの一つでもありまして、入り口の池から頭だした恐竜がお寂しめの水吐くさまをながめてから、先生の後についてアトラクション回るんですよ。
成人して友だち連れていったら、恐竜見て爆笑してました。
「時代ちがうだろwww」
「だまれぃ!」
ズバッと切り捨て。
「ごめん」
と謝罪。
そのあと太秦駅前で飲みました。
切り捨てごめんの部分はウソです。
現代にタイムスリップする侍の映画っていうと思いだされるのが『満月 MR.MOONLIGHT』
ヒロインまりに原田知世、そしてタイムスリップしてきたお侍の杉坂小弥太に時任三郎。
恋愛ものなのでアクションは少ないんですが、時任三郎の殺陣、剣先までピシリと決まってて良いんですよ。
原作は原田康子の『満月』、こっちも小弥太がカッコいい書かれ方してるんです。
構えて対峙するだけで、腕前確かな剣術家が「参りました」と頭を下げるほどの、武張った男ぶりがたまらない。原作大好きです。
「『満月』のレビューに書きなよ」
と思われるでしょうけど、映画の方にはそんなに愛をおぼえなかったので、たぶん今後も書かないかなって。
でもこっちの「小弥太」とあっちの「小弥太」、小弥太つながりでどうしても書きたくなったので全力で脱線しました。
時代劇のあり方や撮り方、裏方の苦労も知れる現代の時代劇。
ゴジラもいいけど、こういうのも外国の映画ファンに見てほしいなあ、そんな想いでこのレビュー書きました。
私が思うアカデミー賞について
見終えて 今。
あの カメラを止めるな 以来の 疎外感を感じている。
もちろん お金さえかければいいってものではない。
名だたる役者さんは見かけずとも良い。
だが それにアカデミー賞を授与するのなら それらに代わる何か多大なものがあって、そしてそれが出来上がりとしての純然たるクオリティを持たなければならないのではないかと 思うのである。
私はこれを見終えて アカデミー賞という 先入観なしに見たかったと思った。
そういう素人です。
映画って見る大衆に向けるものだしエンタメだしお金もらって上映するんだし。
去年のperfect days を思うと そりゃ ゴジラ➖0. 1 みたいな 見ただけで大変そうな設定で聴衆を楽しませてくれた物とは違うが それでもクオリティを感じさせるものがあった。
だから こういうものに授与する日本映画界に あ〜あ って思うんだよね。
これぞホンモノの映画だ! みたいなのがあまり好きじゃないのです。
何もわからない一般大衆置き去りの 奢り みたいな
自己満足を 感じてしまうのです。
一館からの日本アカデミー賞最優秀作品賞!
痛快侍魂!
ぶっつけ本番でどうどす
米農家との兼業で映画を撮り続けてきた安田淳一監督の執念が実ったのか、インディーズながら全国展開へ、ほんでまさかの超ロングランを記録。おまけに日本アカデミー賞最優秀作品賞に輝いた2024年の大ヒットムービーどす。映画を撮り上げた時は、銀行預金残高が7000円やったちゅうさかい驚きや。過去、私財を作品に突っ込んでそのままま消えていった監督がぎょうさんおいではった中で、この安田監督まだ運がええほうやろう。
ではなんでこのチャンバラコメディ、かくも日本人に大ウケしたのやろうか。『カメラを止めるな!』同様に、映画いな時代劇復活にかけるスタッフや俳優たちの熱き想いが作品に乗り移ったさかいやろうか。TV時代劇がお茶の間から消えていくご時世にあって、ほんまもんの侍2人が○○で切り合うちゅう真剣さ?がスクリーンから伝わって来たさかいやろうか。山口馬木也とその他脇役人の逆転したポジションが、罪務省デモに参加するZ世代にとっても心地よかったさかいであろか。それとも、昔とった杵柄の剣術で一発逆転ねろうとる侍に、AIやIT小僧に仕事を奪われっぱなしのバブル世代が共感を寄せたさかいであろか。
京都太秦撮影所にほんまもんの侍タイムスリップするお話は、ありきたりちゅうたらありきたり。ドラマ『不適切にもほどがある』で昭和から令和の世にタイムスリップしてきた阿部サダヲのように、オラオラ感丸出しで平和ボケした日ノ本にカツを入れるのか思いきや、この会津藩高坂新左衛門(山口馬木也)一瞬にして現代の生活に馴れ親しんでまう。剣術以外にわしが取り柄のあらへんこと重々承知してる高坂は、飯を食うていくためには“斬られ役”しかあらへんと、現実主義者らしい選択をするのや。
唯一の心残りは幕末の戦で散っていった会津藩の仲間たちのこと。苦悩する高坂をかつての宿敵風見は「わしらはあの時代を精一杯生きた。それでよいとちがうか」て慰めるのんどす。この台詞、カズオシイグロの『浮世の画家』で、戦中好戦的な絵ぇ描き続けてきた老画家が友人に慰められる台詞とほぼおんなじなのどす。後世の人々になんと非難されようけど、その時代の一時期を真剣に生きたことに後悔は無用むしろ誇りにこそ思うべき、そないなニュアンスなのやろうか。
もし、この映画大失敗に終わり安田監督米農家を続けられへんくなったかて、「わしの映画人生に悔いなし」てケンシロウに破れ天空に拳を突き上げたラオウのごとく、華々しゅう散る覚悟ができとったのかもしれへん。そやけどな、映画当たったさかいええようなものの、興行撃沈しとったら残された👪️は路頭に迷うことになるのんどすえ。そないな一か八かのギャンブルは一平ちゃんに任しといて、本作のリメイク権をどこぞの大手配給会社に高額で売り飛ばして、残りの人生は堅う生きまひょうや、ね監督。
面白さが分からない...。
公開当時からの評判は聞いていたが自分に合わない直感が働いたので劇場では未見。サブスクで解禁と言う事で日本アカデミー賞も受賞した作品としてもワクワクした感じで観賞スタート。まず昨今の邦画の安易なタイムスリップ物乱発の企画に辟易していた気持ちを吹っ飛ばしてもらいたい気持ちだったが待てど暮らせど面白くならない。タイムスリップ物はギャップで笑わせるのが特徴だが特に突出して面白くもない。剣友会に落ちたと勘違いした寺の人達の落ちるとか滑るとか言わないようにのシーンはモロに男はつらいよのパクリだしそこで興ざめ。いつになったら面白くなるのかと待っていたら雷に打たれたもう1人の侍登場でここから面白くなるのかなと思いきや、うーん乗れない...。本身を使って撮影?あり得ませんよ。物語が破綻してます。コメディに振り切れてもいないし全部が中途半端で正直退屈なまま終了。なんでこれが単館から日本アカデミー賞まで上り詰めたのか自分には理解出来ない作品でした。ただ1つ優子役の女優さんは出てくる度に目を奪われる何とも言えない魅力がありました。
作り手の映画愛が伝わってくる
すんなり現代に馴染むお侍さん
最初はたった1館から口コミにより広がり、上映劇場が増えていき、最終的には日本アカデミー賞の作品賞まで受賞しました。
そんなに興味はなかったのだけど、Amazon primeで上がっていたので、せっかくなので、観てみました。
観終わると、なるほどと納得しました。
思った以上に面白かったです😊
ストーリーは単純なのだけど、単純だから誰でもわかる内容だし、クスッと笑う所もあって、ラストは感動する所もあってと、とても良かったです。
ちょっと中だるみする箇所もありましたが、ラストの殺陣の迫力は凄かったです。俳優さんの眼力が強くて、演技なのに本当に真剣で戦ってるようで、こちらまでドキドキして、背筋を伸ばして観てしまいました(笑)
侍として、人間として、ただ一度の人生だし。
心の中の曲げられない信念は、やはり命を賭けてもやり遂げたいと強く思う。
そんな気持ちが伝わってきました。
お金はかかってないので、セットや特撮シーンなどは、古臭い感じがしました。
残念ですが、仕方ないですよね。
途中までは、作品賞受賞が疑問に思いながら観てましたが、最後まで観るといい作品だなと思えました。
同じ場所にいたのに、タイムスリップする時代はバラバラなんですね。
その設定はめっちゃ意外でした(笑)
時代劇愛を感じた!
プライムビデオで見れるよ
脚本が素晴らしい
観ていた人からの評判は聞いていたし、日本アカデミー賞受賞もあり、どこかでやっていないかなと思っていたところAmazon Primeで鑑賞できるということで早速鑑賞
まずタイトル通り侍が現代にやってくるという点で、これからどうなるのかな?と引き込まれる
途中では、笑いも生まれるシーンもあるが、長州、会津の関係をほんのわずかのスパイスとして上手く入れこみながら、侍の矜恃が現代に合わせていく模様を上手く表現しているのがよい
殺陣は、時代劇を愛している人達の気持ちがこもったいいシーンだった(特に最後)
主演の山口馬木也、相対する冨家ノリマサが、全体を引き締めている
低予算ながらも日本アカデミー賞を取ったのは、脚本とこの2人の力も大きいと思う
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