侍タイムスリッパーのレビュー・感想・評価
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日本の映画の層の厚さを実感
とても低予算で1映画館インディーズからスタートしたとは思えないほどのレベルの高さでした。
純粋にシナリオが楽しい!演技に笑える!途中ちょっとしんみりする!時代劇について考えさせられる!
俳優さんの演技力といい、セリフ音声のクリアな音質といい、タイムトラベルものとしてのシナリオといい、全国ロードショーとなったのも納得の出来前で、これぞエンタメかと日本映画の層の厚さが嬉しい限りでした。
下手に著名脚本家の名前で売り出してる映画に比べて、観てとてもお得感が得られる良作です!
この映画を全国版にした初期の視聴者の方々の拡散力への心からの感謝と、東宝系松竹系イオン系の劇場のご英断への感謝も込めて★5満点です!
すごいもん見たって気もするけど、何より楽しく見れるのが良い
なにやら話題のようなので鑑賞。
時代劇とか名前は知ってても、ほぼ全く見たことないし、侍がタイムスリップだ?どうせ現代のテクノロジーに侍がびっくりの問題起こしーの…みたいなやつだろーって思ってたけど、1割くらいはそんな感じもあったけど、ほぼそうじゃない。
そういうことでいうと本作の侍は結構冷静で観察力があるかもしれない。
また本作時代劇を題材にしているけど、歴史物ではないので、歴史に疎くても、問題ないし、時代劇も別に詳しくなくても是非って作品
「意外と順応するし、周りも受け入れる」
タイムスリップもので良くあるその時代の文化にてんやわんやするシーンが意外と少ない。現代の食事の美味しさ、テレビの時代劇に夢中ってくらいの印象。
そして周りも事故で頭ぶつけてるから&日頃から侍になりきって俳優の鑑的な扱いですんなり受け入れ、周りに変な人扱いされるみたいなのもほぼない。
最も意外なのが自分がタイムスリップしてきたと言うことを特に説明しないこと。
いつの時代から来たとか説明しがちだけど、そういうの一切なかった気がする。
このあたりタイムスリップものにしては珍しい気がするし、新鮮味があった気がする。
「割とベタなお笑いが多い」
そう書くとつまらなそうだけど、これがなかなか面白い。
主役キャラ、表情がなんとも愛嬌がある感じのせいかもしれない。
「真剣での立ち回り」
笑いありで、なんだかんだあり、本作の見どころはここで間違いないでしょう。
真剣での立ち回りに劇中の人物たちに緊張感が走るが、始まるまでの間の取り方で一気に鑑賞しているこちらもその緊張感に飲み込まれてしまった。
その雰囲気からこの撮影本当に真剣使ってるんじゃないか?なんて思ったりもした。
そう思えるだけの演技と立ち回り素晴らしかった。
「総括」
笑いとしては割とベタなボケだったりするけど、こんなに面白かったのはきっと絶妙な間とか役者の方の表現が良かったからだと思う。おっさんなのになんだか可愛らしい感じすらした。
そして“間”の取り方ということで言うとやはりラストの撮影シーンの睨み合いの“間”があまりにも印象的。
長すぎるくらいのあの時間によって、ただ事じゃない、劇中の空間に引きずり込まれるようだった。
その瞬間、劇場な観客もその撮影を見守る劇中のスタッフたちと同じ気持ちだったのでは?
そしてラストも本作らしい軽く笑えるようなボケで終わらせてくれたのもとても良かった。
時代劇ぜんぜん見ないくせに言うのもアレだけど、時代劇自体なくなっちゃうとそれはそれで寂しいよなぁ。
それと同時に本作とは関係ないけどマツケンサンバという形で時代劇の要素を残し続ける松平健さんはそれはそれですごいなぁと思ったり…
すごいものを見た気もするけど、同時に楽しいものを見れたと言う気持ちで劇場を出れたのがとても良かった。
話題になってるのなるほどな作品でした。
それがし、「斬られ役」にござる。
斬られ役侍(本物)
ベタで面白い!
タイムスリップ、現代と過去
フィクションの中のリアリティ
上映館たったの1館で始まり、クチコミで大きな話題を呼んだことで全国での上映が決定。こんな風に小規模でも面白い映画がしっかりと評価されているのを見ると、もうそれだけで心が温まるし、全国にはたくさんの映画ファンがいるんだなとすごく嬉しくなる。
しかも、本作のテーマが時代劇という『伝統の存続』であったため、こうして多くの人の手に渡っていったことがそのテーマと偶然にも重なり、とんでもなく胸が熱くなった。監督はもちろん、制作に関わった全ての人の映画愛、そして時代劇愛が作品に反映されており、観客はそれを見て打ちのめされる。やっぱり、映画って最高だな...。この映画を見てそのことをとにかく痛感させられた😭
この映画は何の情報も得ずに見て欲しい。色んな仕掛け、様々な映画愛、さらには客層の暖かさにまで驚かされる。タイムスリップとして見てもよし、時代劇として見てもよし、流行に乗っかってみようと見てもよしで、どんな方面から見ても想像を超える楽しさがあり、そしてこの映画にしか出来ないラストが待っている。
山口馬木也が表現する武士の解像度の高さが異常と言える程で、タイムスリップコメディとしてとにかく笑える。しかもしつこさはなく、程々に押えておきながら、監督・制作陣が伝えたかった想いをゆっくり、しっかりと語っていく。このバランスの良さこそ、本作が低予算ながらに高く評価されているところだろう。
大好きな時代劇。この映画では大物俳優の起用により注目を集める、という設定であるが、現実はなかなかそう上手く行かず、近年劇場公開された「仕掛人・藤枝梅安」も「鬼平犯科帳 血闘」もオールスターで傑作にも関わらず、興行的には苦戦を強いられることに。本作をきっかけに、少しでも時代劇に興味を持ってくれたら。
奇遇にもSTARチャンネルオリジナルドラマ「SHOGUN 将軍」が世界のドラマに贈る最高の栄誉・エミー賞を受賞したことで、時代劇というジャンルが国内に限らず、世界中から日の目を浴びることに。高坂も言ってたように、時代劇とは義理も人情も人の闇も苦しみも全てが詰まっている、最高のジャンル。どうか、どうかこれからも時代劇が制作され、評価される世であって欲しい。こんな映画を作ってくれたこと、そして全国上映に漕ぎ着けてくれた池袋シネマ・ロサの全ての映画ファンにありがとうと心から言いたい。
低予算でもここまで人の胸を打ち、感動させられるものが作れる。しかも、それが絶滅しかけている時代劇というそんな画期的な作品。大袈裟ではなく本当に、この映画が日本映画の今後を変えることになるかもしれない。
たしかに、低予算が故に安っぽさは感じるし、予算があればこの監督はもっともっといい物をつくれるはず。だけど!そんな中で、そんな中だからこそ、商業映画では絶対に見られない創意工夫が凝らされているし、この映画にしか出来ないことで溢れている。本当にすごい映画を作ってくれた。これから沢山、安田監督のような才能あるクリエイターが活躍できるよう、また安心して映画製作が行えるよう、日本政府はエンタメ事業にこれまで以上に予算を当てて欲しいと思う。今後の日本映画の革新を願って。
いわゆるB級映画が・・
監督が私財を投げうってでもつくりたかったという作品。
その気持ちしっかりと受け止めました。
映画を愛し、時代劇を愛し、役者を愛する。
良くあるタイムスリップものだけど、その可笑しみだけではなく時代を超えて訴えてくる武士の生き様。
主演の山口馬木也がめちゃくちゃ良い!
随分若い時から役者をやっていて映像、舞台でも何度も拝見しているのだが名前と顔が一致する人は少ないかも知れない(失礼)
彼の芝居を昔から何度か観ていていつも孤独感みたいなものを感じていた。寂しさというか・・
今回この映画では彼特有のその孤独感みたいなものが役とぴったりでほんとにその時代を背負って現れた人物に見えた。
インディーズ作品がここまで大きくなって監督、スタッフ、役者さんたちが今一番この作品に出会えた事を喜んでいるに違いない!カメ止めを追い抜け!
会津藩士
最近よくあるタイムスリップ設定でインディー映画、じわじわ聞こえてくる評判、第二の「カメ止め」
どれどれ、どんなものですか!?と新宿へ
最後、泣き笑いしましたよ…
中盤まではコメディ要素満載なので、ある程度予想の範疇なのだが、中盤以降ある登場人物が出現してから、物語に深みが!
主人公の山口馬木也、この映画を観るまで知らなかったが、哀愁ある男前で会津藩士を熱演、泣いた…
昔、昼ドラでお見受けした冨家規政(現在はノリマサ)も貫禄十分で素晴らしかった
助監督役、沙倉ゆうのもベタなヒロイン設定ながら、最後笑わせる
最後の殺陣シーンは緊張感満載で、ここだけ観ても料金分の価値は有り!
会津藩士という設定がな〜、泣かせるんですよ!
大オチは爆笑必至! オワリ
チャンバラに魅せられ史観に泣く
殺陣というものを最大限に描ききるための設定だったように思えました。質とか演出とか展開、音響、いずれの点においても見劣りしてしまうところは多々あるんですけれど、それを剣術とかアングルとかカメラワーク、あるいは音楽などでもって創意工夫して見事な作品に仕上げきっていた印象で、とにかく一生懸命な映像に、そりゃあ会津籠城戦などをもってこられると号泣してしまうこと必至というところでしょう─所々で笑って大いに泣きました。
何よりも様々なチャンバラが素晴らしかったです。もっとコミカルで爆笑の作品かと思っていましたが、黒澤映画の時代劇を彷彿とさせる剣術と、現代だからこそ見せられる剣さばきが凝縮されていて、想像以上に映像そのものに魅せられたという印象です。早く帰って七人の侍とか用心棒とかを見たい気になっちゃいました。
シンプルかつ分かりやすい脚本も良かったです。とにかく剣劇を魅せるのだという、そういう思いがひしひしと伝わってきました、まぁ個人的な勝手な解釈なんですけど─。
この規模でよく頑張った!!
月に8回ほど映画館で映画を観る中途半端な映画好き。
なので専門的過ぎないライトな紹介を書いてます。
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幕末、会津藩の地味な侍が城主から敵の長州藩士を討つよう命を受け
標的の男と刃を交えた瞬間、落雷によって気を失ってしまい
目を覚ますとそこは現代の時代劇撮影所だった。
そこまではありがちだし、時代劇撮影所と言うのも
ご都合主義に感じるが、そこは置いときましょう(笑)
この映画そこではなく、そこから発生する時代劇愛や
チャンバラリスペクト、更に侍魂の継承みたいなことが
テーマと感じました。
主演の山口馬木也さんが紛れもない本物の時代劇役者さんだから
殺陣は全く危なげが無いので安心して観はじめましたが
面白かったのは現代パートの撮影所や、リアルな現代の街で
右往左往する様。
田舎侍らしい素朴な喋り方や佇まいが上手くハマってる!!
撮影所でいきなり「江戸の町で〜〜」の他の役者のセリフで
おそらく、本物の江戸はほとんど見たことが無さそうな
会津の田舎侍にとっては、江戸とはこんなものか〜と
無条件に信じてしまう素朴さ。
現代で様々な人に助けてもらうたびに冴えない会津訛りで
(会津の皆さん、悪気はないです。すいません。)
自信なさそうに、でも律儀に礼を言う姿がもう観ていて、
可愛いいな〜〜憎めないな〜〜と感じさせる山口さんの演技。
普段は割と時代劇の中でも偉い人や、
逆に強くて悪い人を演じる事もある山口さんの抑えた、
周りが心配してしまう演技が、
この映画をみんなが好きになった大きな要因なんだろうな〜
と感じました。
面白かった!!
で、奇しくも、アメリカのエミー賞で日本の時代劇の
『SHOGUN 将軍』が18部門の賞を受賞すると言う快挙が報道され
その授賞式で主演男優がわざわざ日本語で
時代劇を守ってきた人々への感謝と、時代劇を守りたい思いを
語った姿は、全く予算規模が違うけれど
本作「侍タイムスリッパー」も同じ思いが根底にあることに
私は改めて感動しました。
切られ役として有名だった福本清三さんが初主演を飾った映画
「太秦ライムライト」を劇場で鑑賞した身としては
映画で時代劇が封切られる度にできる限り観に行くようにしていますが
改めて、日本にとって大事なコンテンツだな〜〜と実感しました。
本物の殺陣のできる役者さんによる勝負!
ぜひ劇場でご覧ください。
余談ですが「太秦ライムライト」についてもレビューを書いてます。
映画.com内ではリンクを貼れないので興味のある方は
「太秦ライムライト」で検索してみてくださいませ。
劇場で見て損のない良作
前情報あまりいれなくて良かった
今年邦画No.1(早くも)
もはやTVでも放送がほぼない時代劇
時代劇を愛する人たちがそれを見据え理由を語り、
本作まで昇華した
実はこの作品こそがヒットし、TVドラマ化すれば当たるのではないだろうか?!
この2時間はトピック毎に分割出来るだろうし、その後やスピンオフまで想像できる
でも本作の監督、スタッフで創られないと意味がないから米農家もやられている監督には忙しくても無理にでもお願いしたいところ
山口馬木也さんの演技が抜群に素晴らしい!食べながら泣くなんてなかなかできる事ではない
拡大上映で沢山の映画ファンお客様を笑わせて泣かせて欲しい
エンドロールで多くの諸先輩方がトイレに急ぐシルエットがなんだか微笑ましく映りました笑
とても素敵な鑑賞時間でした!本作のスタッフ皆さんありがとう!!
時代劇への熱烈なラブレター
通常スクリーンで鑑賞。
笑いあり涙ありな王道エンターテインメントの心地良さを、これでもかと味わわせてくれる脚本が素晴らしい。時代劇のメッカ、東映京都撮影所が協力を快諾したのも頷ける。
まさに時代劇と云うジャンルへのラブレターだ。惜しみなく捧げられる「時代劇」へのオマージュと、全編に漲る時代劇を衰退させてなるものかと云う熱意に心を持っていかれた。
幕末からタイムスリップして来た朴訥な会津侍・高坂新左衛門が体験するカルチャー・ショックが面白いし、交流する人たちとのベタベタでコテコテな笑いがとても楽しかった。
中盤辺りに意外な展開が待ち受けていて、そこから物語は徐徐にシリアスになっていく。斬られ役の矜持と幕末志士としての生き様が重なり合い、昇華されていく筋が見事だった。
クライマックスの殺陣が忘れられない。あまりの迫力に息を呑み、食い入るようにしてスクリーンに見入ってしまった。
「椿三十郎」を想起させる対峙から始まり、死力を尽くした剣が混じり合う立ち回りは自主製作映画のレベルではない。
時空を超えたふたりの侍の想いと気迫のぶつかり合いに手に汗握り、心が震えた。時代劇史に残る名シーンだと思う。
撮影所の喫茶室で、新左衛門が助監督・優子に切られ役になりたいと相談するシーン。「心配無用ノ介 天下御免」を観た感想を話す新左衛門の言葉に思わず涙してしまった。
私が抱く時代劇の魅力を、新左衛門が代弁してくれたように感じたからだ。今も昔も変わらぬ人の世の温かみを、時には冷たさをも映し出す時代劇は日本が世界に誇る文化だろう。
決して無くなって欲しくない。本作のブームと時を同じくするように、ハリウッドでつくられた時代劇ドラマが快挙を成し遂げ、時代劇復権の下地が整えられて来たように感じる。
時代が再び、「時代劇」を求めているのかもしれない。
[余談1]
特撮好きの時代劇好きとしては、幼い頃に、「ゴジラ×メガギラス<G消滅作戦>」でグリフォンのパイロットとして出会い、その後「剣客商売」の二代目秋山大治郎として親しんだ山口馬木也氏と、こんなにも面白い映画の主役としてまた会えるだなんて人生何が起こるか分からないなと思った。
[余談2]
心配無用ノ介、劇中で撮影していた回の完全版が観たい。昔ながらの勧善懲悪時代劇で、懐かしさが込み上げる。円盤の特典映像でもいいから是非つくっていただきたい。
[余談3]
峰蘭太郎氏の演じていた役は元元福本清三氏にオファーされていたが、福本氏が逝去され峰氏が代役を務めたとのこと。
劇中にも福本先生の言葉が引用されていたしエンドロールに「In Memory of Seizo Fukumoto」と出た瞬間落涙した。
観終わった後、無性に「太秦ライムライト」と「時代劇は死なず ちゃんばら美学考」を見返したくなってしまった。
大手の映画とは違う時間の流れを感じた!!
大手の映画と違う時間の流れが良かったです。前半は主人公がすんなり現代に適応し、周りの人も良くしてくれて、日常の生きづらさを忘れる事ができるものがありました。リアル・コロ助みたいな感じでした。「自分にはこれしかないので、ここで働かせて下さい」みたいな事を言うシーンが良かったです。ピュアな主人公に観客が感化されていくのが面白いと感じましたが、後半は殺気立って陰鬱な空気になり、武士の振る舞いは良いものだけではなく、ネガティブなものも抜けきれないのだという不自由さを感じました。かといって「武士道とは死ぬ事と見付けたり」を体現する訳でもなく、結末は中途半端に感じました。ラストシーンは、斬られ役に徹した「太秦ライムライト」(2014)の方が良かったです。また、殺陣のシーンはカット割りが多く、スロー演出も多用して酷いと感じました。ヒロインが萌え声で、お祖母ちゃんっ子の田舎娘という高度の属性を持っていて印象的でした。現在悪政が蔓延る中で、勧善懲悪を描いた時代劇は体制側に目の敵にされて、庶民の娯楽でありながら衰退させられたと感じるので、時代劇の灯火を消してはならない事はその通りだと思います。
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