「殺陣に息を飲む」侍タイムスリッパー mykpさんの映画レビュー(感想・評価)
殺陣に息を飲む
ミーハー風情の私、3月に舞台挨拶付き上映のチケットが取れたのでお邪魔しました。当たり前ですが全体的に音楽や演出、編集は自主映画だねいう出来具合で、どうしてもチープに見えてしまうがそれは仕方のないこと。でもそんな映画が単館上映から広がってヒット作となったことに、謎の感慨深さを覚えた(多分、カメラを止めるな以来の感情)
裏方さんが出役もやっていたりと手作り感があり、キャストも主題歌もプロモーションも華やかな商業映画ばかり見ていることを少し考えさせられた。監督が愛車を売り払ってまで資金にあて制作したというエピソードを知り妙に納得。
設定は突飛だが、とにかく殺陣が素晴らしい。時代劇など全く縁のない生活をしてきた私、いかにも時代劇~ではない作りなので余計に殺陣のシーンが新鮮で際立って見えました。
今も上映しているとのこと。キャストのファンというよりこの映画のファンがたくさん増えたのだなと、舞台挨拶やSNSの熱量からも感じました。
本編で女性助監役をやられている方が実際に裏方をいくつか兼任されていることをエンドロールで知り、撮影所やインディーズ界隈の実情も、舞台挨拶のトークや彼女のインタビューから何となく伺い知ることができ、応援したくなりました。
此度、金曜ロードショーの放映が決まり、見に行ったことを思い出して、レビューさせていただきました。最後の方、(ややネタバレになりますが)
真剣でやり合うシーンの殺陣は圧巻で呼吸を忘れていました。もちろん、実際は真剣じゃないけれど、どうなるのかというハラハラドキドキ。
映画自体は、笑いあり、涙あり、現代の生活を考えさせられたりもしました。
悪い人がだれも出てこない。役者さんは知らない方が大半ですが切られ役から主演まで全て良かった。
今さらですが、山口馬木也さんに日本アカデミー賞最優秀男優賞をあげたかった(笑)