「何の期待もせずに見たら、面白かった!」侍タイムスリッパー えりちゅうさんの映画レビュー(感想・評価)
何の期待もせずに見たら、面白かった!
賞を取った以外に、何の情報も入れずに鑑賞した。自主制作の映画と言うのはもっと手作り感があって素人っぽいのかなと思っていたが、そんな事は微塵も感じられない、過去の大作にも引けを取らない素晴らしい映画だった。
最初に感じたのは、画面の美しさで、主人公が現代の河川敷を歩いている場面が、山田洋次のたそがれ清兵衛のオープニングにある雄大な雪の残る山々を背景にした庄内平野の場面と重なって見えた。現在の街並みと侍姿の男との引きでの対比が、彼の心細い心情を映し出しているように感じた。
後で聞けば、監督が撮影も編集もしていたとのことで、そんなことができる人間がいるのかと驚いた。撮影一つとっても奥が深いものであるのにこのレベルで全てをやってしまうなんて、ちょっと理解が追いつかない。
映画内のユーモアも素晴らしく、一方で最後の真剣のシーンは本当に真剣で斬り合っているかのように感じられた。緊張と緩和が心地よい映画だった。どの役者も演技が素晴らしかった。
しかし、自主制作でこんなレベルのものが生み出されたら、後に続く人たちのプレッシャーはすごいだろうなと思う。
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